MAX 330MEGA

 

                             竹内 克洋

 

 現代に生きる格闘技に空想のイメージを加え、広い年齢層に影響を与えてきてこれからもその発展が期待される俗に言う「格闘ゲーム」(以下格ゲー)の真髄を語る・・・。

 今現在、世の中にある格ゲーは千差万別。当初は2Dの対戦画面で平面上にいるキャラが普通では考えられないような技を繰り出し、相手の体力が尽きるまで戦うと言ったごく単調なゲームとして知れ渡る。キャラが2Dのドット絵から3Dのポリゴンに変身した数年前から、実際に存在しそうな人間の動きを取り入れることが可能になり、格ゲーの視野が一気に広がった。キャラを3D化するだけでなく、その背景、格闘ステージと言った細かな場所にも工夫が施され、ユーザーがただ画面の中にいる2人の格闘家だけに集中するのではなく、画面の中全体でゲームを体感できるようなハイクオリティを実現。92年にアーケードに登場し、瞬く間にヒット。やがてコンシューマ用ゲーム機SFCに移植され、日本中、世界中に広がった「ストリートファイターU」を起点に目覚しい進展を遂げた。

 しかし、近年科学は進歩しその影響が当然ゲーム界に行き渡った反面、ひどくマンネリ化したゲームが増え続ける現象が起きている。最近のゲーム機は従来のFCSFCなどのハードに比べ、比べようが無いほど容量が増えている。かつては816ビット級のマシンが全盛期であったが今は軽く64128ビット級のマシンが顔を揃える。ゲーム画面はまるで映画館のようにキャラに命を与え、「遊ぶ」から「見る」と言う風にゲームの楽しみ方を変えてしまった。ゲームがリアルさを持つほど空想的なところが失われる。普段ありえないことを楽しむのがゲームである。

今ここにかつての2D対戦時代での格闘スタイルと理想の格闘スタイルを示す。

 まず2Dにおいて大切なことは、先にも述べたように普段絶対ありえないことを意図も簡単にやってしまう空想さである。「これだけ殴られたりしたら立ってもいられない。」とか「何であんなに跳べるの?」と言った現実みを帯びた疑問はもはやこの世界に不要。答えは簡単→ゲームだからである。キャラクターから見ていく。オープニング、タイトル画面、モードセレクト時のBGMの有無、カーソルの移動音、決定音、キャンセル音、コントローラーのボタンとの反応性などについては特に今は言わない。(これも語るとこのような文集におさまり切らないので)これらはむしろ時代の先端を行って欲しい。それはゲーム機の電源を入れたときからプレイヤーを釘付けにするために必ず必要なものであるからである。(発展要因)話がそれたが、キャラクターはあまりデフォルメせずに漫画やアニメのキャラを使用したり、デザイナーの斬新な発想により生まれた架空の格闘家、ごく一般の人間をモデルにし戦闘用の服装にしたり武器を持たせたり、はたまた普段着のままのもいたりしていい。とにかく格闘スタイルをその時点でいろいろ存在するという事をプレイヤーに知らせなければならない。世の中にはたくさんの格ゲーのマニアがおり、とりあえず全キャラ使用してから自分にあった持ちキャラを選ぶものから、みかけだけで決めてしまうかなりマニアックなやつもいる。そのためにもキャラクターは現実を離れあくまで空想の世界をかもし出さなければならない。次にキャラ選択画面。たいていは全キャラの顔を縮小した画像が並び、自分が決定したいキャラにカーソルを合わせ決定。これも発展要因であるから個人的な指摘を入れないでおく。そしていよいよゲームのメイン、戦闘が始まる。誰と誰が戦うのかと言ったVS画面が現れプレイヤーの鼓動が高鳴る。ほんのわずかなキャラ紹介だが格ゲーマニアはこの一瞬に奮起する。対戦は主に2R制、時間制限ありで先に2R制したものの勝ちである。1R目が開始。男声か女声どちらかによるR開始の呼びかけ。キャラは一気に動き始める。このとき注意したいのがキャラの待機状態の構え。当然これから戦うわけであるからじっとしていては瞬時に身動きを取れない。よってキャラは見た目にもキャラ自身のためにも呼吸をしているのが望ましい。肩を上下させたり、ステップを踏んだりととにかくプレイヤーを常に釘付けにするために一刻の猶予もあたえず動いているのがいい。そして移動。キャラには左右の移動に加え、上方向へのジャンプ、下方向へのしゃがみが用意されている。(ダッシュ、二段ジャンプ含む)これにより画面を縦横無尽にかけ次に攻撃を繰り出す。CAPCOM社は弱、中、強の3段階の攻撃スタイルでSNK社は弱、強の2段階である。攻撃には主にパンチとキックがあり、強弱使い分けたやり方で攻めていく。先手を取ったプレイヤーには「FIRST ATTACK」の称号が与えられる。これらによる格ゲーにおける肉弾戦は基本中の基本。これを無くして成り立たない。ここで気にかけるのが攻撃を繰り出した時の効果音、ヒット時の効果音、ヒット時のエフェクトである。普段、生身の人間を殴ったり蹴ったりしたときのことを忘れて見てもらいたい。拳を出したときに空を切り裂く風の音、そして相手にヒットしたときのシンセ音(強弱によって音が重さを増す)それを視覚的に示すエフェクト。画面がフラッシュするような派手なものから攻撃箇所のみを示す小さいものを確実に設定してもらいたい。コマンド入力による必殺技の存在もこれにより技のインパクトが薄くても迫力が出る。攻撃攻撃と続けば、当然連続技というものも出てくる。パンチやキックのラッシュに加えコマンドをキャンセルし必殺技につなげたり、相手をそれに打ち飛ばし自分もそれを追って空中で攻撃したりと連続技と定義されるものは今やはかりしれない。まあそれも発展要因であり注意したいのが「コンボ数」と「ヒット数」のちがい。採用して欲しいのはヒット数システムである。連続技のことを格ゲー界ではコンボと呼び、近年このコンボを重視した格ゲーが主流である。「コンボ数」「ヒット数」とは見たまま、何回攻撃したかをカウントし画面に表示させ、一回の攻撃×そのカウント数で得点が加算されていくものである。しかしコンボ数には一定の条件が存在。それは技と技との間の時間が決められていることである。相手がダウンするか受身を取って体制を整えるまでに、とにかく当たった回数をカウントするヒット数とは違い、技の間に時間がたつとカウントが初期化されてしまう。これではせっかくの永久コンボも価値が下がる。死ぬまで続けたのにカウントはさほどでもない。よってヒット数システムの採用が望ましい。これだけ攻撃されればキャラはダウン。後方に大きく吹き飛ばされる。が、ただこのままダウンするのは面白くない。ここで背景に注目して障害物の有無を考える。格闘ステージは何もない草原や砂浜を除いては周りにいろいろなものが存在する。これらをゲームに使わないわけがない。そう、吹き飛ばされたキャラが背景の障害物に背中からぶち当たり破壊していくのである。2Dならではの狭い空間に残骸が飛び、透明になって徐々に消えていく。リアルな3Dなら残骸はそのまま残されるが、あくまでも2Dはありえないことを起こす。そしてキャラどうしの距離がぐんと広がったときに、ズームイン・アウトシステムを利用。今まで隠れていた背景が顔を出す。対戦も大詰めになりそろそろ決着。残りわずかな体力と上がりきったキャラのテンションゲージによる超必殺技の発動。ここではとにかく2Dの絵の切れ目の少なさを利用して乱舞技を用意してもらいたい。並じゃないスピードで繰り出される乱舞に、人間離れした面白さを見る。これで相手は完全にノックダウン。戦いが終了したと思いきや、これは2R制。すぐに2R目に突入。ここでも気にしたいのが対戦の時に流れていたBGMである。ラウンドが終了したときに消えてしまってはそのままプレイヤーの意気も消えてしまう。BGMはラウンドをまたぐときになりっぱなしがいい。これでまた同様に同じことが繰り返される・・・。

 今述べたこれらのことは、今消えてしまいそうな2D格ゲーが生んだ2Dの中での最高のパフォーマンスのほんの一部である。実際にはまだまだ格ゲーマニアの心を動かしたシステムが多数存在し、現在の3Dでのベースをなしている。それが容量にまかせ画像ばかりに気を入れて格闘システムが薄らいだが、世間はそれを賞賛し本当に「見る」ゲームを作り上げてしまった。今のゲーム機ならこれからさらに進歩したゲームを再生させることに加え、かつてのヒットした格ゲーを現代に蘇らせることも容易に出来るはずである。今ここに一人の高専生が自分のなかのブームが復活することを期待してジャンクショップをあさる日々を送っている。今は絶対に聞かないであろう「竜虎の拳」のキャラ選択画面のBGMを口ずさみながら・・・・。