虚構    (改題の可能性アリ)




 たかだか1時間ぐらい寝ただけなのに

 オレのアタマとカラダは思ったより回復してくれたみたいだ

 4・5限と続いたこれまたクソみたいなゼミの時間も

 なんとか怒られずに泳ぎ切れた


 フミカはウチとは違う情報系に近いゼミに入ってるから

 授業は別だったけど ケンジとはやっぱりゼミまで一緒だ

 とはいえ


 「じゃあなシン 今日のバイト中に明日のスケジュール決めてくるわ」


 「おう サンキュ 期待してるよ」


 「トシキにはメールは入れといたんだけどなー 返事がねえ」


 「うそ 躍り上がって喜びそうなのに・・・」


 「だよなあ まあ 例のお仕事だろーけどさ」


 トシキってのは 明日の合コンのもうひとりのメンバーで

 もちろんウチの大学の同級生なんだけど

 今はあんまり学校には来てない

 サークルの連中と ネットベンチャー立ち上げて

 すごい忙しいって言ってる

 もちろん本業は学生なわけだけど オレやケンジのアルバイトとは違う

 もうちょっとリアルな社会を ときどき生々しく話してくれる

 性格は 善良ってのかなあ あんまり怒ったトコ見たことない

 それが原因なのかわかんねーけど

 だいたい片想いで終わる こないだ付き合ってたコには

 結構キツくふられてたなあ

 女運もねえんだよなあ トシキは



 ウチに帰る前に 吉祥寺のルーエに行く

 パルコのブックセンターもいいけど

 あすこのちょっとスカした感じがイマイチ気に入らないんだよな

 なんか店の前に人が並んでると思ったらサイン会

 ・・・・・辺見えみり 写真集出したらしい

 チラっと見たけど かなりキワどかった気がする


 オレは司馬遼太郎が好き

 これは幼なじみのコウスケの影響なんだけど

 最初に「峠」を借りた 時はもちろん幕末

 越後長岡藩の家老 河井継之助のお話

 そこからハマって 今でも何冊か読んだけど

 一番おもしろかったのは 「竜馬がゆく」

 ちょっとミーハーってことになるかもしれないけどさ・・・・・

 ってわけで 今日は「燃えよ剣」の下巻を買いにきたんだ



 ちなみに好きな歴史上の人物は 高杉晋作!

 この人も幕末の人で まあ 破天荒な人だったみたいだ

 なんでこの人を好きかと言えば 以下ちょいと「竜馬がゆく」から抜粋


   ・・・・・高杉は 革命家としての天才は おそらく幕末随一であったろう

    幕末には 竜馬をはじめ 西郷隆盛 大久保利通 木戸孝允など

    雲のごとく人物が出たが かれらは革命期以外の時代に出ても

    使いみちのある男どもだが

    高杉晋作は 革命以外使いみちがないほどの天才であった

    もし平和な時代にうまれていれば 飲んだくれの蕩児として

    親戚縁者の厄介者になったまま 世を終えていたかもしれない

    政治 軍事の才がある それも革命期の政治 軍事で

    それ以前やそれ以後の日本では役にたたない

    いわば明治維新をおこすためにうまれてきたような男であった・・・・・


 オレがこの人を好きな理由は この文章にそのまま詰め込まれてる

 革命が 激情であること 詩になること 

 また革命以外ではつかいものにならないこと

 本質的に蕩児であること   そんな感じ



 今は探してる段階なんだと思う

 自分が誰よりも優れてるなんて思っちゃいないけど

 でも 自分ひとりを 情熱に任せて投げ出せるような何か


 だから例えるなら 革命   そんなこと



 詩人になりたいわけじゃないし 英雄っていう感じでもない

 自分が没頭できるモノを探してる

 笑っちゃうくらい幼稚なことなのかもしれないけど

 ガキが自分のやりたいことを見つけられないだけかもしれないけど

 だけど なんで オレの胸はこんなに虚ろなんだろう