23人の登場人物がいながらも、それぞれの個性が際立っていて、ストーリーが追いやすかった。
普通なら、人物を覚えるだけでも大変なのに、導入もスムーズである。
ただ、これが大物が使われていなかったり、日本でなかったりしたら、成立しないのかもしれない。
まさしく、現在の日本に生きる人のためのコメディ映画であろう。
脚本が緻密であり、人物1人で笑いをとるのではなく、登場人物が入れ代わり立ち代わりながらも、
それぞれが関わることで笑いを生まれさせているのがいい。
登場人物みんな何かしらのコンプレックスや影、傷などを持っている。
本来だったら、シリアスなヒューマンドラマになってしまいそうな設定を、
ここまで容赦なく笑いにしてしまうという発想がすごい。
しかも、決してバカにするのではなく、そのコンプレックスなどを含め、
愛すべきキャラクターに仕上がっている。
23人全員が主役ということも、見ている人へ、人間1人1人にドラマがあって、そこで自分が主役であるという
メッセージを送っているのではないかと思う。
映画ではあるが、後日談などがなく、大晦日から新年までといった時間やホテルの中のみという
限定されたシチュエーションだけだったり、長回しで撮られていたり、と舞台的な要素も多いのは、
三谷幸喜のこだわりなのだろうか。
あまり、舞台的にこだわらずに、映画だから出来る事を突き詰めればもっと面白いものが作れるのではないかと思う。
しかし、映画館で観た時に、劇場内の人が一緒に笑い、一体感を得られるのも、舞台のようであるが、
その観客の笑いでさえ映画の一部にも感じられた。
あまり深く考えずに観れて、楽しむことが出来る、究極のエンターテイメント作品である。