かぜのはなし(第12回)

 


今回のかぜのはなしは前回予告した通り、ツベルクリンの話です。

ツベルクリン反応の注射・・・ 小学校のころ毎年のように
受けてましたよね?
ところで、このツベルクリンと言うのは何でしょう?
じつは、ツベルクリンというのは結核のことなのです。
(ほんとは「ツベルクローシス」というのが結核の英語名なんですけどね)
ツベルクリン反応の注射と言うのは結核に対する免疫状態を
見るための検査の注射なのです。
(実際には結核に限らず、細胞性免疫の強さを見る為にも
用いるのですが、まあ結核が元々なので良いでしょう)

ツベルクリン反応で見ているのは皮膚の発赤・腫脹の大きさ、
要は一定の期間でどれぐらい赤く腫れるか?と言う事ですね。
ツベルクリンの注射で皮膚が赤く腫れるのはアレルギー反応によります。
何度か書きましたが、アレルギー反応と言うのは
免疫反応の一種なので、アレルギー反応が強いということは
それに対する免疫作用も強い、ということになるのです。

さて、ツベルクリン反応は注射後48時間(丸2日)で判断し、
赤い部分が1cm以上で陽性(免疫反応強い)、4mm以下で
陰性(免疫無し)、その中間の0.5mm〜0.9mmは擬陽性といいます。

ツベルクリン反応が陰性ということは、基本的には
「今まで結核に感染したことがない」と言う事を示します。
(ただし、免疫力が低下していたり、重症な感染症の場合には
陰性になる事があります)
逆に、陽性と言う事は結核に過去感染していて免疫がついた
BCG接種により結核に対する免疫力がついた、結核感染中などを示します。

小学生や周囲に結核感染者がいるなど感染の危険の高い人が
ツベルクリン陰性であった場合、結核に対する免疫を強くする為に
BCGを接種します。そう、あの判子のような注射です。
BCGと言うのは牛の結核菌から作ったワクチンです。
・・・牛も結核になるんですね(^^ゞ

っと、話を戻しましょう。
結核なんてもう過去の病気じゃないの?と思ってる人も
結構いるんじゃないでしょうか?
たしかに日本において結核患者は1996年まで減りつづけました
(発病者数は4.2万人)
小さいころにBCGで免疫力をつけ、学童期にツベルクリンで
免疫力を見、免疫力が弱っていたらまたBCGをうって強化する。
この集団予防法は効果的だったわけです。
しかし、1997年から、再び結核患者は増え始めています。
また、世界的に見れば結核はいまだに世界最大の感染症であり
感染者数はなんと19億人!そして毎年300万人が結核によって
亡くなっています。結核はけして過去の病気ではないのです。
昔と違い、効果的な治療法があるとはいえ放っておけば
死亡する可能性もある病気です。
もし罹ってしまったら早めに発見して治療を開始したいものです。

ところで、結核の症状には特に特徴的と言うものはありません。
咳、痰、微熱に体重減少など、風邪なんかと大差ないので、
油断してしていると肺の機能が侵されていったり、
結核菌が全身に広がったりする・・・こともあります。
さすがに、免疫力が落ちていたりしなければ、
全身に広がったりする事はありませんが(^^ゞ
何にしろ、風邪のような症状が2〜3週間続くような事があったら、
お医者さんに診てもらった方が良いでしょう。
風邪は万病の元です(やっと「かぜのはなし」らしくなった(笑))

では今回はこの辺で♪

(文責:F組  蔵羽 浩真)

      


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