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第
2節で述べた訓練センターをさらに有効に活用して、長田野の企業が地元の
下請企業を育てる方向にもっていけないものだろうか。そのために参考になりそ
うなものが、山形県米沢市で県立米沢高等技術専門校が開いた電子工学科向上訓
練コースの例である。「このコースの講師には米沢日本電気などこの地に進出し
た企業の中堅技術者が派遣される。地元企業の若手従業員は、先端産業の第一線
の技術をじかに学ぶことができるわけで、大量の応募者があった」(27)地元企
業の従業員が高度な技術を習得することは、進出企業にとっても大きなプラスに
なる。昭和50年の長田野進出企業への下請け発注に関するアンケートの結果と同
じように、米沢市でも下請け発注する際に、要求に足る技術を備えた地元企業が
少なかったのである。訓練コースが地元企業を育て、進出企業への下請け発注の
拡大につながったといえる。
「米沢市では昭和56年
8月、一次下請けクラスの1社に呼びかけて、親企業の系
列を越えた横断組織、米沢市電気機器機械工業振興協議会を結成した。協議会で
はひんぱんに会合を重ね、業界の動きについての情報を収集・交換したり、先進
工場を視察して、技術水準が向上するにつれ、各社は特定分野の専門メーカーに
特化し、親企業からの仕事を融通じ合う余裕も出てきたという」(28)
長田野工業団地と地域社会との共存関係について、考えて見たい。体育館やグ
ラウンドを住民に開放したり、地域の祭りに企業が参加するという従来からの関
係を進めて、職業訓練センターその他を通じて地元企業の技術を進出企業自らの
手で高めていくという努力が必要であろう。そのためには、福知山市、京都府が
企業と地域が互いに必要とし合うような関係をつくっていく必要があろう。
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