丸州大学文学部の重井沢教授は超時空的存在に関する研究のために、古墳のさらに地底深くを探索、発掘中、OKUYの偶像を発見した。この事実は、超時空的存在を肯定する科学者たちにとって、一つの強力な証拠となった。
その後、重井沢教授はエジプトのピラミッドに行き、そこでもOKUY偶像を発見し、同時にそこでOKUYの封印を解いてしまったが、本人は気づいていない。この瞬間、時空のどこかに封印されていたOKUYは覚醒した。
また、冒険を続けて韓国へ渡った教授は北朝鮮が韓国へ向けて掘っている地下道でも偶像を発見、地球にこれだけの偶像があるのならば、宇宙にもあるに違いないと考えた教授はNASAの極秘資料を見るためにアメリカへ旅立った。
NASAで教授を迎えてくれたのは、著名な惑星物理学者カール・セイロガン博士だった。彼も熱心な地球外生命論支持者で、同時に、OKUYの存在も肯定していた。カール・セイロガン博士は、こう語った。
『私は、超時空的存在を否定しません。なぜなら、これまで打ち上げられた 探査機から、ある反応が返ってきているのです。太陽系外へ旅立ったボイジャー も太陽系第10惑星の存在を示唆するデータを送ってきました。しかし、映像を見てみると、‘顔’にしか見えないのです。これが何であるか、分かりませんでしたが、重井沢教授の発見した偶像とあまりにも酷似していたのです。この惑星は公転周期と自転周期が等しく、常に地球の方を見ています。あれが何であるかを確かめるために、探査機を送る計画があるのですが、最近は予算がなくて、延び延びになっています。』
重井沢教授の収穫は大きかった。NASAでは既にOKUYが知られていたのだ。しかし、これらの驚嘆すべき事実は、公には伝えられていない。宇宙にも謎があった。その後の調べで、太陽系の全ての惑星の地表に、OKUYがある可能性があるということも分かった。その時、教授の集めた3つのOKUY偶像は笑ったように感じられた。もしかしたら神かもしれない・・・。こんな期待を抱きながら重井沢教授は帰国した。
もしかしたら、旧ソ連でもOKUYの資料があるのではないだろうか。教授の次の目的地は決まった。
教授がロシアに着いたのは冬だった。北方領土問題をうやむやにして、経済援助をしつこく要請してくるロシアは思いの外、裕福な人々ばかりであった。日本にトカレフや覚醒剤を売って中古車を手に入れたり、なかなか良い行いをしていると教授は感心した。いや、教授の目的はロシア人の生活なんかではなく、超時空的存在に関してだった。教授は、20世紀前半に起こった謎のツングースカ大爆発の跡地へ向かった。ちょうどその頃は、クリスマスの時期で、そこに住む人々はサンタを迎えるための儀式として、焚火のまわりを裸で踊っていた。その姿は、雪山でみる影のダンスの様で、神秘的であった。教授はその人々とOKUYに関係があるとにらんでいた。そして、そこの住民たちと仲良くなるために、寒い中裸になって、一緒に踊った。
寒さを忘れて踊り続けていると、儀式は盛り上がり、聖なる偶像が現われた。
『・・・・・おお!、まさしくあれはッ!!』
そう、偶像は教授の求めていた通り、OKUYであった。住民に聞いてみると、ツングースカ爆発のあとに転がっていた破片を集めておいたら、あるクリスマスの夜、不気味な笑い声とともに突然このような偶像が出来上がったという。それ以来、クリスマスの夜はこのような儀式を行なっているのだ。
教授は持ち歩いていた九州、エジプト、朝鮮のOKUY偶像を取り出すと、住民はみな、ひざまづいた。その時、ロシアン・OKUY偶像は教授に語った。
「道はひらかれた。」
教授にはその時、深い意味は分からなかったが、これから起こる凄いことを暗示しているのだろうと考えた。そして、ロシアン・OKUY偶像を手に入れた。
教授はおそらくあと3つの偶像が地球上にあるだろうと考えたが、思いつく場所がなかった。モスクワに戻った教授はホテルのベッドに4つのOKUY像を並べた。
その時、すべての電気が切れ、OKUY像の目が微かな光を放った。その光は教授の持っていた地図のロンドンを指した。
「ロンドン・・・!?何があるというのか。ハッ!!もしや・・?」
教授は古い記憶を探り、あることに気が付いた。そして、次の目的地はロンドンと決まった。
ロンドンに着いた教授は、ロンドン市内のロイヤルホテルで、夢を見た。ロンドン郊外のストーン・ヘンジから教授を呼ぶ声がする。
「おいでませ〜〜っっ、いぃっひっひっひっひーーーーっ!!」
とても信じられない荘厳でいやらしく挑発的な声・・デジャヴュを感じる夢だった。冷汗をかいて目覚めた教授は集めた4つの偶像を持ってストーン・ヘンジへ向かった。
ストーン・ヘンジ。古代の人々は太陽の動きを予測するために建てたとされていたが、教授には本当のことが理解できた。
遥か悠久の時を越えた全時空の絶対的存在、「OKUY」を讃えるために、巨大なOKUY像を建造した古代人たち。なぜこれだけの支配力を持っていたOKUYが、現在の地球にいないのか!? これは教授にとって大きな謎だった。夕日をバックにうたたねしていると、4つの偶像が突然太陽の光を受けて、立体映像を映写した。
それは、現在残されているストーン・ヘンジの上に建てられた巨大なOKUYだった。偶像の映写した巨大OKUYは教授を見つめこう言った。
「えらいぞ、重井沢っ!あと3つの偶像を探さないとアチシは地球に下りられない。はやく偶像を探すのだ。」
なぜOKUYはいつも日本語で語るのか・・・。これは、声としてではなくテレパシー的なものなのだろうか。それにしても、あと3つの偶像はどこにあるのか。でも、OKUYが地球に下りたとき、いったい何が起こるのか!?様々な疑問が教授の頭をよぎった。一先ず、教授は4つの偶像を持って帰国した。
帰国した教授は、4つの偶像を研究室に持ち帰り、早速論文をまとめた。春の国際シンポジウムでこの4つの偶像と超時空的存在OKUYについて報告しようとしていた。しかし。あと3つの偶像が見つからないことには、教授にもOKUYが何であるか分からなかった。
教授は最初に偶像を発見した、九州の古墳の最下層部へ4つの偶像をもって入っていった。すると、OKUY偶像の目が緑色に輝きはじめ、さらに置く深いところへの道を指し示した。
「なんと奥が深い神殿だ」と驚きながらも、さらに奥へ奥へと進んでいくと大きな広間に出た。
広間の中央、奥には巨大なOKUY偶像(ロンドンで見たものと同じだった!?)がまるで生きているような鮮やかな表情で教授を見つめた。
OKUY像の足元まで掛けよってみると、そこにはOKUY偶像がぴたりと収まる7つの凹があり、教授はそこに4つの偶像を安置した。その途端、巨大OKUY像はしゃべりはじめた。
「あと3つの偶像のありかは残念ながらアチシのパワーではわからぬ。貴様の業績を讃え、ここにアチシがショーを見せてやろう。そこに、 土下座しなっ!!」
教授は言われたとおりに土下座した。すると、巨大OKUY像の目から光線が発射され、床に映像を浮かび上がらせた。
「ウンドコズンドコウヒョヒョヒョヒョ、ウンドコスベドングワッハッハッハァーッ!!」
不思議なリズムと呪文が聞こえ、まわり中の空気が脈動するかのようにOKUYのリズムに合わせた。

「セント・おくわいパワーー、メーーイク・アーーーーーップ!!」
等身大のOKUYが不思議なステッキを持って踊りだすと、キラキラと星の粒みたいなものが舞い、心に共鳴するようなダンス・ショーが始まった。神殿の深層部にこんな素晴らしいものが待っていたとは・・。小一時間ばかり、教授はこの美しいショーを楽しんだ。
教授は感動した。こんなに素晴らしいものを見られたのは地球でも恐らく私ひとり。こう思うと残る3つの偶像への期待が高まった。
重井沢教授の講義は半年以上、休講が続いている。
地球に眠る七つの偶像を集めなければOKUYは地球に来られない。
重井沢教授はどうしても超時空的存在といわれるOKUYを見たかった。偶像などではなく、本物のOKUYを。教授は研究室にこもって今まで集めた4つの偶像を眺めた。これらの偶像は時としていろいろな機能を持ち、教授にいろいろなものを教えてくれた。
なぜ、OKUYは私にこんなに優しくしてくれるのだろうか。
おまえは選ばれたものだからだ!
フッと4つの偶像が光り輝き、しゃべりだした。貴様には悠久のときを越えて、アチシとの波長が合うのだ。きっと超時空的存在の血が流れている筈だ。
集めよ、あと3つの偶像を!!
教授の調査でも、あと3つの偶像がどこにあるのか分からなかった。教授は再び偶像に聞いてみた。しかし、偶像は黙ったままだった。やはり自力で探さなくてはならないのか。
ある日、教授は買ったばかりの「グラディウスU」に熱中していた。なかなか解けなかった3面をクリアして、次の面に行くと、そこはモアイのステージだった。ふと気になって偶像を見つめると4つの偶像はみな、画面を見つめていた。その内の1つは、よだれまでたらしていた。
おお!これはッ!!きっと、イースター島のモアイに何か手がかりがあるに違いない。こう考えた教授は早速旅立つ準備をした。
その頃、イースター島では酸性雨に悩まされていた。モアイの表面が酸性雨によって溶けだすという事態は深刻だった。そして、ある日の激しい雷雨でモアイのほとんどは溶けてしまった。
教授がイースター島に着くとモアイはほぼ溶けだしてしまっていて、原型を止めていなかった。いつものように、何かメッセージが残されていないかと持ってきた4つの偶像を並べると、あたりは突然暗くなった。
激しい地鳴りの音とともに地面は震え、稲妻は光った。ズドドドドド、という音とともに、メタリックな偶像がモアイのあったところから生えてきた。これがモアイの本当の姿だったのか。やはり、地球はOKUYに満ちていた。
何十、何百というOKUYモアイは一斉に教授の方を向いて、ほほえんだ。
ぐはははははははは・・・・。
よくぞ偶像を集めた。
アチシたちはアンタが来るのを
ずっと待っていたぞ。
うひゃひゃひゃひゃ。
OKUYモアイは一斉に上を向いて、口から熱い息を吐き出した。あたりはニンニク臭くなり、はるか上空から何か輝くものが落ちてくるのが分かった。5つめの偶像だ。5つめの偶像は他の偶像とも違って、金属で出来ているらしく、メタリックな鈍い光を持っていた。教授は急にいとしくなって、偶像を抱き締めた。とても感動的だった。
5つの偶像を並べたとき、偶像たちは突然歌いだした。この歌を聞いていると教授は幼い日々を思い出し、とてもいい気分になった。もう、なにもいらない。私はあと2つの偶像を探すだけ。7つの偶像を揃えたとき、OKUYは地球に現われる。
教授はイースター島で5つ目の偶像を手に入れ、帰国した。あと2つの偶像はどこにあるのだろうか。偶像の研究を重ねる日々が続いた。いろんな国々の神話を調べて、OKUYに関係のありそうなものを探していた。
これだけ地球上にOKUYがあるわけだから、とてつもない存在であるということは感付いていた。そこで教授は一つの仮説を立てた。
すべての神々を奴隷とする超越した存在。唯一神の宗教ではOKUYそのものが神で、多神教ではそれらすべての神を奴隷としていた存在。一部の科学者が主張する超時空的存在とあまりにも似ていた。
ひょっとしたら、人類の進化の過程でもOKUYがいたのではないだろうか。数千万年ごとに生物の大絶滅がおこっているのは、OKUYのしわざではないだろうか。
数百万年ごとにOKUYが地上に降りたち、地上の生物すべてを殺す。決してありえないことではなかった。しかし、OKUYは悪魔ではないと教授は信じていた。
教授はOKUY研究が進んでいるといわれるアメリカへ再び渡った。もちろん5つの偶像を持って。町を歩いていると、突然ピストルを持った中国人が「マネー」と叫びながら襲ってきた。教授はすかさず偶像を取り出すと、その男は突然、体が爆発したかのように消しとんだ。
ふぅ、助かった。OKUY偶像は教授を守ってくれた。偶像を集めるほどその力が増しているのが分かった。
グランド・キャニオンへついた教授は、5つの偶像を正五角形に並べてその真ん中で寝ていた。
夜になって星を見ていると、偶像は子守歌を歌ってくれた。歌を聴いているとこんなことが分かった。
7つの偶像を集めないと地球に来られないのは、偶像は、地球がどこにあるかを示す道標になっているためである。もし、OKUYが地球にきたら、地上の生物はすべて滅ぼされるのだろうか。
教授は恐ろしいことに気づいた。OKUYの偶像はノアのはこぶねではなくて悪魔の道標なのかも知れない。このことが人類に知れたら殺される。しかし教授はまだOKUYを信じていた。こんなに素直で可愛いOKUYが悪いわけない。
それに、もう教授の進むべき道は決まっていた。OKUYは神だけでなく悪魔も奴隷にしている超存在。人類を滅ぼしても何の得にもならないだろうから、そんなことは決してしないと考え直した。
突然、UFOらしいものが飛んできて、地上に放射能らしいものを放射した。OKUY偶像を奪いにやってきたのだろうか。しかし、そんなものは全然効果はない。UFOは爆発して、宇宙人の死体が転がった。そして、UFOの中には、6つ目の偶像が見つかった。
偶像は微笑み、教授を至福の光で包み込んだ。あと、偶像は1つしかない。教授はとりあえず帰国した。
教授は帰国し、日本に昔から伝わるいろいろな伝説を調べてみた。天竜川の河童の伝説。カッパとは、その地ではカワランベともいうそうだが、大変泳ぎのうまい伝説上の怪物である。
カワランベを、「変わらんべ」と解釈すれば、超時空的存在であるOKUYの揺るぎない絶対的な地位を表すことになる。つまり、諸業無常の逆である。そう、OKUYの謎は天竜川に伝わるカッパ伝説にもつながっていたのだ。
はるか昔、OKUYが地球に満ち溢れていた頃、OKUYは愛用の水玉模様の水着を着用して泳いでいたに違いない。また、天女の伝説、これもOKUYに関係していたと思われる。
ある理由で地球を去らざるを得なくなったOKUYの中には、羽衣を農民に取られて立ち去ることが出来なかった者もいたに違いない。OKUYはひとつであると同時に、無限大でもあった。OKUYはたくさんいたのだ。

この前発掘されたOKUY鳥の化石、これは地上に残ったOKUYと鳥との融合型であろう。生物の進化の過程において、OKUYの存在はもはや否定できない。
カッパも、おそらく、OKUYとカエルの融合型であると考えると、地上のあらゆる生物とOKUYとの融合型が考えられる。たとえば、魚とOKUYの融合型は人魚であるなど。
地球上すべての生命の源は
OKUYにあるのだろうか。
天竜川には、カッパが死んだという伝説がある。カッパの嫌いなヨモギを味噌汁に混ぜて食べさせたところ、苦しんで死んでしまったという。OKUYがカエルと融合してカッパになったとき、たまたまヨモギに対するアレルギー反応が出たのであろう。つまり、何かと融合したOKUYには何かしら致命的な欠陥がある。
地球から立ち去った純粋なOKUYが地球に安全に戻るためには、OKUYと他の生物の融合したニセOKUYを排除しなければならない。そして、7つの偶像を揃えたとき、ニセOKUYを地球から消去するパワーが放出される。

天竜川の河原に6つの偶像を並べて昼寝をしていた教授は恐ろしいことに気が付いた。OKUYとHumanの融合型・・・。これがないとは言えない。
最近、犯罪が増加しているが、これらはOKUYとヒトの融合型の者によるものではないだろうか。社会全体のモラルの低下、知性の低下はすべてヒトとOKUYの融合型である、半OKUY半人によると考えられる。
偶像を揃えたとき、地球の人口の3割にまで及んだヒト−OKUY融合型は滅びる。また、夢を与えてくれた数々の伝説も滅びる。教授にその権利が与えられたのだ。
教授が川を見ていると流れてくるものがあった。ドンブラコッコ、ドンブラコッコと・・。それは、大きな桃だった。教授は6つの偶像と桃を持って丸州大学に戻った。
注意深く桃をCTスキャンにかけ、超音波分析をしたところ、中には第七のOKUY偶像があるらしいことが分かった。桃を切ってみると中にはそれはそれは可愛らしいOKUY偶像がいた。
この偶像は黄金の輝きをもち、見るものをうっとりさせた。教授は古墳の最深層部にある、OKUY偶像セット用のくぼみに1つ1つ丁寧にOKUY偶像をはめていった。
思えば長い長い冒険だった。古墳の中、エジプト、朝鮮、ロシア、イースター島、グランド・キャニオン、天竜川・・・。地球がOKUYに満ちているのは当然のことだった。
7つめの偶像をはめた時、教授の入ってきた入り口はゴゴゴ・・という音とともに閉ざされた。7つの偶像は7色の光を放ち、その部屋全体が下へ下へと下りていくのが分かった。
もう、後戻りは出来ない。ここからは神の領域である。下には、コンピューターらしいものがあった。壁には突然太陽系が表示され、地球へとクローズ・アップしてきた。
月を映しだしたとき、月の表面は崩れ、OKUYの顔になった。こうやってOKUYは地球を常に見つめていることができる。突然、月OKUYは口を開いて地球に息を吹き掛けた。
見る見るうちに地球が浄化されていくのが分かった。それと同時に、数百光年の彼方にOKUYが出現した。純粋なOKUYの登場である。ピュア・おくわいは光の速さで地球へ向かって飛行していた。
数百年後、地球はOKUYとの再会をはたすことが出来ることになる。教授は最高にうれしかった。OKUY偶像は語った。
「よくぞ7つの偶像を集めた。誉めてつかわそう。
アチシがここに着くまで眠っているがいい。」
教授の前にコールドスリープの装置が現れ、教授は数百年の眠りに着くことにした。
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