超時空的存在OKUYの研究を続けていた重井沢教授は、ついに7つのOKUY偶像を発見し、古墳の遥か底へと消え去っていった。重井沢教授の説によると、300年後にOKUYは地球にやってくるという。重井沢教授のライバルだった加羅宇助教授は、結局すべての偶像を重井沢教授に取られ、OKUYの愛を受けられなかった。そして・・・・。
あの日−−−−月の表面がはがれて、「監視者ムーンOKUY」となり、ムーンOKUYが地球に息を吹きかけてから、多くの生物が死に絶えた。OKUY研究の第一人者だった重井沢教授の行方は誰も知らなかった。
加羅宇助教授は、重井沢教授を探して、古墳の最下層へ行こうとしたが、最下層へ続く道はすべて閉ざされていた。
あと300年でOKUYは地球にやってくる。OKUYを迎撃しなければ、宇宙の真理「OKUYは可愛い」を認めなければならない。それは、加羅宇助教授にとって、許せない真理だった。あれほど醜いものが他にあっただろうか。しかもよりによって、あれが「かわいい」とは!
しかし地球上に湧いて出たOKUY信者の数は増し、下手なことを言ったりすれば暗殺されかねなかった。秘密裏にOKUYの弱点を探すしかなかった。その為には、重井沢教授のようにOKUY研究者として、OKUY信者に敬われるのが一番の方法だった。加羅宇助教授は、重井沢教授が足を踏み入れなかったオーストラリアにある巨大な岩、エアーズロックが怪しいとにらんでいた。これはOKUYに満ちた地球のヘソではないだろうか。
まだ助教授だったため、あまり予算がもらえなかったが、加羅宇助教授は無き金をはたいて、オーストラリアへ向かった。そして問題のありそうなエアーズロックに到着した。そこで助教授が見たものは、まさにOKUYの壁画だった。嫌悪感からの吐き気を抑えながら助教授はOKUYの壁画をしばらくの間見つめていた。すると・・
「いっひひ、いっひひ、いっひひひーっ!!」
という嫌らしい笑い声とともに、壁画OKUYがほほえんだ。「出たっ!!」こう思った教授は早速宇宙の真理をつぶやいた。
「OKUY様は、かわいい。」
すると、目の前には、重井沢教授が全部集めたと思われていたOKUY偶像が、 現れた。しかも、重井沢教授の集めたどの偶像とも、色や質感が違っていた。OKUY偶像は7つではなかったのだ。いや、それともムーンOKUYの覚醒によって、眠っていた他のOKUY偶像も覚醒したのだろうか。
OKUY偶像を日本に持ち帰った加羅宇助教授は、その功績を讃えられ、教授に昇格できた。また、OKUY研究に関する予算は望むだけ与えられることになった。逆に、OKUY偶像を手に入れたことにより、加羅宇教授はOKUY偶像の監視の目からも、反OKUY主義者であることを、悟られないようにしなければならなくなった。
なぜ、ここまでOKUYが地球に満ちているのだろうか。地球の監視者として、OKUYは存在するのか・・・。何のために・・・? 重井沢教授もおそらく、この謎は解けなかっただろう。彼は、OKUYに取り憑かれていたから、そんな疑問も持つ余裕すら無かったかも知れない。
帰り道、砂漠をジープで走りながら加羅宇教授は、ふとOKUY偶像を見ながら宇宙の真理をつぶやいた。「OKUY様はかわいい」・・・・・。その時、砂漠にいきなり巨大なOKUYモアイが現れた。よく見ると、OKUYの口の部分は入口になっているようで、中に入れそうだった。
これはOKUYの誘いだ。乗るしかないだろう。もしかしたらOKUYの弱点が分かるかも知れない・・・。こう思った教授は、OKUYモアイの口へ向かった。
そのOKUYは口が門のようになっており、加羅宇教授はOKUYの口に入る形になった。これほど醜いOKUYの口に入るなど、到底我慢できることではなかったが、教授はOKUYの弱点を探すために口に入ってみた。OKUYモアイの中は、なま暖かく、そして凄い湿気があった。まるで温泉のようだった。
もしかしたら、OKUY偶像を発見したことをOKUYは歓迎しているつもりなのだろうか。そして、教授に暖かい温泉を提供しているのかも知れない。
「この程度のサービスで私を買収しようとしても無駄だ。 俺はOKUYが許せないのだ。どうしてあんな物が可愛いのだ!?」
こう思ったが、実際には教授は砂漠の旅で疲れていたので、不本意ながら、OKUYの提供する温泉に入ることにした。
「ふーっ、いい湯だーっ。」
教授の好みの温度に設定されたOKUY温泉は、今までに浸かったどの温泉よりも気持ちよかった。危うく教授はOKUYに感謝してしまうところだった。
「あれだけ醜いOKUYを見させられるという拷問じみた苦痛を味わって いるのだ。これくらいは慰謝料として当然だ。」
こう思い直して、教授は温泉を楽しんだ。
「はっ、私はOKUYの弱点を探すためにOKUYモアイに進入したのだ!」
このことを思い出した教授は、あたりを見回した。しかし、まわりはどこをどう見ても、ただの温泉だった。宇宙の真理とされているおぞましい言葉を口にすれば、なにか反応が得られるかも知れない。教授はつぶやいた。
「OKUY様は、かわいい。」
「うっふ〜んっ、当然じゃなぁーいっ」
気づくと教授のすぐ隣にはOKUYギャルが寄り添っていた。ここは混浴なのか、それとも、このOKUYギャルは男なのか!?教授は何か根本的なことを忘れていた。あのOKUYが私のそばにいるという最大におぞましいことを!もしかしたら、あの重井沢教授さえ、こんなことはされなかっただろう。
「ああ、のぼせてしまったようだ。私は出るとしよう。」
こう言って教授は温泉を立ち去ろうとした。しかし・・・!!
「ああん、いく前に・・・・・ちゅっ★」
OKUYギャルは教授にキスをした。内心殺してやりたいくらい不愉快だったが、ここはこらえた教授はそそくさとOKUYモアイの外に出た。
「おぞましい!!あんなのにキスされるとは!!
言わなければ良かった。 宇宙の真理なんて・・・。」
教授はOKUYの弱点を探すことはおろか、OKUYのキスまで浴びてしまって、泣きたいくらいに悔しかった。
「絶対にOKUYの弱点を探し出して、OKUYを滅ぼしてやる!!」
教授は再び決心し、カナダにあるといわれるクレーターに行ってみることにした。
クレーターカナダに到着した加羅宇教授は、早速隕石が落ちたといわれるクレーターへ向かった。そこには巨大な穴があいていた。宇宙とつながりのあるOKUYを調べるために、隕石の調査も必要であると考えた教授の予感は当たり、クレーターの中心を掘ると、OKUY偶像が出てきた。このOKUY偶像は、今までと違い、まるでぬいぐるみのような感触で、さらに、口の部分は筒のようになっていた。
「これは一体何を意味しているのだろうか。」
教授はオーストラリアで見つけた偶像を取り出して、掘り出したばかりの偶像と共鳴するか試してみた。かつて、重井沢教授が行ったように、偶像を並べる。ただしたった2つだが・・・。そして、宇宙の真理をつぶやいた。
「OKUY様は、かわいい。」
その時!! OKUY偶像がしゃべりだした。
「アチシはくぁわいい。よくぞこの真理を口にした。汝に最高の快楽を授けよう。アチシを好きにするがいい。いーっひっひっひっひっひっ。」
しかし、教授はオーストラリアでOKUYギャルにキスされた経験から、今回は何もせずに帰国した。加羅宇教授は、研究室の学生に事のいきさつを話した。
臭ヶ部(M2) 「さすが、教授、わたしもOKUY様を極めたいと思います。」
加羅宇教授 「そうか、それでは、このOKUY偶像は君に貸そう。ただし大切な研究対象でもあるから、壊したりするなよ。」
臭ヶ部(M2) 「ありがとうございます。」
こうして、熱烈なOKUY支持者である修士2年の臭ヶ部にOKUY偶像を貸すことにした。臭ヶ部は根っからのMacヲタクで、MacのエロCD−ROMで興奮する毎日を送っていた。当然ながら、実際の経験はなかった。
臭ヶ部 「こ、このOKUY様の口がたまらん・・・・。や、やはり、『好きにして』 というのは、あれなのだろうか・・・。」
臭ヶ部は、3日間迷った挙げ句、ついに試してみることを決心した。夜の8時・・。ズボンをおろす。そして、OKUY偶像の口に☆★☆を★☆た。
臭ヶ部 「はあはあはあ、はあっ、はあっ・・・。」
OKUY偶像の口は案の定、そのために出来ているようだった。OKUY偶像のたらす鼻水がちょうどよいぬめりになり、最高の心地よさを与えてくれた。
臭ヶ部 「はあはあはあはあ、あうっ!!!」
こうして臭ヶ部は、果てた。しかし!どうしてもOKUY偶像の口から☆★☆は離れなかった。臭ヶ部はOKUY偶像を殴ってみた。
「ぼかっ!!」
「い、痛てぇ!!」
不思議なことに臭ヶ部とOKUYは同化しているのか、OKUY偶像を殴ったりすると、臭ヶ部自身が痛みを感じた。OKUY偶像を☆★☆にはめたまま臭ヶ部は加羅宇教授に電話した。
臭ヶ部 「きょ、教授、助けてください。偶像が☆★☆から離れないんです!!」
加羅宇 「そうか、それは大変だったな。試しに宇宙の真理を言ってみなさい。」
臭ヶ部 「あ、ありがとうございます!!」
臭ヶ部はつぶやいた。
「OKUY様はかわいい」
しかし、このOKUY偶像は臭ヶ部を捉えて離さなかった。
数日後、臭ヶ部はOKUY偶像に全ての精☆を吸われ、男としての機能は無くなり、ようやくOKUY偶像に解放された。そして、さらに恐ろしいことに、このOKUY偶像は次第に大きくなり、2つに分裂した。そのうちの1つは、臭ヶ部を「パパ」と呼び、いつも臭ヶ部の近くから離れなかった。
臭ヶ部はこのことを修士論文に書くことに決め、加羅宇教授に相談した。
加羅宇「なるほど、これは、恐らくトラップOKUYというものだろう。昔、中国で去勢した男が官職に就くことが出来たとかいうのがあっただろう。このOKUY偶像は、男を去勢する機能があるのだ。」
臭ヶ部「僕は、もう一生だめなんですか?」
加羅宇「おそらくな。しかし、OKUY様とちぎりを交わしたというのは、最高に喜ばしいことではないのか?」
臭ヶ部「・・・そうですね。私の認識が甘かったのです。 心からOKUY様を愛していれば、もっと幸せな気持ちになれたのでしょうが、私は自己満足のために、そして格好つけのためにOKUYを愛していた、偽善者です。僕は坊主になり、より心からOKUYを極め直します。」
加羅宇「よく決心した。」
臭ヶ部は大学を休学して、山へ修行しにいった。 加羅宇教授は、内心ホッとしていた。何もしなくて良かったと。OKUY偶像を好きにすると、OKUY偶像に好きにされるのだ。臭ヶ部は、News Boardなどでくだらない揚げ足取りを取ったり、知識もないくせにいばりちらし、人を見下すというとんでもない根暗な奴だったが、これに懲りて、自分の罪を認識した。ある意味ではOKUYは制裁者としての厳しさがあるのだと思った。しかし、あの醜い姿でいながら、なぜこれほどの正しさを持ち合わせているのか、加羅宇教授には分からなかった。ただのきまぐれだろうか。
春−−−。加羅宇教授の研究室にも新しい学生がやってきた。彼は、5.2年制の頭狂痢?代学を卒業後、就職氷河期を言い訳にして就職せずに、募集の遅い補垢痢苦賎短大に入り、そのまま何とか土方の仕事を見つけたが、仲間と喧嘩して路頭に迷っていたところを教授に拾われた男だった。
教授は、彼にしかできないような新しい研究テーマを与えたかったのだ。この頭狂?禍代学の学生、山丸禍太由(やまがんかたよし)は、代学(大学ではない学ぶ代わりのものである)の校風からか、パソコンおたく、美少女アニメおたく、ソープランドマニア、などプライドだけは高いくせに精神年齢が著しく低いだけでなく頭も悪い「無邪気」な学生を多く生み出し、教授にとっては、便利な「使い捨て」または「人柱」のような学生だったのだ。
以前、教授が遺跡で拾ってきた、謎の「おくわ岩」が、どのような効能を持っているのか分からなかった。OKUYシリーズの偶像などにしては、珍しく目を閉じて、まるで聖母マリアのような微笑みまで浮かべていたからだ。さらに興味深いことには、この「おくわ岩」には、頭髪が1本だけ生えているのだ!!
教授「おい、山丸。これが何だか分かるか。」
山丸「わ、わ、わかりましぇ〜ん。」
教授「これはだな、私がスリランカで拾ってきた、謎の岩なのだ。なかなか可愛いと思わないか?」
山丸「は、はうっ、はうっ。それ僕欲しい。もえもえーっ。」
教授「では、これを君にやろう。」
山丸「す、さ、さささささんきゅー。えへえへえへ。」
教授「これと暮らして、何か分かったら私に電話をしなさい。」
山丸はくねくねと体をくねらせて、「おくわ岩」を手にした。家に帰った山丸は、ご褒美をもらった喜びからか、この「おくわ岩」と一緒にお風呂に入った。
山丸「え、え、えひっ、こ、こここここの口がたまらない・・・。」
「おくわ岩」を風呂に入れると、不思議なことに、まるで人肌のようにつるつるとした外観になり、唇は、女性のそれのように艶かしかった。
山丸「で、で、でへっ。」
だんだん興奮してきた山丸は、自分のち★◆んを「おくわ岩」の唇にあてがった。すると、驚いたことに、「おくわ岩」は動きだした。
山丸「は、は、は、はあはあはあはあ」
「おくわ岩」も感じているのか、とても気持ちよさそうな表情をしていた。山丸も、今までのオ*ニー人生すべてを越えるくらいに気持ちよかった。鼻から出てきた緑色の鼻水と、「おくわ岩」のよだれがブレンドされて、ち★◆んに心地よい快感を与え続けた。
しかし!!エ糞タシーを越えても、「おくわ岩」は離れなかった。山丸は恐くなって、「おくわ岩」を付けたまま風呂から上がり、教授に電話した。
山丸「きょ、きょ、きょ、教授ぅ〜っ」
加羅宇教授 「どうした。」
山丸「き、き、気持ちいいんですぅ。」
加羅宇教授 「それは良かったな。では、切るぞ」
山丸「ち、ち、ち、違うんですぅ。」
加羅宇教授 「どうした。」
山丸「岩がち★◆んから離れないんです。」
加羅宇教授 「そうか。やはりな・・・。」
山丸「ど、ど、ど、どうすればいいんでか?」
加羅宇教授 「そうだな、1つ、宇宙の真理を唱えてみなさい。」
山丸「わ、わ、分かりました。」
加羅宇教授は、宇宙の真理「OKUY様はかわいい」を唱えれば救われるというつもりで山丸にアドバイスした。また、トラップOKUYを拾ってきてしまったようだ。
山丸 「・、・、・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しかし、山丸には宇宙の真理とは何か分からなかった。こうしている間も「おくわ岩」は山丸をとらえて離さない。
それから、1週間が過ぎた。山丸は、宇宙の真理を唱えないまま16384回もエ糞タシーを感じていた。大学に来なくなった山丸を心配して、加羅宇教授は、山丸の家を訪ねた。
加羅宇教授 「どうした!!」
山丸「う、う、うちゅーのしんりってなんですかー」
加羅宇教授は呆れてしまった。これほど当たり前のことを知らない馬鹿がいたとは!。
加羅宇教授 「宇宙の真理とは、『OKUY様は可愛い』ということだよ。」
山丸「そ、そ、そそそそそそうか。」
加羅宇教授 「しかし、もう時間切れだな。」
その時、山丸は「おくわ岩」に食われた。あっけない幕切れだった。ちなみに、山丸が宇宙の真理を唱えたとしても、前の臭ヶ部のように精子をすべて吸われた後に、「おくわ岩」が2つに分裂して、その1つが山丸を「ぱぱ」と呼びつきまとうだけの結果になっていただろう。このような状態で一生いきるよりも、いまこのままOKUYの至福のもとに死んだ方が幸せだったのだよ・・。教授はこうささやいた。
加羅宇教授 「やはり、トラップOKUYだったか・・・。地球は恐ろしい。」
教授には、全てが分かった。「おくわ岩」とは、OKUYの種または球根で、栄養として人間などの生物を取り込むのだ。
次の日、教授は、この「おくわ岩」を大学の庭に埋めると、木が生えてきた。この木の葉を煎じて飲むお茶は「おくわ茶」と呼ばれ、世界のOKUYマニアにはたまらない商品となった。この収入により、教授は、より多額の研究費を得ることが出来た。
久しぶりに学会でフランスへ旅だった教授は、休暇を兼ねてパリのブローニュの森の近くでくつろいでいた。しかし教授は、そこでもOKUYとの新たなる出会いがあることに気づく由もなかった。

教授がパリで見た物とは!?
パリのブローニュの森は、別名ホモの森と言われるように、夕方にはホモがたむろしていたが、教授は構わずベンチで読書をしていた。教授の隣でも、男がふたり、意気投合して「おう」とか「あう」とかうめいていた。また、近くでは核実験が行われていて「どごーん」とか「ぐわーん」とかうるさかった。しかし、これらの騒音は教授の耳には入らなかった。教授の手にしている本は、それら以上に知的で面白かったのである。
3日ほど前、マルセーユ地方に伝わる伝説に興味を引かれた教授は、図書館から借りてきた。学会も終わり、のんびりしようと教授は、借りた本を読んでいたのである。
18世紀フランスのマルセーユ地方。ここの村には港があり、人々は海産物も食していた。この地方を治めていた貴族、「まり・カオール」は、毎週土曜日の夜は、城を村の人々に開放して舞踏会を開いていた。
そんな舞踏会に、いつの日からか、とても美しい女が現れるようになった。頭にはかぐわしい冠を乗せ、目はまるでエメラルドのような輝きを持ち、肌は素敵なセピア色、そして肩には色とりどりの飾りを付けて、さらにシルクと思われるドレスは、豊かな感性の持ち主でなければ着用できないような素晴らしいデザインだった。
村の男たちは、ひと目見ようと、城へ行き面会しようとしたが、なぜかその美女がいる日に限って、城で気絶してしまい、どうしても見ることが出来なかった。
美女が現れてから10数年が過ぎた頃、美女は少しも若さを失っていなかった。そう、彼女は謎めいていた
まり・カオールが、ある日、その美女に求婚した。しかし、まり・カオールは、美女の魔法により鳥にされてしまった。そして、毎日美女の頭に乗せてある餌をついばみ、美しい歌を毎日美女に聴かせなくてはならなくなった。
まり・カオールは、美女の生け贄にされたのである。
この美女は、ある日から、マルセーユから姿を消してしまった。美女の正体とその後の消息については、いろいろな説があるが、最も有力視されている説は、もともと海底の王国のお姫様だった美女が地上へ姿を現し、海へと帰っていったという説である。
この話の最後には、挿し絵が添えてあった。加羅宇教授は、この挿し絵を見てはっとした。どことなく、超時空的存在OKUYに似ていたからだ。男を生け贄にして喰うという、その態度もOKUYと似ていた。何か関連があるかも知れないと思った教授は、つぶやいた。
「OKUY様は、くぁわいい。」
すると−−−−−。本の挿し絵の美女がいきなりしゃべりだした。教授が頭を動かしても、絵の中の美女の目はまっすぐと教授を見つめて離さない。
美女 「わが娘OKUYがくぁわいいだと?ふざけんな! あたいの方がもっとくぁぁわいぃーっ!」
トリ 「びーぢぐばーぢぐヴげげげげじじぎぎばばばば」
突然しゃべりだした挿し絵の美女に、教授はたいそう驚いたが、ここは、一つこらえて話すのを聞いていた。
教授 「あなたは、OKUYの母上なのですか?」
美女 「ちがうわい。」
トリ 「ヴびびびびびびびびびびびびぶわはっぺっ」
教授 「でも、さきほど『わが娘』とおっしゃったではないですか。」
美女 「そんなこと言っていないわい。OKUYはナァ、 この小トリ、『ぴーちゃん』が、あたいの頭にある特製の餌をついばんでいるうちに出てきたトリの糞だわい。」
教授 「それでは、あなたはどなたなのですか?」
美女 「Mother OKUY」
教授 「でも今、OKUYは鳥の糞だといいましたよね?」
美女 「知らん。とにかく、OKUYよりもあたいの方が美しいのだ。分かったな。さらば。」
教授は、一人で公園のベンチに座ったままだった。気づくと、隣にいたホモカップルも、Mother OKUYの美しさに気絶していた。
教授 「こんなところで裸で寝ていると風邪を引くぞ」
教授は、ズボンを下ろして気絶しているホモカップルにズボンをはかせてあげた後、ホテルに戻り、翌朝、クロワッサンとコーヒーの朝食を取り、本を図書館から買い取って帰国した。
また、OKUYの謎がひとつ増えた。
女神達の戦争「水戸紅門」「遠山の菌さん」が好きだった教授は、自宅でくつろいでテレビを見ていた。独身だったので、家に帰っても出迎えてくれるのは、OKUYに忠誠を誓っているふりをするために持ち帰ってある1体のOKUY偶像だけだった。
時代劇は、悪党と、将軍が扮する菌さんとの闘いのシーンを演じていた。この闘いがたまらなく好きだった教授は、熱狂してみていた。
その時、突然、部屋の隅に置いてあったOKUY偶像が光りだした。部屋の中はなぜか、風が吹き、教授の鞄の中の書類が中を舞い、部屋の電気は消えてしまい、真っ暗になってしまった。だが、テレビだけは映っていて、時代劇を続けていた。
教授は、ゆっくりとお茶を飲みながら時代劇に見入っていた。
OKUY偶像はどんどん大きくなり、鎧兜を着た古代の兵隊の格好になって現れた。
教授は、さすがに驚いて、その兵を見た。真面目なツラをしているが、所詮OKUYなので、全然さまになっていないだけでなく、悪趣味なことに鎧には富士山と新幹線、なす、そしてピンクのポシェットとひょうたんに酒を入れた物をぶらさげている格好は、どうにも格好悪かった。
加羅宇教授 「あなたは誰ですか?」
OKUY兵 「女神OKUYの名の下に戦う聖なる戦士
『ヴィヴィアン=おわいく』
だ。聖OKUY様を侮辱した奴がいたので、退治しに現れた。偽物の臭いがする。 ああ、いと臭し。」
加羅宇教授は、ふとフランスの伝説を思い出した。もしかしたら、Mother OKUYのことかも知れない。
厳密な意味で、Mother OKUYとOKUYを比較しても、どちらが可愛いかなどといった問題は、論ずること自体が愚かしいくらいだと思っていたが、当のOKUYにしてみれば、かなりOKUYに似ていたので、さぞ不愉快だったのだろう。
ヴィヴィアン 「聖OKUY様はくぁわいい!!」
ヴィヴィアンがこう叫ぶと、教授の持ち帰ったフランスの本からは、あのMother OKUYが現れた。
Mother OKUY 「あたいは、あんたよりもくぁわいい。」
ヴィヴィアン 「聖OKUY様の方がくぁわいい。」
Mother OKUY 「うるさい、あたいはくぁわいい。」
ヴィヴィアン 「聖OKUY様の方が、ずっとくぁわいい。」
ものすごい闘いが始まった。教授は、テレビよりも現実に惹かれて、思わずこのやりとりを聞いていた。
ヴィヴィアン 「聖OKUY様の偽物の分際で生意気だ。ぶっ殺す!」
Mother OKUY 「フッ、かわいさでかなわないからといって暴力に出たね」
ヴィヴィアン 「わたしは、負けない!!」
ヴィヴィアンとMother OKUYは表に出て、近くの公園で闘いを始めた。
Mother OKUY 「うんち攻撃ーっ!!」
ヴィヴィアン 「よだレーザー!!」
Mother OKUY 「トリ攻撃ーっ!!ヴげげげげばばばぶわはっぺっ!」
ヴィヴィアン 「はなくそボム!!」
Mother OKUY 「肩パッドミサイルーっ!!」
ヴィヴィアン 「鼻水レーザー!!」
Mother OKUY 「ぴーちゃん糞攻撃ーっ!!」
ヴィヴィアンは、鎧にはめ込まれているOKUY象の肖像画をMotherOKUYに向けた。すると、「チュー」の口をした肖像画にMother OKUYは吸い込まれて消えてしまった。
ヴィヴィアン 「これで勝負あったようね。これに懲りて、勝手にMother OKUYなどと名乗らないことだ。」
加羅宇教授 「Mother OKUYとは何だったのですか?」
ヴィヴィアン 「加羅宇教授、貴様はMother OKUYを捕らえるという素晴らしい業績を上げた。それにより、貴様は研究を続けるがよい。」
加羅宇教授 「ありがとうございます。」
ヴィヴィアン 「・・・・・・・・・・・・これにて、一件落着。」
教授には、訳が分からなかったが、ここは時代劇の通りにした。
Mother OKUYがOKUYの母であるなら、OKUYの弱点も探せるかも知れないと密かに期待した加羅宇教授だったが、その望みは絶たれた。
おくわインターネット加羅宇教授の研究室にも、インターネット接続された98NXがやってきた。N社とF社がパソコンの導入を薦めにやってきたが、サポートの良さとマシンの管理の楽さ、トラブルの少なさの実績、会社のイメージの良さ、何よりもN社は「自社規格パソコンを出していたためサポートや品質管理で実績がある」のに対して、F社は「マハポーシャと同じ、単なる組み立て屋であるだけでなく、FM-Vは台湾の某社の不良品を安く買いたたいて組み立てて売っている産業廃棄物にも劣るがらくた」という点からしても、断然98NXを買うと決めていた。N社の方が少々高かったとしても、後々のトラブルの対処費と、対処労力を考えれば、NXの方が安くつくことも知っていた。それに、F社の、賄賂を送ってアカデミックにコンピューターを納めながら、まるでサポートをしようとしない態度や、そんなにシェアが欲しければF*-Rか*M-TOWNSで取ればいい物をスーパーコンピューターで得た利益をすべて、ぼろDOS/Vマシンにつぎ込んでわざわざ赤字で売っているという点に、激しい怒りを覚えていたので、パソコンを勧めに来たF社のスタッフには、トラップOKUYである「おくわ岩」をくれてやった。
さて、NXには、やはりGUIのOSでないと不便もあろうとX-Window Systemを導入し、パソコンおたくの学生、吉楠卓煩(ヨシクスタクボン)にネットワーク設定を任せた。彼は、パソコンおたくなだけでなく、ものすごいぼんぼんで、とにかく親から得た金をパソコンだけでなくワークステーションにつぎ込み、ms*nなどの高額な会員制クラブにも入り、オタッキーな活動に専念していた。ちなみに、アニメ「セーラームーン」のセーラーヴィーナスが好きで、下手くそなセーラーヴィーナスの絵ばかりを描いてはインターネットに公開していた。このような人材も、教授にとっては好都合な実験台だった。
加羅宇教授 「WWWブラウザは、セキュリティ上危険で能率の悪いウィルスブラウザMSIEではなく、Netscape Communicator 4.72を頼むぞ」
吉楠卓煩 「月に代わってお仕置きよっ」
加羅宇教授 「うむ。では任せよう。」
教授にも、彼の妙な癖「アニメの台詞らしきものをいきなり口走り、同類の間で受けて喜んでいる」には、慣れるのには苦労したが、今となっては深く考えずに相手をすることで馴染んでいた。
数日後、インターネット設定を終えた吉楠は、壁紙に、OKUY免罪符を貼り付けた。
吉楠卓煩 「このCGは、うちの研究室にぴったりですね。」
加羅宇教授は、何もそこまでしなくても、と思ったが、とりあえず加羅宇研究室は「超時空OKUY学」の研究室であったため我慢した。さらに吉楠は、セーラーヴィーナスの絵をたくさん載せ、持っているマシンやソフト、CDなどの自慢をするWWWページを書き始めた。
ある日、教授は、インターネットはどういうものかとWWWブラウザでネットサーフィンをしてみた。すると、部屋に置いてある偶像が勝手に動きだし、あるURL(WWWホームページのアドレス名)を入力した。教授は驚いた。OKUY様は、すでにインターネットにも、進出していたのか!!
吉楠 「このOKUY様ページは、超時空救世真理OKUY教が正式に運用しているそうです、まもちゃん。」
教授 「(はぁ、またセーラームーンか。くだらん)そうか。」
吉楠 「今度、OKUY様直々のよだれから作ったシャンプーを売り出すそうですよ。僕ちん、もう予約しちゃったよん。火星に代わってせっかんよ!!」
教授 「そうか、今度それが届いたら見せてくれ。」
数日後、吉楠の家にシャンプーが届いた。容器が、OKUYの形になっていて、鼻からはリンス、口からはシャンプーが出て、乳首からは、トリートメントと洗顔フォームまで出て来るという優れ物だった。
さっそく、吉楠は、OKUYシャンプーを使ってみた。上目遣いのOKUYは、シャンプーが終わり、髪を洗い流したあとも、ずっと吉楠を見つめていた。そして、あることが起こった。
次の日、加羅宇教授はいつものようにジョギングをした後、大学へ向かい、研究室に行った。すると、驚いたことに、OKUYがいた。
吉楠 「教授ぅ〜っ!! ぼく、吉楠です。」
教授 「え、何だと!?」
吉楠 「昨日、シャンプーが届いたので使ってみたんです。そしたら、頭のてっぺんの毛が抜けてしまって、後ろだけ金髪のロングヘアになってしまい、こんな顔になってしまったんです。」
教授 「そうか。君は、ついに大好きだったセーラーヴィーナスになれたんだ。OKUY様に感謝しなくてはな。」
吉楠 「は、はいっ。」
次の日から、吉楠は大学に来なくなった。噂では、自殺したとも聞くが詳しいことは分からなかった。イギリスに行って悪霊を退治しているのかも知れない。
超時空OKUY学分野の研究では世界でも指折りの加羅宇教授の研究室にも師走がやってきた。さまざまな事故や、宗教的理由で学生が非常に少ない加羅宇研究室であったが、学部4年の友砂 華理恵(ともさ かりえ/女)は、卒業論文の準備に追われていた。研究室でただ一人の女性とあって、他の学生も教授も「意識」しており、研究室内では人気があった。彼女はそれほど美人でもなかったが、ちやほやされるのでとてもいい気分でいた。彼女の与えられていたテーマは『発見されたOKUY土偶の顔料のESRスペクトル解析』であった。彼女は、教授が集めてきたOKUY土偶、OKUY偶像の表面をほんの少しだけ削り取り、その物質の組成などを調べ続けていた。
不思議なことに、どのOKUY像の顔料も、顕微鏡で見ると統一のない色で、中でも教授が特別に自宅から持ってきた伝説の女戦士「ヴィヴィアン=おわいく」の偶像の顔料はとても魅惑的な色を持っていた。この色がすっかり気に入ってしまった彼女は、正月に着る晴れ着に使おうと、こっそり『ヴィヴィアン』の偶像を持ち帰り、砕いて粉にしてしまった。そのとき、ものすごい悲鳴のような叫び声が聞こえたが、晴れ着のことで頭がいっぱいだった彼女は気づかなかった。そして、晴れ着を染める顔料にと『ヴィヴィアンカラー』を使ってしまった。それだけでなく、自分のファンデーションにも『ヴィヴィアンカラー』を混ぜてしまった。
正月、加羅宇研究室の新年会の時、教授は血眼になってヴィヴィアン偶像を探していた。警察にも被害届を出していた。教授にとってヴィヴィアンは最も興味深い偶像の一つであり、愛着のあるものだったのだ。教授は華理恵を疑っていたが、問いかけるきっかけをことごとく逸してしまっていた。待ち合わせに少し遅れて登場した華理恵は、何事もなかったような顔をしながら、ヴィヴィアン染めの晴れ着を着て、ヴィヴィアンファンデーションをつけていた。それだけでなく、アイシャドゥや付け睫毛までして、おしゃれに決め込んでいて、研究室の男どもは「おおっ」とため息をもらしていた。
宵の口、教授は研究室の学生全員の間で「みんなのお陰でOKUY研究成果も世界へ発表できるレベルになり、超時空OKUY学科を新設し、OKUYの研究をする大学も増えてきた。しかし本家は、数年前行方不明になった重井沢教授の研究室と、わが加羅宇研究室である。OKUY学の研究は、いまや人類、いや地球はおろか宇宙の未来を築く重要なファクターになりつつある。今年もよろしく。」と乾杯を始めた。
乾杯!
思い思いに学生達がビールなどをつぎ、飲み始めた。すると・・・・・。
友砂 華理恵が飲み始めると、突然顔の肌がぶくぶくと膨れ始め、なんとOKUYそっくりになってしまった。着物の帯には突然、眼が現れた。その場にいた男子学生は全員嘔吐した。気絶したものもいた。なんとしたことか、と驚いた教授はつぶやいた。学生も教授に習ってつぶやいた。
「OKUY様はくぁわいい」
突然トイレに駆け込んだ華理恵は、そのまま戻ってこなかった。帰りぎわに、居酒屋の店員に頼んで女子トイレを開けてもらうと、そこには、教授の探していた『ヴィヴィアン=おわいく』の偶像があった。これは、教授へのOKUYからのお年玉に違いなかった。
今年は思いがけないお年玉があった。わたしはうれしいよ、と声を大にして叫んだ教授は偶像を抱きかかえて家に持ち帰った。またいつの日か、教授を助けてくれるに違いない。
不思議なことに、教授はおろか、学生全員から、友砂 華理恵に関する記憶は消えていたのである。華理恵の両親までも。ああ、世の中には不思議なことがあるものだ。めでたしめでたし。