第2部
2

 税収効果


 

  長田野工業団地によって福知山市にいかなる税収効果がもたされたのかについて、考

察してみることにする。「『地方税法』(8)は地方団体が課税すべき税および課税でき

る税を定めているだけでなく、その税率をも定めている。税率の定め方は、地方団体が

課すべき税率を一定値として定めている場合もある。このような税率を一定税率と呼ん

でいるが、実際には、電気税、ガス税、たばこ消費税等に適用されている。しかし市町

村民税や固定資産税のような主要な税については、標準税率を定め、現実に地方団体が

適用する税率を地方団体の裁量にまかせている。標準税率とは、地方団体が課税すべき

税率であるが、財政上特別の理由がある時は、これと異なる税率を採用することができ

る、といった税率である。標準税率が定められている税については、課税できる最高限

を示す制限税率が、通常設けられている。

□ ■ □

  個人市民税には個人均等割と所得割が、法人市民税には法人均等割と法人税割とが課

税されている。均等割とは一種の自治会費のようなもので、所得の大小にかかわらず、

一定金額を納税する。ただし、前年度無所得の者や『生活保護法』による生活扶助を受

けている者には市民税は課税されない。所得割は所得税と似ているが、所得税とは異な

り前年の所得に対して課税し、税率は所得税ほど累進的でない。法人税割は、法人税額

を課税標準としており」(9)先に述べたように適用する税率は、最高限度内で福知山市

の裁量に任されている。

□ ■ □

2-10 長田野企業関係の占める税割合  (単位 千円)

               年度

51

55

59

個      人

    

内 長田野関係分

       

633,033

19,070

3.01

1,234,602

83,162

6.74

1,780,851

141,070

7.92

法      人

    

内 長田野関係分

       

279,407

86,873

31.09

766,325

420,193

54.83

927,110

369,298

39.83

固定資産税

    

内 長田野関係分

       

832,093

302,014

36.30

1,319,588

471,262

35.71

1,886,674

677,537

35.91

電  気  税

    

内 長田野関係分

          

98,799

18,616

18.85

718,644

65,979

30.18

297,141

88,146

29.60

ガ  ス  税

    

内 長田野関係分

       

13,974

6,361

60.61

23,288

18,703

80.31

9,851

4,803

48.76

特別土地保有税

    

内 長田野関係分

       

76,968

29,895

38.84

67,730

14,907

22.01

67,375

17,469

25.93

   

    

内 長田野関係分

       

51,617

13,965

27.06

77,722

19,128

24.61

95,187

28,193

29.62

市 税 総 額

    

内 長田野関係分

          

2,224,498

478,794

21.52

4,071,379

1,093,334

26.05

5,563,829

1,326,516

23.84

出所: 『福知山市商工観光課長大槻昭吾氏よりいただいた福知山市調査統計』

 

  長田野工業団地の工業製造品出荷額は福知山市全体の約75%を示すが、表2-10の59年

度のところを見ると、法人市民税のうち長田野関係分が約40%を占め、大きな比重を占

めているのに対し、個人市民税のうち長田野関係分はわずか約8%にすぎない。これ

は、先に述べたように個人市民税と法人市民税の課税方法に違いがあることに加えて、

福知山市民で長田野で働く人または長田野住宅団地の住民で納税義務者の絶対数が少

(10)ことに原因がある。

  固定資産税は、土地、家屋および償却資産に対して課税される財産税である。各社の

長田野工場の薄価が全国的に見ても高額であることに起因して、長田野関係分が福知山

市全体の固定資産税に占める割合は大きい。

  大気汚染対策として重油使用が禁止されガスが使用されているために、特にガス税の

比重は高い。

  法人市民税と固定資産税の長田野関係分が福知山市全体に占める割合は約40%である

が個人市民税の長田野関係分の割合が小さいことが、昭和59年度の市税総額のうち、長

田野関係分23.84%という結果を生んだといえよう。長田野工業団地による地域人口の

増加が今ひとつ伸び悩んでいる影響は税収面でも表れている。




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