第4部
1 既存教育施設の有効利用――京都府立福知山職業訓練校・訓練センター――

    長田野工業団地はオーダーメイド方式をとっている。オーダーメイド方式というの

は「土地造成については、工業用地をまず確保し、立地企業の注文があって前節では、

期待の意味もこめて理工系大学誘致を提案したのであるが、この程度のことはもちろん

計画されており(21)実現の道は遠いとのことである。とな ると、既存教育施設を有効

利用するしかないのではないか、ということにもなる。「そもそも工業立地は、直ちに

地域の過剰労働あるいは失業者の雇用拡大を意味しない。立地業種に適合する労働力の

みが雇用されるからである。これへの対策としては、職業訓練等を施すことによって、

雇用需要に適合した良質な地域労働力の育成に努めることが必要である。」(22)

の意味から、京都府立福知山職業訓練校・訓練センタ−の役割は重要である。戦後すぐ

に設置された訓練校は昭和554月に長田野工業団地に隣接する現代地に移転してき

た。事業概要の設置の目的のところには「当校は職業訓練法に基づいて設置運営されて

いる府の施設で、技能労働者となるために必要な技能と、関連知識および職業人として

の心構えを習得させ、有為な技能労働者を養成し、職業の安定と地位の向上を図り職業

訓練を通して地域社会の経済発展に寄付することを目的とする。昭和56年度に 開設した

訓練センタ−は、地域に働く労働者の必要な教育訓練、監督者の監督能力、技術の向

上、技術革新に伴う新たな教育訓練、職種の転換や新しい設備に必要な能力の開発、資

格取得の技術講習会や技能検定受験の援助等を行なう」(23)と書かれている。

   職業訓練校の訓練科目は7科目(24)であり、昭和60年度は 160人の定員に対 し 107

人が 1年間の訓練に励んでいる。普通科高校を卒業したが技能を身につけ たという生徒

が圧倒的に多い。職業訓練校修了生で長田野工業団地の企業に就職するものは皆無に等

しい。求人が少ないのが最大の理由だが、訓練校で学んだことが直接に生かすことがで

きないということを見逃してならないだろう。

□ ■ □

  長田野工業団地にとっては、昭和56 9月に訓練校に開設された訓練センターの意義

が大きい。訓練センターの目的は先に述べたとおりであり、表 4-1に見るように技能 向

上訓練課程と監督者訓練課程の 2つから成立している。技能向上訓練課程の受講者の 5

割が長田野関係者であり、監督者訓練課程の受講者の 8割が 長田野関係者である。

     41 昭和59年度訓練センター実績表

訓練課程

訓練科目

訓練期間

訓練時間

昼夜の別

訓練定員

受講申込者数A

受講者数B

修了者数C

修了率B/C

指導員数

受講料

技能向上訓練

 

 

     h  

 

測量士補

59.3.124.26

29(7)

昼夜

20

55

30

20

66.66

2

1,000

パソコン

3.214.27

24(8)

20

20

18

15

83.33

2

1,000

商業薄記3

4.36.8

66(22)

20

21

18

12

66.66

1

2,000

土木施行管理技士

4.66.29

75(25)

20

42

34

17

50.00

1

2,000

管工事施工管理技士

4.97.9

75(25)

20

20

18

12

66.66

2

2,000

電気工事士(学科)

4.106.12

57(19)

20

51

49

33

67.34

1

2,000

〃(実技)

9.410.2

15(5)

20

52

49

49

100.0

2

2,000

消防整備士(1類)

6.97.30

39(13)

20

10

9

4

44.44

1

2,000

〃(47類)

6.98.1

39(13)

20

22

20

16

80.00

1

2,000

二級建築士(学科)

4.127.5

72(14)

20

37

35

14

40.00

4

2,000

〃(製図)

8.78.30

18(6)

20

19

16

9

56.25

2

2,000

QCリーダー

7.167.25

15(5)

20

30

28

24

85.71

2

2,000

商業薄記2

8.2110.4

42(14)

20

17

16

14

87.50

1

2,000

マイコン初級(1回目)

7.248.3

24(8)

20

21

20

19

95.00

2

3,000

〃〃(2回目)

8.218.31

24(8)

20

22

17

16

94.11

2

3,000

〃〃(3回目)

9.189.28

24(8)

20

21

20

19

95.00

2

3,000

〃中級(1回目)

10.1610.19

12(4)

20

16

15

15

100.0

2

3,000

〃〃(2回目)

10.2310.26

12(4)

20

14

14

12

85.71

2

3,000

電子工学

10.912.4

48(16)

20

21

21

20

95.23

1

5,000

電気熔接(手熔接)

10.2911.30

44(12)

昼夜

12

14

12

12

100.0

3

5,000

QCサークル・リーダ

11.1911.30

15(5)

20

34

34

33

97.06

2

2,000

マイコン(経営者向)

11.7

 

30

8

8

5

100.0

1

2,000

小計(22科目)

 

772252

 

402

490

490

498

 

39

 

    

訓練科目

訓練期間

訓練時間

昼夜の別

訓練定員

受講申込者数A

受講者数B

修了者数C

修了率B/C

指導員数

受講料

 

 

h

 

工業数学

59.11. 5 12.13

36(12)

昼夜

20

12

12

10

83.33

1

2,000

シーケンス制御

60. 2. 19 3.29

36(12)

20

29

28

21

75.00

1

2,000

電気工事士(学科)

2.25  5. 7

27(9)

20

14

14

 

 

1

2,000

測量士補

3.19 4.26

26(6)

20

42

42

 

 

2

2,000

建設機械整備 1

59.7.28

7(1)

15

16

16

16

100.0

4

2,000

建設機械整備 2

7.29

7(1)

15

15

15

15

100.0

4

2,000

建設配管12

12.1512.16

14(2)

10

8

7

7

100.0

2

3,000

建築大工12

60. 1.12 1.13

14(2)

10

7

7

7

100.0

2

5,000

かわらぶき12

1.23 2.  7

21(3)

15

11

11

11

100.0

3

 

小計( 9科目)

 

188(67)

145

156

155

87

 

20

 

合計(31科目)

 

960(319)

547

646

653

477

 

59

2,000

 

訓練科目

訓練期間

訓練時間

昼夜の別

訓練定員

受講申込者数A

受講者数B

修了者数C

修了率B/C

指導員数

受講料

 

 

h

 

仕事の教え方( 1回目)

59. 5.21 5.25

10(5)

8

8

8

8

100.0

1

2,000

改善の仕方( 1回目)

6. 8 6.14

10(5)

8

8

8

8

100.0

1

2,000

人の扱い方( 1回目)

6.256.29

10(5)

8

8

8

8

100.0

1

3,000

安全作業のやり方( 〃)

7.167.20

12(5)

8

8

7

7

100.0

1

3,000

仕事の教え方( 2回目)

9. 3 9. 7

10(5)

8

8

8

8

100.0

1

3,000

改善の仕方( 2回目)

10.1910.25

10(5)

8

7

7

7

100.0

1

3,000

人の扱い方( 2回目)

11.1211.16

10(5)

8

8

8

8

100.0

1

3,000

安全作業のやり方( 〃)

12. 3 12. 7

12(5)

8

7

7

7

100.0

1

5,000

小計( 8科目)

 

84(40)

 

64

62

61

61

 

8

 

合計(39科目)

 

1,045(359)

 

611

708

614

538

 

67

 

 

 

□ ■ □

 訓練センターの意義は大きいが、さらに高度な技術を要求する長田野の若手技術者に

は表 4-1の訓練科目では、やや物足りない面が多いという。多様なニーズ に応えること

が課題である。産業界でのめまぐるしい技術改革を反映して、各地の職業訓練校では、

カリキュラムを見直しして、企業ニーズに対応した技術者の養成をはかろうという動き

がある。「大阪市の東淀川高等職業訓練校だは機械系電気系を統廃合してメカトロ学科

  への再編を検討中である。CAD(コンピューターによる図形処理)システムが進み、

 定員割れの激しい機械製図科も将来的は手直しする方針である。学科再編の背景には

「従来の訓練科目では社会ニーズに合わなくなる」(大阪府労働部)という危機感があ

 り、技能訓練だけでなく高度な技術を身につけさせることを目指している」(25)の記

  事を待つまでもなく、福知山職業訓練校・訓練センターは時代の要請に応えていかな

  くてはならない。

□ ■ □

  京都府北部にはもうひとつ舞鶴に、雇用促進事業団京都職業訓練短期大学校がある。

訓練期間は 2年間であり、訓練科目がやや特殊(26)なためか、長田野に貢献するとこ

ろまではいっていない。福知山職業訓練校も舞鶴の職練短期大学校も、学科再編のた

めには設備の拡充と指導員の確保が問題になるが、大きな期待がかかる。




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