2. 結論までの1週間

  人生にはいくつもの転機があるが、これだけの転機はなかなかないだろうと思った。
同時に、このはなしを断ったらこのような機会はもうないだろうなと思った。身内に相談しながら、あるいは自分にそれだけの力があるのかを英文を見てチェックしたりした。とにかく英語に関わったのは、大学の教養課程で学んで以来だから15年のブランクがあるし、趣味で学ぶのではなく教壇で教えるのである。生半可な気持ちでできるはずもない。

  結論を出すまでの間に、県下の商業高校の先生方とともに、群馬の商業高校と埼玉の総合学科高校を視察する機会があった。先生方と道中を共にしながら、商業の教諭として育んだ人脈も、今まで学んだ指導の極意も、すべて捨て去ることになるのだなと、感慨深い思いであった。他校の先生には誰にも言えなかったが、商業との惜別の道を選ぶことを決めた。