【コラム】
2.学力低下における大学側の対応
学力低下による大学側の変化
| さて、小学校・中学校・高等学校で深刻な学力低下問題が進行しつつある。 学力低下の影響は大学にも飛び火している。今日の大学側の問題は学生の学力レベルが低下している点である。例えば医学部の生徒なのに高等学校で生物を勉強していない学生や、経済学部や商学部にいる学生で微分・積分・確率の問題が解けない学生が急増している。 コラム1で「学力低下は個人だけの問題ではない」と言う趣旨で話をしているが、まさにその通りである。 今度重なる医療ミス・原子力発電所の問題・警察官や教師による痴漢行為等、一見学力低下とは関係ないように感じられるが、専門家の中では学力低下の影響が出始めているのではないか?と指摘している。 学力低下における「倫理観の低下」もコラム1で話したが、まったくの見当違いの考えとはいえないのではないか? 今回は「学力低下」に対して大学側でどのような対応を取るのか?また今後大学はどのような立場になるのかを書きたいと思う。 2002年に実施された新学習指導要領で教科の内容が3割削減された。 その改定で小学校では3桁以上の掛け算や4桁以上の足し算を扱わない、中学校の英語での必修単語を500語から100語に削減するなど。小数点第2位以下の計算はしないので円周率「3.14」を掛けるときは「3」としている。 この改定に対し多くの専門家や学校関係者達は「学力低下」の危険性を述べたが、文部科学省は「教育改革Q&A」で、削減しても学力低下の心配はない。小学生の3割、中学生の5割が授業の半分以上を理解できていないことを紹介して「新しい学習指導要領では、教育内容を基礎・基本に厳選し、子どもたちがゆとりを持って学習し、その内容を確実に身につけられるようにしました」と述べている。 しかし大学関係者は文部科学省の意見を批判し、学力低下は必至であると考え国大協の第2常置委はこの9月に、学生の学力低下に歯止めをかけることを目的に「入試科目を増やし、高校レベルの基礎学力を確保する」改革案を打ち出していた。大学によっては2、3教科しか課していない現状から、80年代の共通一次試験型に戻す所も増えてきている。 2004年度入試よりセンター試験の5教科7科目を課す大学が75校にものぼることが国立大学協会の調査が明らかになりました。5教科7科目といえば、かつての共通1次試験に匹敵するものです。大学側では、たとえば「医学部を目指す学生が生物を勉強していない」といったことを解消するために導入するとのことです。 一方私立大学では、AO入試を導入する大学が増えてきています。AO入試とは、学力ではなく、受験生の人物や志望動機、またいままでの活動内容などを選考項目とするものです。 このような傾向を見ると、入試で「さらに学力を問う」大学と「学力を一切問わない」大学の二極分化される傾向にあるといってもいいでしょう。つまり、学力選抜を実施する大学は「さらに難しくなる」可能性が高いということです。国公立大学だけでなく、難関私立大学も含め、難易度が高い大学は、さらに難しくなると予想されます。 |