平成十年度に本校は八十五周年を迎えました。その行事の一環として、校内に優れた芸術品を展示しようという働きかけが始まったのをきっかけに、現在では本校には数多くの芸術品(アート)が設置されています。
そこで今年度の文化委員会のレポートは、「アート化された学校環境」というテーマで鯖江高校生のアートに関する興味や関心を取り上げました。先ず、各アートについての生徒による解釈を載せました。また、クイズ形式でアンケートし、その結果を考察することで、少しでも今後のアートに対する興味や意識が深まることを期待しています。
産む石 鯖江高校の生徒でこの作品を見たことがないという人はもぐりといっても過言ではありません。本館前に庭に位置し、登下校時には必ず目に触れることでしょう。素材は御影石で、ひび割れの中にはベンガラが塗られています。作者である山口牧生はこの作品についてこういっています。 |
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コットンピース校内17カ所に設置してある四角形のピンクのコットンピースの、作者は、アンドレアス・カール・シュルツさんです。シュルツさんは、1955年にドイツのリェイドというところで生まれました。 |
ストーンゲート作者は、ミハ・ウルマン。ウルマンは見る者に自身の想像力を働かせ、作品を組み立ててもらおうと考えている。そのため、この「ストーンゲート」も一個の岩石からできている。ウルマンは30年間、「上」と「下」をつなぎ合わせたり、切り離すかを判断する微妙なゾーン「地面」と「靴底」の隙間に芸術的観念を抱いている。そこに存在する「くぼみ」を何よりも大切なものとして多用している。ウルマンの希望は見る者が芸術の上を歩くことらしい。「ストーンゲート」には、福井県産の岩石が用いられ、その形状は、鯖江市を囲む稜線に酷似している。そして、学び舎としての経験を積み、質問を投げかける場所としての学校にも、非常に関係していると考える。 |
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無題(油絵)私たちの生活の中にある「画面」は、テレビ、映画、本、パソコンポスター等、ほとんどすべてが四角形をしています。これは、製造する上での効率的な理由の他に、絵画など「画面」の多くが、「窓」の隠喩として機能してきたことが挙げられます。輪郭は「窓」のように働いて、それを眺める人の側の空間に属する。いびつな円形の画面自体が図となって、大きなもうひとつの画面を感じさせる事にもつながります。この絵は色彩と形態とが織りなす画面内のできごとに加えて、それが画面の外とも関係をもつ不思議な効果を生み出します。
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沈黙の風景 この作品は、福井県出身の土屋公雄さんの作品で、灰と鉄、ガラスを原料に仕上げたものだ。土屋さんはこう言う「私がこれまで関わってきた灰は、現在私の住む松戸近辺で廃屋となり、解体された家屋から出るさまざまなマテリアルを焼却し得たものである。私の灰制作へのプロセスは何度とない燃焼にあい燃え尽き限りなくゼロの地平に還元される。これは灰それ自体が必然的に時間制を、より根元的なレベルで問いかける行為なのである。私自身、灰の持つ意味を物質の終焉とは捉えていない。このことは生と死の問題に置いても生と死のあいだに明快な境界を持たないという事であり、死は生の延長線上にあり、生もまた死の延長線上にあるという、自然循環の考え方なのである」
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アルミ(無題) 作者名:橋本夏夫
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刻むこと 複数の石を配置することで、ある「場」をそこに生み出します。「場」というのは、複数の要素間の「関係」によって成り立つ空間という意味です。私たち人間同士でもそうですが、ひとつの要素だけでは関係は生まれません。彫刻において、背の高い石どうし、低い石どうし、高い石と低い石、石それぞれと全体、さらには石全体と周囲の空間、こうした要素間の関係が繊細に複雑に派生していきそれを見る私たちに多彩で豊かな楽しみを提供してくれます。こうした「関係」をどのように生じさせ、構成するかを作者はコントロールするのです。 |
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