長期休み中の生活(自転車編)

 目覚まし時計で目を覚ます。眠たい目をこすり時計を見るとなんと6時!ヤバイ!遅刻してしまう!急いでジャージに着替え、朝食を摂り家を出る。なぜこんなに早く家を出るかというと今日は自転車で部活に行く日だからだ。家は福光町にあり、たまに学校までの距離を自分の体力のみで走るという、人間の限界に挑戦しているのだ。たかが自転車通学とあなどってはいけない。学校までの往復距離およそ100キロ、標高差は95mもあるのだ。生半可な気持ちでは学校まで着くことすらままならない。このときこそ部活で培ったチャレンジ精神が試されるのだ。

 どの道を走ればいいのか全くわからない私にとって唯一の目印は小矢部川。私の家の前にはその川があり、そこは岩魚が採れるような上流だ。みんなも知っていると思うが下流に向かって下っていけばやがて海に出る。学校は海沿いにあるので、海まで行くことができればもう着いたも同然である。この方程式に基づいて学校まで行っているのだ。

 と、まぁ行く時はこんな感じである。しかし帰りは部活後ということもあり、疲労度はハンパではない。

帰りの目印はコレ → 山…… なんと山である。晴天で雲一つない青空の時に限り、南西の方角に福光を象徴するイオックスアローザスキー場を見ることができる。新湊から福光まで通う者にとっては最高の目印だ。幸いにもこの日は快晴。50キロ先にうっすら見える山に向かって自転車をこぎだす。

この日疲労は少なかったが心配なことが一つあった。学校を出たのが2時だったので太陽が沈むまでに家に着けるか、ということが気がかりだった。行きは2時間半で着いたので、帰りは体の疲労度もふまえても3時間程で着くと予想した。どんなに遅くても5時には家に着くはず。しかしこの予想に大きな誤算があったことはこのときは全く気づかない。

            学校出発から1時間経過…

JR越中大門駅付近を通過した。学校から15キロ以上は進んだであろうか。計算すると時速15キロ。いいペースだ…。予想よりも早いペースで家路に向かっていた。

           学校出発から2時間経過…

高岡市戸出という所にいるらしい。道路の案内標識に書いてあったから間違いないはず。

           学校出発から3時間経過…

予想ならもうとっくに家に着いている時間なのだが、なぜかまだ砺波市内をさまよっていた。しかも疲労もほぼ限界に達していた。ここまで来ると道は知っているので迷子になる心配はないのだがどう考えても家までまだ7〜8キロはある。薄れゆく意識の中がんばって自転車をこいでいるとある事実に気づいた。行きは下り坂だが、帰りは上り坂ということに。標高差を全く考えていなかった。どうりで体力がなくなるし、時間がかかるわけだ。

結局家まで4時間近くかかった。この日は、福光の遠さを身にしみて感じた日だった。