雪上事故魔伝説 第一章 =記憶の彼方=
スキー授業のなか、それは起きた。
一人の生徒が派手に転倒するという事故が起きた。
頭がぼんやりとして、こけた瞬間と目の前が真っ暗になっていくのは、今でもハッキリと憶えている。
しかし、それ以外は全くといっていい程、何も憶えていなかった。
何人かに囲まれていたこと、そのうち一人は女性であったことぐらいしか憶えていなかった。
気絶していたわけではない。
記憶を失っていた。
頭を強打したらしく、脳震盪(のうしんとう)をおこしていた。
気がついた時は、移動中のバス内だった。
友人の話によると、何事もなかったかの様に戻ってきたのだという。
でも、様子がおかしかった。
全身雪まみれ、同じことを繰り返し聞いてくる、しゃべり方が微妙に違う、人格が変、等。
自分はそんなことがあったとは、まったく知らなかった。本当に記憶がなかった。
あまりにも異常なため、帰宅後病院へ連れていかれた。
結果、脳震盪による一時的な記憶喪失だと診断(だったと思う)。
絶対安静のため、一日の入院を命じられた。
しかし、結果的には三日間の入院となった。
退院の日は実績発表大会(地方大会)の一日目であった。
うちの高校が当番校で、農業クラブ役員(要は生徒会役員)に就いている自分には仕事があったため、大会会場へ向かった。
先生方をはじめ、農ク(農業クラブの略称)のみんなや、発表者の人たちに驚かれてしまった。「もう、大丈夫なのか」と。
以後、発表会は一日目、二日目と、無事に終了した。
=第一章 完=
…おまけ…脳の状態をみるためにCT検査という検査をしました。
あの、人体を輪切りにした図が見られるというアレです。
横になって機械に通され、光線をあてられるのですが、わかるのですよ。
あ〜、今、ここに光あたってるぅ〜〜 …と。 不思議な感覚。