第1部
3

 福知山市の工業


  「造成事業の目的は、中丹地区の内陸部に大規模な工業用地を先行的に取得、造成するともに、中丹

  地区と阪神工業地帯との間の運輸、交通、通信網の整備をはかって、この造成工業用地に近代的企業

  を計画的に導入することにより、中丹地区の効果的な工業開発を推進し、もって日本海側一帯の住民

  の所得と福祉の普遍的な向上に資することである。」(2)

    年々格差が拡大する京都府北部地域と南部地域の格差を是正するために、京都府北部の経済構造を

  一挙に変革し、大都市に流出を続ける若年労働力を地元に定着させる安定的な雇用の場を創り出し、

  若者達が故郷をすてることなく、豊かな故郷として発展するようにという目的のもとに計画されたの

  である。


1-4 京都府産業別就業人口構造  (    )%

 

1

2

3

合計

昭和45

(9.6)
108,818

(38.6)
438,813

(51.8)
588,618

(100.0)
1,136,249

  50

(6,9)
78,969

(36,9)
421,995

(56,2)
642,922

(100,0)
1,143886

  55

(5.5)
65,175

(35.1)
415,759

(59.4)
704,146

(100.0)
1,185,080

   出所:『地方都市における工業開発と都市整備の方向』11ページと、

         京都府編『昭和58年 京都府統計書』228229ページより作成。

□ ■ □

  福知山市についていえば、表1−5のとおり昭和45年から昭和55年にかけて第1次産業に従事する者が

減少した分だけ、第2次・第3次産業で増加しており、第2次産業に従事する者が飛躍的に伸びているの

が特徴的である。

1-5 福知山市産業別就業人口構造  (    )%

 

1

2

3

合計

昭和45

(26.1)
8,528

(24.8)
8,085

(49.1)
16,052

(100.0)
32,665

  50

(20.5)
6,426

(27.7)
8,677

(51.8)
16,222

(100.0)
31,325

  55

(14.9)
4,937

(30.7)
10,145

(54.4)
18,003

(100.0)
33,085

    出所:『地方都市における工業開発と都市整備の方向』11ページと、

          京都府編『昭和58年 京都府統計書』228229ページより作成。 

□ ■ □

  昭和45年における中丹3市の京都府における地位は、表1-6のとおり、事業所数で4.1%、従業者数

で9.2%、製造品出荷数で7.2%のシェアとなっている。
 

   中丹三市(1)の中で福知山市は、従業者数も製造品出荷数最低であった。一事業所当り従業者数

が舞鶴市・綾部市の約半分であることから、零細な事業所が多いことがわかる。

1-6 昭和45年第2次産業についての各種統計

 

事業所数

従業者数

1事業所当り従業者数

製造品出荷額(万円)

京都府

31,664

297,081

9.4

144,013,896

福知山市

462

5,948

12.9

1,700,786

舞鶴市 446 12,467 28.0

2,579,218

綾部市

380

8,991

23.7

6,053,879

中丹各市計

1,288

27,406

 

10,333,883

対京都府シェア

4.1%

9.2%

 

7.2%

出所:「地方都市における工業開発と都市整備の方向」14ページより作成。

□ ■ □

  長田野工業団地操業開始後の昭和58年、表 1-7のように、福知山市の製造品出荷額は舞鶴市に匹敵

するまでになった。もちろんこの数字には、福知山市の製造品出荷額の約75%を占める長田野工業団

地のものが含まれていることを、忘れてはならない。京都府・舞鶴市・綾部市の従業者数が軒並み減

少している中にあって、福知山市が従業者数を大きく増加させているのが目立つ。

表1-7  昭和58年  第2次産業についての各種統計

 

事業所数

従業者数

1事業所当り従業者数

製造品出荷額(万円)

京都府

32,446

259,601

8.0

454,043,000

福知山市    423 6,784 16.0 15,046,742
舞鶴市 498 9,489 28.0 16,807,601
綾部市

397

5,844

23,7

6,663,286

中丹各市計

1,318

22,117

 

38,517,629

対京都府シェア

4.1%

8.5%

 

8.5%

出所:『昭和60年度版京都年鑑』京都新聞社388ベージより作成。

□ ■ □

  長田野工業団地操業開始前の昭和44年、表1―8のように、鉄鋼と繊維、特に鉄鋼の製造品出荷額が

極めて高い割合を占めていた。操業開始後の昭和58年、様々な業種が均等な割合で多様化し、食料品、

繊維、衣服、木材、木製品の地位低下が目立つ。

表1−8  福知山市製造品出荷額上位業種の変化 (単位:100万円)

 

44

55

58

1

鉄鋼

窯業・土石製品

化学

3,953

16,695

21,883

2

繊維

精密機械

精密機械

1,866

16,498

17,629

3

一般機械

鉄鋼

鉄鋼

1,033

14,934

17,438

4

電気機械

一般機械

窯業・土石製品

1,032

11,013

17,108

5

木材・木製品

電気機械

非鉄金属

948

11,013

15,162

6

食料品

食料品

一般機械

822

5,567

10,698

出所:44年のものは『'86 地域経済総覧』418419ページより。

   55年のものは『'82 地域経済総覧』313ページ。

   58年のものは『'86 地域経済総覧』327ページ。

□ ■ □

  操業開始後の昭和58年、様々な業種が均等な割合で多様化し、食料品、繊維、衣服、木材、木製品

の地位低下が目立つ。福知山の工業をこれほどまでに変えた長田野工業団地とは、いったい何者なの

だろうか。3節からはいよいよ本題に入り、長田野工業団地の研究を進める。




indexへ

  • 当ホームページは「Internet Explorer v6 以上」、「Netscape v6 以上」のブラウザでご覧ください。古いバージョンでは正確に表示できない場合があります。セキュリティの面からも最新ブラウザへの更新を推奨します。
  • ホームページについてのご意見、ご感想は tokiwata@kai.ed.jp