森の熊さん








「あるぅ〜ひぃ〜、森の中ぁ〜〜、」
どこからともなく女の子の楽しげな声が聞こえてくる。高く、可愛らしく、そして幼さの残る声。姿を見ていないが、姿が想像できる声だった。恐らく10歳ぐらいで、髪の毛は柔らかく、顔は童顔だか美少女。足は白くきれいで、ピンクのワンピースを着ているに違いない。
「くまさんにぃ〜〜〜、であぁったぁぁ〜〜」
声が近くなる、彼女はもう近いのか??このそばにいるのだろうか?? …待て、何故私はここにいるのか、ここはどこだ??……わからない。
「はなさく、もーりーのーみーちぃ〜〜」
――熊さんに出会った――




「聞いたか??あの森の話、また死人が出たらしいぞ。」

酒場。まだ昼間だってのに、やたらと騒がしい。そこら中から笑い声が飛んでくる。しかも酒が入っている為、声が大きい。直接鼓膜にダメージが来る。大丈夫か私の耳は…。

「あぁ、聞いたよ…。これで6人目だな、、、」

酒と花の町、ビルフ。町で採れるスピの草が名産物で、それの興行収入だけでやっていっている町だ。もちろん、酒の名産地でもあり余った酒(別に余っちゃないが、)この様に昼間っから飲み放題のようにガブガブと飲みまくる。それがこの町の男どもの日常茶飯事だった。

「…しっかし、どうするよ??あそこには酒の材料その他もろもろあるんだぜ??生活がくるしくならねぇか??」

確かに、これらの事件は深刻な話だった。
この町の郊外にある"外の森"、またの名をアウトフォレスト。かつて(もちろん今も)酒の主材料や、花の採取などがとれ、それらは今もこの町の財布を暖める役割を担っている。しかし、この事件は町の経済に打撃をあたえかねない。

2ヶ月前から、森に異変が起きた。
森に狩り(採取)に行った者が帰ってこないという事が起きた。町中が大騒ぎとなり、町民の大捜索の結果、森から狩りに入った若者の死体が発見された。死体には特に目立った外傷が無いのが特徴で、死因は謎のまま。それから1週間後、2人目の死体が見つかった。それから今へと至り、今日となる。こんな大きそうな事件なのだが、町中の人間どもが落ち着いて、なおかつ平気で騒いでいられるのは、みんな対して気にしてないのだ。「自分はそんな目に会うはずがない」…そう思っているのだ。
しかしもし、この出来事が大きくなれば、森に狩りに入る者もいなくなるであろう。そしたら、こんな楽な暮らしができなくなる。

「…とりあえず飲もうぜ!!」

…しかし、やはりこいつらもバカなのだ。だが、今はこれでいいのだ。これがこいつららしさで、そして、私がいられるのだ――

森の中、私は走る。逃げているのだ。…誰から??
どこからともなく声がする。どこからともなく女の子の楽しげな声が聞こえてくる。高く、可愛らしく、そして幼さの残る声。姿を見ていないが、姿が想像できる声だった。恐らく10歳ぐらいで、髪の毛は柔らかく、顔は童顔だか美少女。足は白くきれいで、ピンクのワンピースを着ているに違いない。
…多分。ともかく、何もわからない。何故私はここにいるのか。ただ一つわかる事、
この子は、可愛くなんか無い。ただ、私が殺されるだけ――



「朝だてめぇら、さっさと仕事に行けぇぇ!!」

…朝か…??…酒臭い…。頭痛い…。

「あぁ、起きたかい。大丈夫かいクロナ??」

そうゆうと、おばさんはオレンジジュースの入ったコップを差し出す。 「…いつも悪いねぇ」

「何言ってんだい、酒も飲めないあんたが。それにさっさと気分直して行ってくれないと店が片付けられないんでね。」

私はオレンジジュースを一気に飲み干すと、おばさんに礼を行って家路につく。仕事の時間だが、生憎私は休み。家に帰ってゆっくり休む事にした。 酒もようやく抜け、家に着き、そのまま床に行き倒れるように寝る。…しかし、あの夢は…??何故か知らないが、俺は森の中を全速疾走で走り、何かから逃げるように…。あれは一体…??

「・・・でも、あれは私の事件に対するイメージだろぅ。」

そう思う事にし、とりあえず二度目の眠りについた。




目が覚めると、もう窓から夕日が差し込んでいた。…寝すぎだな。急いで起き上がりトイレへ。それから身支度を整え、私は家を後にした。いつもの酒場へ。

「よう、クロナ。遅かったな。」

店に入ると、店内にはいつもの活気が無く、20畳の店内の端のほうにやつらはいた。やつらしかいない店内。こんなのは初めてだ。

「どうしたんだ今日は??」

「実はな…7人目の死体が発見された。」

またか・・・。しかし、この静けさは??

「とうとう町の奴らも本気に思ったみたいだな。さっきまで町中騒がしかったが、今はこの通り、海より静かだぜ??この町は。」

確かに。昨日の今日だ、続けて死人が出ちゃみんな驚き、見えない恐怖に怯えるものだな。だが、こうやって緊張をもって行動するのが一番だろ。私はそう思う。

「…それでシバ、何処の奴が死んだんだ??」

「さぁ、それはしらねぇが…。」

シバは私達の中でも情報通で、自称、知らない事は無い、らしい。私達はいつも5人で活動している。情報通なシバ、好奇心旺盛なフロスト、頭脳明快、だか天然ボケな美女ルナ、クールな男ロック、そしてリーダー的存在の私。

「まぁ、とにかく飲もうぜ。」

フロストの発言で、みんなに酒が入る。店内に小さな活気が宿る。しかし、間も無いうちにロックがグラスを強く、テーブルの上に置いた。突然の出来事に、一同ロックを見た。場は静まり返り、緊張が走る。

「なぁみんな…、あの森に狩りに入らないか??」

!!…あの森に??
狩りだって??ロックがこんな事言うなんて、、

「本気で言ってるの??ロック??」

ルナがちょっとビックリした様子で言った。

「あぁ、本気だ。」

吐き捨てたロック。

「何しに行くんだ??目的を聞かせてくれ。」

私も聞いて見る。

「俺達はあの森に入って単純に狩りを楽しむんだ。それとついでにこの事件の真相をつかみたい。そして復讐をな。」


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