第5部

    第 2節で述べた訓練センターをさらに有効に活用して、長田野の企業が地元の

    前章では、エレクトロニクス関連のハイテク企業誘致の魅力を書いた。「時代と

  共に歩く」こと、魅力ある町つくり、企業つくりには大切なことである。

      昭和60年は、地域経済にとって波乱に満ちた年であったいえるだろう。円高・

    半導体不況の影響を強く受ける企業が数多く立地する町においては、受難の年で

    あった。ハイテク企業誘致の魅力は、今年は薄らいだ感がある。企業誘致は難し

    いものだと思う。

    私が会社訪問をしたある会社訪問をしたある企業の人事部長の方が私の質問

 (29)に対してこう答えた。「私どもでも東北自動車道沿いの工業団地に工場を

  立地いたしまして、交通の便は最高によいし、優遇制度や利便施設など申し分

  ありません。しかし地価はそれに比例しますし、また工業団地ですと、主婦パ

  ートの募集をする際にも工業団地の他の企業の給与に合わせていかなくてはな

  りません。公害防止の面での制約も多くてよいことばかりでもないのです。工

  業団地の時代は終わったではないでしょうか」

    京都府では優遇税制、補助金などを盛り込んだ数々のパンフレットを作成し

  て、東京・大阪で企業誘致説明会を行っている。北部活性化のための企業誘致、

  府の立場から見ると必死なのである。

    しかし、企業側は先の人事部長の話に代表されるように冷静である。企業に

  とって至れりつくせりのはずの工業団地が、かえって企業にとっては画一的で

  いやだと人気をなくさせる結果になったのは皮肉である。

      波及効果についても、第 2章で述べたように、予想されていたほどの数字に

  はつながらないことを、現実として直視しなくてはなるまい。

    企業誘致について否定的なことばかり書いたが「甘い夢ばかりではない」と

  いうことなのである。企業誘致以上の活性化の方法は思いつかない。

    地方公共団体が地元の活性化を願って建設した工業団地に、企業は社運をか

  けて進出していくのだということを忘れてはならない。

    第 4章で述べたように、地方公共団体は企業が進出してくれたことでよしと

  し、また、企業も工業団地で操業を開始してしまえばそれで終わり、というの

  でなく、企業は社会的責任の一環として地域経済発展のために努力し、地方公

  共団体も、企業と地域とのよき潤滑油として働いて行かなくてはならない。

    長田野を生かすも殺すも、長田野立地企業と福知山市にかかっている。

□ ■ □

あとがき

      東京で生まれ育った私が京都で大学生活を送った証拠として、京都のことを

    書こうと思った。そしてこの論文ができた。福知山に行ったことはなかったが、

    この論文を書くために何度か足を運んだ。

    何人かの人に会った。人々の長田野にたいする熱き思いを感じた。長田野が、

  福知山が好きになった。

    最後に、この論文を書くにあたりご協力していただいた方々、京都府立石原

  高等学校進路指導部の先生方、福知山職業訓練校の方々、長田野センターの方

  々、この論文の最大の協力者 福知山市商工観光課長 大槻 昭吾氏他の各皆

  様方に対して、紙面を借りてお礼を申しあげたい。

 

 




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