6. 高校の授業を見学する

  1年目は高校現場とは無縁な毎日を送った。

  2年目になったときに私が考えたのは高校現場との距離である。日々の生活は楽しかったし、英文科での講義は充実していた。しかし、現場に復帰する日のことを考えると、あらたな課題を課さないわけにはいかなかった。

  ここで私が考えたことは、99年の4月に現場に復帰した時に恐らく1年生の担任として授業も1年生中心になるだろうということである。(現実に石和高校でそのとおりになった。)

  OCAの授業を持ったときのことを想像してみた。正直なところ不安であった。そのために第一商業高校に週1回行き、AETの近くに座り、OCA中心に1日すべてを授業見学に当てるという計画を立てた。そのために、大学では水曜日には講義を採らない方針にした。

  第一商業高校は廃校前の最終年度で残務処理で慌しかったはずである。しかし、英語科の3人の先生とAETは暖かく自分を迎えてくれた。現場での授業に参加することにより、大きな財産を築くことができた。3人の先生方は、みなさんベテランで、独自のポリシーをもって、授業を担当されていた。

  A先生は女性で、フラッシュカードの使い方が実にうまかった。女子生徒との会話にベテランの味を感じさせた。

  C先生は男性の学年主任で、多忙さがこちらにもひしひしと伝わってきた。そんな中にあって、急所をついた話に感心させられた。

  アメリカ出身のAETは私の会話の相手を務めてくれ、これらの先生のおかげで、高校現場の勘を失うことなく、2年目を充実して過ごすことができた。

  私は都留文科大学の科目等履修生であり、『教育実習』を経験せずに英語科の教員免許を取得することができた。これはある意味では楽なのだが、心配な要素が大きい。その意味での私独自に考案した『授業見学』は大きな成果を収めた。

 私の場合は、非常に恵まれており、4月以降現場に戻ってからは、この時の経験が実に役に立ち、先生方に心から感謝している。