青少年赤十字は、人間の生命と尊厳を大切にできる子どもたちを育成
することを目的に、学校教育の場で教師を指導者として展開されている
世界の赤十字が提供する児童・生徒の教育プログラムです。
 この運動の基本精神は、世界188ヵ国が加盟する赤十字条約(ジュネーブ
諸条約)の根底に流れる人道主義精神に基き、国家、人種、政治的意見
の違いを超えて人間として互いに尊重しあおうという赤十字精神にたっ
ています。
 現在、日本では小・中・高等学校の約2割にあたる約1万校が青少年赤十字に
加盟し、222万人の児童・生徒が人道精神を基調とした学習や活動に参加し
ています。

 青少年赤十字では、特に日常生活において、
 1) 生命と健康を大切にし、互いの尊厳を尊重できる子どもになること
       (健康・安全)
 2) 進んで隣人のために奉仕する子どもになること
       (奉仕)
 3) 世界の子どもたちと仲良くできる子どもになること
       (国際理解・親善)

を3つの実践目標に掲げ、また「気づき」「考え」「実行する」の3
つを態度目標として約10万人の教師を指導者に学校教育の場で人間
形成に努めています。

 この青少年赤十字は、日本政府も加盟するジュネーブ諸条約(赤
十字条約)に基き、条約の背景にある人道精神をすべての国民に普及する
義務(第144条)を負っている各国政府の努力に沿う活動であるとともに、
現在、学校教育や社会の場で問題となっている、いじめや青少年による
残虐な犯罪、ホームレス虐待など人の命と尊厳を無視した青少年の動向に
対する一つの現実的かつ長期的なアプローチとしても教育現場で活用され
ています。
 これは青少年赤十字の教育哲学である「人道精神の育成」が世界共通の
価値であることと、その精神が多くの学校から学校教育目標を具現化す
るために有効であると認められているからだと考えられます。

 青少年赤十字活動は、第一次世界大戦後に、青少年に対して「人間
尊重と平和の精神」を育成する事業として始まり、平成9年で75周年を
迎え、現在、世界の175ヵ国(平成9年12月末日現在)の赤十字社により
展開されています。この活動の趣旨をご理解いただき、学校教育の場で一
層有効に活用されることを願っています。

日本赤十字社