もう死んじゃいたい、本気でそう思った。
たかが16のガキがなに言ってんだか…って大人の人は笑うかもしれないけど。
真っ暗な空の下、ビルのネオンばかりがキラキラしていて、都会の騒音は他人事みたいで、私を飲み込んでしまいそうだ。
誰も私がここでいなくなってもきっと気づかないはず。そういう確信があった。
この真っ暗な闇の中で私は最後の光を失ってしまった。
そのひ、私は心の底から信頼していた彼氏に見事振られてしまったのだ。
自分のすべてをかけた恋が終わってしまったのだ。
家族も友人も自分も、すべて裏切って彼に付いていくと決めたのに、たった高校一年のガキの私は、結局、彼にとっては本気にならない使い捨てだったのかもしれない。
心のそこではこんなに愛しているのに。
隆、隆、たかし!私は心の中で必死に呼んでみた。
でももう答えは永遠に返ってこない。
いってしまった。私から離れていってしまった。
もう涙は出てこない。もともと流す涙なんてない。
カラカラの喉からはもう叫び声も出てこない。
ただ、あのたった4時間前の悪夢が信じられない。
もう私にはなにもない。このまま消えてしまいたい。
ああ、本当に、いっそこの世から消えてしまえたら!「あんた、なにしてんの?」
どれくらいそうしていただろう。
いきなり刺すような声が落ちてきた。
透きとおった、鋭い、ツララみたいな声。
振り返るのがおっくうとか、そんなこと考える暇もなく私はびくっとなってしまった。
目を上げるときれいな女の人が私を見下ろしていた。
もう、明るくなり始めた空にすけるような青白い肌と、流れるような金色の髪がうかびあがっていて
漆黒の、深い深い瞳がじぃっと私の心の奥をみつめていた。
それが私とサラとの出会いだ。
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