第3部
1

 大阪企業の府外への展開


     長田野に進出してきた企業は(1)大阪に本社を構え、今も大阪に工場があるも

   の、(2)以前は大阪に工場があったが、現在は全面移転して大阪にないもの、

   (3)その他、等に分類できる。

    ここでは、大阪府立商工経済研究所と大阪商工会議所によって調査された「大

 阪企業の府外への展開」を通して、大阪府外へ移転した企業の動向について考察す

 る。「表3-1のように、大阪府内の企業の地域外への立地移動は比較的早くからみ

 られたが、40年代に入り府下地域の過密化が進むにつれて本格し、30年代の 700件

 から40年代の前半及び後半にはそれぞれ 900件台に達した。高度成長期においては、

 大阪府内の企業は近畿地方をはじめとする府外への工場進出を活発に行なったので

 あるが、第一次石油ショック後の50年代に入ると、不況によりかつての趨勢は急激

 に低下する。50〜54年には大阪府外への工場進出が 195件とその以前の 5年間に比

 べて 5分の 1に減少し、さらに55年以降も57年 3月までに 104となり、そこには厳

 しい経済環境に対応して減量経営や生産の合理化をはかりつつある企業の姿勢がう

 かがわれる。

 

31 大阪企業の年代別地域別工業進出の推移(573月末現在)

 

昭 和

30年代

4044

4549

5054

55年以降

合計

北海道

21

12

31

4

1

69

東  北

9

12

39

11

3

74

関東内陸

75

88

76

21

9

269

関東臨海

16

76

44

34

6

176

東  海

61

52

50

14

12

188

北  陸

17

17

33

8

6

82

近  畿

309

313

386

68

42

1,118

山  陰

51

85

30

1

167

山  陽

57

105

104

15

10

291

四  国

50

77

51

6

2

186

九  州

36

113

138

13

3

313

   

702

950

982

195

104

2,933

 

 

 

 

 

 

 

 

 

備考 大阪府立商工経済研究所調べ。

出所:経済企画庁調査局編『地域経済構造の新展開』129ページ。

□ ■ □

     表3-2 工場移転の理由

項   目

テキスト ボックス: 最近年の移転理由を大阪商工会
議所の調査(表3-2)でみる
と、まず「敷地狭小」「地価
高」が併せて26%を占め最も多
い。「近くに住宅地」があり、
「トラブル」が起きたり、「公
害に対する苦情」があったり、
また「走路事情が悪い」とか
「交通混雑」のためという外的
要因によって移転したものが多
い。こうした移転によって工場
敷地は拡大したものが多く、移
転前は1000u以下が23%を占め
ていたが新工場では1000u未満
が53%であったが、移転後は
3000u以上が76%に達して、移
転前に比べれば明らかに規模は
拡大している」(12)
 
 

 

構成比(%)

 

敷地が狭い

23

近くに住宅地があり工業用地として適当でない

11

公害に対する苦情が多かった

10

公害事業協力、強制収用

10

住宅の進出でトラブル

9

周辺の道路事情が悪い

9

生産合理化、事業拡大

4

公害規制が厳しい

3

立地規制

3

建物が老朽化

3

関連企業がしないから転出

3

労働力の確保が困難

1

市内交通の混雑で輸送に時間がかかる

1

その他

7

合計

100

備考 大阪商工会議所「大都市圏工業立地制度のあり

方に関する調査(583月)」

出所:『地域経済構造の新展開』130ページ。

□ ■ □

     「移転に対する自己評価(表 3-3)をみると、総合評価では「有利になった」と

     するものが69%を占め、「不利になった」とするものは僅か 4%、「どちらとも

     いえない」23%、無回答 4%となっており、総じて好効果が得られている。「有

     利になった」とする事項は「生産力アップ」(回答企業割合89%)「企業イメー

     ジの工場」(80%)「単純労働力の入手の便」(42%)などである。これに対し

     「転移に対する自己評価(表 3-3)をみると、総合評価では「有利になった」

     とするものが69%を占め、「不利になった」とするものは僅か 4%、「どちらと

     もいえない」23%、無回答4%となっており、総じて好結果が得られている。

     「有利になった」とする事項は「生産力アップ」(回答企業割合89%)「企業イ

     メージの向上」(80%)「単純労働力の入手の便」(42%)などである。これに

     対して「不利になった」とする事項は「通勤条件の悪化」(61%)「本社・自社他

     工場との連携の不便」(36%)などが目立っている。これら以外の事項では「どち

     らともいえない」と回答した企業が多く、なかでも「資金調達」「製品開発・技

     術研究開発のための情報入手」「市場情報の入手」などが目立つ。(13)

     表3-3 工場移転の効果評価

3-3 工場移転の効果評価

 

有利になった

どちらともいえない

不利になった

無回答

輸送条件

39

30

23

8

100

通勤条件

11

28

61

100

資金調達

8

85

4

3

100

企業イメージ

80

20

 

100

単純労働力の入手

42

38

14

6

100

熟練労働力の入手

11

54

28

7

100

専門知識をもつ労働力の入手

9

 

62

23

5

100

外注・委託先

8

62

18

12

100

受注・受託先

20

69

3

8

100

製品販売

32

58

3

7

100

原材料入手

26

64

8

3

100

製品開発のための

5

74

15

5

100

情報入手

技術研究開発のための情報入手

5

73

16

5

100

市場情報の入手

7

70

19

4

100

試験・研究機関の利用

8

61

27

4

100

生産力アップ

89

9

1

100

本社・自社他工業との連けい

8

42

36

14

100

総合評価

69

23

4

4

100

 

備考 1.  大阪商工会議所「大都市圏工業立地制度のあり方に関する調査(583月)」

         による。

2.       「総合評価」は調査対象企業が自ら総合評価を行なったものである。

出所:『地域経済構造の新展開』131ページ。

 

□ ■ □






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