- 2001年4月14日-く る め る シ ア タ ー『 盛 句 〜じょうく〜 』…早稲田大学6号館
原田雄太氏の所属する劇団の公演。原田氏は第1話の『平和荘へ、ようこそ』のみに出演。但し製作助手も務めている。
で、公演なんだけど、自作の脚本ということだったが、はっきり言ってしまえば出来はイマイチ。第1話『平和荘へ、ようこそ』はその極地。確かに1人1人の演技には問題がないのだが(最初のうちはセリフの重ね方など、タイミング・間に問題ありだが)、脚本がベタすぎる。話の展開が読めるし、「どこかで見たなあ、こんな話」感は否めない。また、西川氏演じるヘバダっぽい中国人の存在が中途半端だ。結局、彼の出自が中心なのか、それとも大鳥さんの誕生日パーティを巡るどたばたがメインなのか。その辺りもはっきりしないため、全体として、「面白いんだけど、何かつまらない」という印象であった。
第2話『絶望の丘』はまあまあ。1人の主人公の心象風景を描くというテーマは悪くないし、特に最後の2カットは秀逸。心から抜け出す道に臨むカナエを演じる服部氏の表情、そして眠りから覚めたカナエの震えを演じる服部氏が素晴らしい。この話は、僕も演じてみたい(どの役でもいいけど)と思った。脚本・演出・音響・衣装など、明確なテーマが存在するというのがはっきり理解できる。
第3話『本降りセレモニー』は、とにかく笑いを追及した感じで、その意味では大いに笑わせてもらった。客席にお題をもらってギャグを作るパイソン満ち潮役の湯瀬氏には、ホント頭が下がります。まあ、笑いを追及していると考えれば、まぁいいのかなあ…。でも、勢いに頼っている感もあるのだよね。
全体的には、西山氏・筒井氏といった実力派の役者がいるのだが、彼らを上手く活かそうとはしているものの100%は成功しておらず、大きな目で見れば改善の余地があるという感じを受けた。
評点:5.0<サッカー方式;平均は6.0> / 60点<100点満点>
- 2001年6月10日-演劇集団図南『Run for Your Wife』…さいたま市青少年宇宙科学館
お上手。はっきり言って松村は「自分で演技をする自信をなくしました」。松村が何をどう頑張ったって、彼らの演技には追いつきません。まあ、批評するつもりで観ていなかったのも事実ですが。だって、OBになってからは批評するつもりで演技をみている自分がいることに気付いたから、「せっかくだからお客様として観よう」と思ったのです。すると、あらら、「ダメダメな自分」に気付くのだ。精神衛生上良くないので、これからは批評するつもりで観ようっと。
松村の笑いのポイントと微妙にずれる部分があるから、他の観客が笑っているところで笑わなかったりしたけど、やっぱり台本がいいですね。やっぱりこれが前提。微妙なタイミングで話が進んでいくので、観客を飽きさせません。まず、台本選びの段階でこの勝負勝った!という感じ。しかし、それを体現する演者の技量があって初めてその台本が生きるのです。素晴らしいね。お金を取れるだけの価値が十分あるよ。
評点:7.0<サッカー方式;平均は6.0> / 85点<100点満点>
- 伊東 佑介【佐藤一郎】
- 二重結婚・イチロー!得意の役柄だよね、ああいうの。高校2年生の頃に言っていた「三枚目役者を目指す」というのが実現してきたようですなあ。でも、あんな旦那様がいたらイヤだけど。最後の「笑い」はこの芝居で一番重要なところだと思いますが、意味をよく考えたかい?
- 黒須 千晴【佐藤真理子】
- 大人の女・真理子!ヒステリックな感じが良く出ていました。まやのラブラブ奥様と対象的なおしとやかな感じで、あのまま奥様にしても良い感じ。ちはの彼氏になる人は幸せ者ですなあ。
- 国分 真弥【佐藤千歳】
- セクシー千歳!色っぽくって艶っぽいなぁ。まあ、そんなお色気の部分を抜きにしても、あんな奥様(もしくは彼女)っていいなぁ。惚れました(本気で)。スーツケースでドアを叩き壊して仁王立ちになった姿がキマッていましたね。
- 島崎 香織【虎田警部】
- カッコイイ。テレビドラマで見るようなカッコイイ女刑事って、あんな感じだよね。それが全て。違和感がない。
- 石井野乃子【神戸警部】
- いい意味で「老けてる」(ゴメン!)。虎田警部と対象的なオバサンキャラを好演。違和感がない。……と思ったけど、そう言ったら失礼かな…。
- 久保島里実【新聞記者】
- ワンポイントで一瞬だけ登場ですけど、なぜか印象に残るような。
- 古宇田 譲【植木 保】
- キーマン保!佑介とわたりあって戦える存在感。イチローとお互いの個性を引き出し合っていたように思いますよ。
- 高橋 宏和【高田馬場譲二】
- あの役柄は本職ですか?
- 【音響】国分真弥/新原奈津子
- BGMの曲数は少なかったけど、効果的。SEのほうは、電話のコール音と演技のタイミングの合わせ方が難しかった様子。少しズレてたところがあった。
- 【照明】新原奈津子
- え?何か動かしたりした?
- 【衣装・メイク】佐藤綾子
- 千歳のベッドシーン(?)寸前の衣装は大胆だなあ。というかむしろ、それを着ることを了承したまやちゃんが大胆だなあ。
- 【小道具】佐藤綾子
- いいえ、西東京市でしょう!(←何のことやら)/新聞は食べられるものなの?そんな訳ないだろうけど。
- 【演出】久保島里実
- 最後の劇なの?もっとやりましょうよぅ〜。/レベルが高かったように思います。松村の出る幕はありません。あぁもう、やる気をなくしたなあ。コレを観ちゃったら、松村はもう何も出来ないよう。こんなページ(コーナ)開く資格なんかないよう。
- 【制作】新原奈津子
- お疲れ様でした。
- 2001年8月10日-劇団LAMbDA&TOKI『 ドンキホーテ狂想曲 』…王子小劇場
花田良信氏と田村理遊氏が所属するこの劇団名、何て読むんだよ!と、さまぁ〜ず三村のようなツッコミをしたくなりますね。「ラムダ・アンド・トキ」でいいのかな……。5年ぶりくらいに花ちゃんに会えて嬉しかったです。今まで何度も公演DMをいただいていながら、リユウが入ったからといきなり観に行くというのは、(壮ちゃんも言っていたけど)義理を欠いていますね。申し訳ない。えっと、花ちゃんが演出で、リユウは出演しています。ある会社の社長の息子「気違い」が自分を“ドンキホーテ”だと思い込み巻き起こす騒動と、それに乗っかって非人間的な副社長を除こうとするダメ社員の戦いを描いています(というのが、まあまあの説明だろうか)。
歯に衣着せずに正直に言ってもいいですか?「観劇料が無料になるチラシを持っていて正解でした」。実費で1000円を払うのはちょっと考えますね(結果論だけど)。それはおそらく、以前リユウが掲示板に書き込んでいたように、「出たいという人間を全員出す」というコンセプトで脚本を書いたからだと思われます。全員を出演させるために、ストーリィに無理が生じてしまっているのです。例えば、指揮者・ピアニカ・リコーダ・トライアングル・シンバル(リユウ)から成る“楽団”(?)は存在自体を丸々カットしても、ストーリィには全く影響はないでしょう。また、「長めに書いた台本を少しずつカットしていった」のでしょうか、ところどころ話が一・二歩先に飛んでしまっていました。“ドンキホーテ”は何故自分が社長の後継者だと気が付いたの?“秘書”は最後にどこに消えたのか(やはり副社長と一緒に失脚か)?テーマも、「“人の顔が見えない”画一的な社会」ということなのかもしれないけど、確信は持てないし。とにかく、松村は上演中1回も笑いませんでした(あ、1回だけクスリとしたか)。
一番感じたのは、「客のことを考えていない」ということでしょうか。今回の公演の客席はすべて椅子席で、松村は前から4列目に座っていたのですが、前3列は同じ高さで4列目が一段高く、最後尾の5列目がもう一段高くなっています。そのため、4列目の松村は前の3列に座っている人が邪魔で、演技が見えないことが結構ありました。そのくせ、舞台の低い位置でする演技が(他の芝居に比べて)高い比率であったので、かなり気になったのです。かつて参加したいくつかのクイズ大会の会場として王子小劇場を使ったことがありますが、どの時も客席の前3分の2は床の上にシートを敷いて座布団を置いた桟敷席で、椅子席は後ろ(と場合によっては横にも)にしかありませんでした(椅子席自体が無いことも)。観る側のことを考えたら、全て椅子席っていうのはやはりキツイでしょうね。
リユウはニコニコしすぎかも。でも、やっぱり「演技をすること」に関してはこなれていたし、(今回の役柄からそう感じたのかもしれないけど)純愛ミュージカルの主役っていうのが結構似合うかもしれないね。えっと、副社長役の永森あずさ氏は、「セクシィ魔女」っていう感じ?ワンピースのスリットがセクシィ。チャイナ服を着ていた4(5?)人組よりもセクシィ。メガネをかけているところが、ステレオタイプだけど強烈な悪役にフィット。“平社員”の板橋克英氏は声が高いですね。女形?“赤”の外山尚生氏は初舞台ということでしたが、やはり「初舞台」っぽさが出てしまっていました。セリフを「しゃべっている」というより「叫んでいる」というように見えます。しかし、顔の骨格が同じだと声も同じになるということが実感できましたね。姫君の“喜”を演じていた「はせがわまみこ氏って戸田奈穂に似ているなあ」と思っていたら、声も戸田奈穂でした。
全体的には、上手な人が多いし美形の男役も多いのだけど、とにかく全員に見せ場を作ることを考えるあまり、逆に1人1人の個性が埋没してしまっているという、まさに「顔が消えている……」状態。芝居自体にメリハリが欲しいですね。みんなテンション高過ぎ。うまくストーリィを削って、うまくキャストを削って、ポイントとメリハリをつければもっと良くなるはずですが……。
評点:4.5<サッカー方式;平均は6.0> / 55点<100点満点>
- 2001年9月16日-くるめるシアター『 タイムクラッシュ 』…早稲田大学学生会館B203
原田雄太氏の所属する劇団の公演。原田氏は黒兵衛役で出演しているだけでなく、制作も務めています。いやあ、そういえばもう2年生なんだよなあ…。そろそろ代替わりして幹部の役職に就くようなお年頃ですもんねぇ。
後輩の公演を観ると、どうしても心から楽しむことができません。どうも、何らかのチェックをしなければならないような気になってしまい、どこかアラはないか…と思いながら観てしまうのです。だから、今回はあまり厳しいことは言いたくありません。でも、気になったことは言うよ。
とにかく原田氏がカッコイイ。ただでさえ黒を基調とした和服の着流しで総髪の浪人を演じているというだけでも渋いのに、持ち味であるあの低音の美声でセリフを喋られた日にゃ、感動でブルブル震えてきてしまいますよね。松村なんか、その感動が家に帰っても続いていたため、こんな絵を描いてしまいました。まあ、原田氏本人を描いているというよりは、彼の演技からインスピレーションを得た「イメージ画」に近いのですけど。あまり上手には描けませんでしたね。似顔絵は得意ですが、自分のオリジナル画は下手。PhotoShopも効果的な使い方をしてないし…。頭の中で描いたイメージがそのまま出力できたらいいなぁと思います。ちなみに、この絵の参考資料は『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』ですけど、剣心はもうちょっとカッコイイよなあ。
閑話休題。芝居の話ですね。最初のところですけど、新之介が寝起きでお春と喋っているのですが、寝起きのくせに声が張りすぎでした。もっとぽや〜っとした喋り方じゃない?その新之介と黒兵衛の密偵コンビの穿いていた袴は少し短かったように思いますね。あと3センチは長くてもいいでしょう。衣装といえば、越後屋蔵衛門(ドラえも〜ん!)の着けていた前掛けに「サービス」と書かれていたのは興ざめでした。他に見つけられなかったのでしょうけど、せめて裏返しにして着用するとか、手はあったはず(だと…。裏返しにできないんだっけ?)。
セリフに関してですが、トチりが多すぎです。確かに2時間もので長いため、少しくらいのミスは分かるのですけど、あそこまであからさまにミスられるとキツイです。意図的なものかも…と思わないでもないのですけど、そうじゃないでしょ?「帯刀」を「おびがたな」と呼んでいましたけど、あれはわざと?名前としての「帯刀」は「たてわき」と読むのが普通だと思うのですが…(「おびがたな」でもMicrosoft IME 2000は変換したけど)。セリフ回しに関しては、お雪とヤスシが良くありません。パンフレットに学年まで書いていなかったので分からないのですけど、1年生?(ヤスシは違うのか)お雪は「ヤクザの姐さん」といった雰囲気ではなかったし、ヤスシは言い方が不自然でわざとらしかったです。また、上手の袖からでしょうか、「滅茶苦茶じゃない」という声が聞こえたのは良くないね。もしかしたら、客席前から3列目の上手端に座っていた松村の前後の客から発せられた声かもしれませんけど…。
ストーリィ自体は悪くないです。確かに、一部ベタとも思える部分もありましたけど、気にはなりません。3つの時代でのタイムクラッシュの理由が全て「追う者・追われる者」というパターンからのものだったのは、仕方ないといえば仕方ないですけど、1つは別の理由でもよかったのでは?まあ、許容範囲ではあります。運ちゃんの「翔びたいから翔ぶんだ」というセリフには、『かもめのジョナサン』の影響が感じられますが、無関係でしょうね。ただ、現代の個人主義を江戸時代の人間に押しつけるラストには納得しかねます。いくら現代において正しいと思われることであっても、江戸時代には江戸時代の価値観があり、それを否定する権利はないからです。確かに現代人の感覚では「生きたいように生きる」というのは理想です。しかし、それを江戸時代の人間が「正しい」と思うか、理解し実行しようとするかは別問題です。ですから、江戸時代の人間が「生きたいように生きる」という思考を受け入れるというのは理想でしかないのです。もちろん「芝居なんだから理想を描くのだ」と言われれば、反論する気は全くありませんけどね。少なくとも、個人的には嫌いな考え方ですけど、芝居という観点ではマイナスポイントにはなりません。
まあ、楽しみましたよ。随所に散りばめられた小さなギャグ、エンターテイメントとしてのドタバタ感を楽しみましたし、出演人数の多さを感じさせない出番の作り方・舞台の使い方は良かったです。まあ、舞台演出に凝りすぎとも思いましたけど…(笑)。
評点:6.0<サッカー方式;平均は6.0> / 75点<100点満点>
ところで > 原田氏
新学生会館、すごいよね。松村の所属するクイズ研のラウンジ・部室は東棟の5階になった様子。今まで以上に“くるめる”の公演が観やすくなったかも。設備も凄くて、大学側が「これだけ作ったんだから前のところは出ていけ!」と言うだけの施設だとは思います。特に、高校時代に“やまぼうし会館”を使えなかった松村にとっては感動もの。が、教育学部からは遠いんだよねえ。お互い、本キャンの一番遠いところからあそこまで行かなきゃいけないと思うと、同情すると同時に面倒臭いですな。幸運にもクイズ研も“くるめる”も新学生会館を利用することはできるようになったみたいだけど、設備が凄いだけに、入れなかったサークルには同情するしかありません。
- 2002年4月5日-くるめるシアター『 Little Universe 』…早稲田どらま館
原田雄太氏の所属する劇団の公演。原田氏は作・演出という大役をこなした上に、持ち前の低音の美声を生かした敵役としても活躍です。
さて……。何をおいてもこれを書かなければならないでしょう。原田氏自身も気がついていたことですが、かつて演劇部が演じた『DOLL GIRL-Listen to My Memory』と話の筋が90%同じです。途中で「あれ?あれれれれ?」と気付きました。違う点といったら、「ロボットが2人じゃない」「ラストが違う」くらいかな。もちろん、役名などは違いますけどね。原田氏曰く、「書き上げて一通り見直したら『うわ、同じやん!』って思いましたよ」とのこと。
ただ、役者のレベルの違いからくるという可能性がないわけではありませんけど、『DOLL GIRL』と比べたら『Little Universe』のほうがずっと好きです。それは、最後の展開。人間ではなく、ロボットが完全に感情を持って、その感情を「私が悪いのね」と爆発させるところ。そして、(ソギョンさんもそうでしたが、それ以上に)悪としての“石原一矢”(役名)に、「芝居の中では“悪”ではある。だが、“悪”なりのポリシィと強い信念がある」というところです。しかし、“自作自演”……凄いなぁ。いや、悪い意味じゃないよ。「自分で作って自分で演じる」って、よくよく考えたら凄いことだから。まぁ、チョット自分にオイシイ役を振ったかな……と少し思いましたが。
本当に、気になったのは話の筋だけ。あとはせいぜい瀬山徹氏が「経験浅いのかな……」と思ったくらい。内容的にはこっちのほうが好きということもあり、評価は高いです。上演時間があっという間でした。中野正太郎氏の演技も好きですし。うーん、中野氏は「好きな役者」に入りますね。見慣れている劇団ということもあるためか、役者の個性も上手く活かされているように思いました。
評点:7.0<サッカー方式;平均は6.0> / 85点<100点満点>
- 2002年5月12日-Love Is Egoist『 It's no occasion for play 』…劇場MOMO
黒須千晴嬢が所属する劇団の旗揚げ公演。千晴嬢は主役級の扱い。さすがですなぁ。
ただ、芝居全体の印象としては良くありません。全く。正直、途中から「これを見続けるのは拷問だ」とまで思ってしまいました。ごめんなさい。でも、嘘・虚言・お世辞・社交辞令を書いても仕方ないので書きます。どこがどう良くない……とも指摘しづらいのですが、とにかくつらかった。これから指摘するだけの演技を自分自身ができるかといったら、まず間違いなくできないと思われますが、それでも言わせてください。
オープニングのダンスシーンって必要なのでしょうか?“アクターズライセンススクール”の稽古の一部と考えてよいのでしょうか。しかし、それにしてはチョイ役の2人も踊っていましたし、「単なる“趣味”」「他の劇団でもやっているから」という理由で踊っているのなら、無いほうが良いです。第一、切れがありませんでした。次にセリフに関してですが、「いかにも“セリフ”」という感じが頻繁に感じられます。わざとらしいって言うのかな……。また、「セリフをど忘れした」というあからさまな抜け方であれば「まったくもう!」と思うものの、中途半端に噛んだり抜けたりで、観客が芝居に没入するのを妨げている感が。台本自体も、ついていくのがギリギリでした。「ついてこれないヤツはついてこなくていい」というスタンスでいるのであれば仕方ありませんが、結局テーマ性も何も見えてきません。また、一人一人のセリフ一言の中にも「はぁ?前後と脈絡がつながってへんで」と思うのがいくつか。立ち位置に関しても、不自然極まりない動き方がちらほら。
ただ、千晴嬢自身の演技は、役者8人の中でも最高でした。身内だからなのか、それとも役柄からなのか、頭2つくらい抜けているように感じました。台詞回しの滑らかさや動きのナチュラルさなど……。他の役者には申し訳ありませんが、残り7人(のうち特に5人くらい)は“芝居は趣味”の域を出ていません。はっ!まさかあれは「プロ女優」と「役者の卵」の役柄に合わせて分けた微妙な演出なのか?だとしたらすごいな。それを見破れなかった我々には何も申し上げることはございません。この前後の文章、全てクルクルパーです。一応続けましょう。えっと、シーンとしては、ラストの「同じセリフ」「同じ立ち位置」「同じシチュエーション」で「正反対の内容」を表現するというのには感動しましたよ。良い。でも、そこが良いだけに、話の流れ全体としては浮いた感じが否めませんが……。
観劇料は1500円でしたが、「500円くらいは返してほしいなぁ」というのが正直な感想です。もちろん、小屋代であるとか色々な必要経費があったと思いますし、その値段設定に文句をつける気はありません。ですが、1500円を取るのであれば、最低でも観客に対して1500円分の楽しみは与えなくてはなりませんし、観客に「1500円は安かったな」と思わせるだけの演技ができれば更に良いです。ひと公演の最終日・最終演技機会でこの内容だと幻滅しますよ。ただ、旗揚げ公演ですし、これをバネに反省と経験を重ねて黒須嬢のレベルに他の皆がついていければ、かなりのものができると思われます。頑張ってください。
評点:5.0<サッカー方式;平均は6.0>(千晴は7.0) / 50点<100点満点>
- 2002年10月12日-くるめるシアター『 人形師 』…早稲田どらま館
原田雄太氏が所属する劇団の公演。原田氏は、これにてこの劇団の第一線から引退予定。ということで、観てきました。それも2回も。社会人万歳!
で、感想ですが、原田氏がカワイイ!……いや、別に変な意味じゃないですよ。ただ、キャラとして、過去のいくつかの作品のような「カッコいい」「低音の魅力炸裂」というところが「売り」なのではなく、「こういう幼いキャラも出来るんだ」「真っ直ぐなキャラも出来るんだ」という部分が見え、彼の演技の幅を感じます。伊東佑介や、2回目の時に同席した小川真樹なんかに言わせると、「原田の演技には、つい出てしまう“クセ”がある」とのことですが、少なくとも僕は気付きませんでしたし、おかしいと思うようなところもありませんでした。
キャスティングもなかなか興味深かったですね。原田氏・中野氏・池松嬢・瀬山氏、そしてチョイ役で出演の作者・西野嬢以外は全員1年生ということでしたが、それでも十分「観られた」ということは、それだけ世代交代がうまく進んでいることと、劇団としての実力(層の厚さともいうか?)があるということなのかと感じました。しかし、“椿”役の田中嬢は凄かったですね。確かに言われてみれば、今までに見たことのない人ではありましたが、まさか1年生だったとは。落ち着きっぷりと存在感から、2年生以上だと思っていました。正直、池松嬢と同じか、それ以上だと(ごめんなさい)。
ただ、瀬山氏の役柄が、俗に言う「ストーリィテラー」だったのですが、最終的には非常に重要な役であったとは言え、終盤までの「ストーリィテリング」は、物語の進行上、あまり重要ではなかったように思います。確かに、序盤と終盤の「物語の背景」を語る部分においては必要だったかもしれませんが、それ以外の中盤の部分は、無くても何とかなったような気が。まぁ、大したことではありませんね。
物語は、(以下反転。ドラッグとか色々してください)戦争が続き、兵士となるべき人間が少なくなった未来世界。いつまでも惰性的に続く戦争状態から、「兵士は人間ではなく人形だ」という噂、そしてそこから「兵士となる人形を作る“人形師”がいる」という噂が流れる……というのが、物語以前の背景。「コイツが人形師なのか!」という期待を2度・3度と裏切られる、小気味よい展開と言えます。それでいて、何というか、最後には悲しみが流れる展開。もっと大きな舞台で、もっと多くの人に見てもらいたいと思いました。
なお、今回から、採点をやめました。だって俺、もう採点するつもりで見てないもん。純粋に演劇を楽しまんといかんなぁ。
- 2002年12月15日-Theater Project☆Apollo『 ソックスと嘘とビニールテープ 』…劇場MOMO
黒須千晴嬢が所属する劇団の公演。千晴嬢は移籍後の初出演でもあり、骨折からの復帰でもあります。ちなみに、当日は伊藤淳二氏がスタッフ手伝い(誘導)で劇場におりました。客席には、伊奈学OBのブッチャー氏がいましたが、まぁこっちはどうでもいいや(笑)。女性パートナーもいらっしゃったことだし。
非常に面白かった!はっきり言って、ストーリィ的には「ベタ」です。(以下反転。ドラッグとか色々してください)「お金持ちで我侭な奥様が、貧乏だけど愛のある暖かい生活を経験し、お金持ちの家に戻って「良い人」になる」……なんて、何度も使い古されたパタンかも知れません。ですが、それを差し引いても十分すぎるほどのお釣りが来ます。それは、役者のダイナミックかつキャラ1人1人の細かい性格(など)まで練り上げられた演技があったからでしょうか。分かりやすく言うと、千晴嬢が「浮かない」で観られる劇団です。安心して観ていられます。良い劇団を見つけたね、チハ。また、ところどころにある小ネタ(童謡『海』の歌詞「海は広いな大きいな〜月がのぼるし日がしずむ」を、メロディラインが全く無い状態で普通の台詞にしたりとか……。『3年B組金八先生T』の三原順子(当時。現・じゅん子)の名ゼリフ「顔はやめなボディボディ」をさり気なく織り交ぜたりとか……)もツボにハマりました。さり気なく、「分かる人だけが分かる」というギャグが良い。で、「ビニールテープ」はどこに?
ちなみに、その千晴嬢、なかなか可愛かったです(笑)。前回のような大人びた役よりも、今回のような明るい役柄のほうが僕は好きですね。ということはつまり、テーマ性を持たせまくった重いストーリィよりも、軽く明るく楽しめるエンターテインメントのほうが合っているということでしょうか。まぁ、「演技の幅が……」とか言い出したら切りがないからやめますけど、僕はそう思います。
ただ、若干スポンサ色が強かったかな……。いくらお金を出して頂いているとは言っても、シューズ型ローラスケート“HEELYS”を「あそこまで出さんでもエエやん……」てな具合に使っておりました。少々興醒め。まぁ、それが理由かどうかは知らないけど、千晴嬢が「足を骨折」っていうのも分からなくもないな。アレ、慣れると楽しそうだけど、それまでが大変そうだもの。骨折したとしてもおかしくはないなぁ。
ところでさ、奥田武士さんって萩原流行に似ていませんか?
- 注!
- あくまでも松村の目から見た意見です。
この意見に対する単なる非難は受け付けません。
トップに戻る