虚構    (改題の可能性アリ)




 見渡す限りの砂と 上を向けば・・・・・曇り空

 普通砂漠とかの空ってのは 青空が定番なんじゃなかったっけか


 砂は 明るい砂色じゃなくて なぜか少し赤みがかってる

 空が明るけりゃ それはそれで見られるのかもしれないけど

 こう曇ってちゃ 赤黒くてすげえイヤな色に見える


 全然暑くないし 汗もかかない

 オレがこんなところを 独り歩いてる理由はなんとなくわかるけど

 この曇天と 砂の色だけは よくわからない



 ・・・・・・あぁ 曇天は オレのココロ

 てっきり 延々と続くこの砂が オレのココロなんだと思ってた

 砂とこの温度 これがオレの今

 でも歩かなきゃいけないのは オレの意志・・・・・!


 砂の色は オレの進む道 その色


 わかったよ


 血の赤とは違うのは 救いだけど 今はあんまり気休めにもならねえ

 この先 この空模様も 温度も 砂の色も むしろ景色そのものも

 きっとどんな風にだって変わる

 変えちゃいけないのは ・・・・・意志!


 前に進んでれば いつかいいことが とか

 そーゆーヌルいのは好きじゃないから あんま言いたくない

 オレが思うのは なによりそれが自分の意志だということ

 他の誰でもないこのオレ っていう 自負 かな

 そーゆーことだけはオレは間違えない! っていう自信

 自分の理想と 進むべき道

 ・・・・・どうしても道徳の教科書みたいな感じになるなぁ


 オレはもっとかっこよくいけたら  とも思うのさ




 目が覚めたのは 12時をちょっと過ぎたところだった

 隣にトシキの背中とケツが見える


 ケンジのヤツは もうシャワー浴びてテレビ観てる

 ご丁寧に充実野菜までグラスに注いで ね   いいご身分だ


 オレもシャワー浴びて トシキを起こして

 同じくシャワー浴びさせて 部屋を片付けながら メシのことを考える

 風呂場からトシキの声が聞こえて

 バスタオルを出してやりに行くオレの背中に

 今度はケンジが声をかけてきた


 「・・・・・メシ」 


 「冷蔵庫開けたんならわかるだろーが

       食えそうなモンはなんも入ってなかったろ」


 「んじゃ シンは材料買ってきてなんか作んのと

              どっかに食いにいくのはどっちがいい?」


 「オメーは寝起きのオレになんか作らせようってのか?」


 「そうだよケンジ なんか外に食いに行こう

                今日はオレがおごってやるからよ」


 「おいおい どーしたトシキ!」


 「いや こないだもらった仕事が一昨日片付いてさ

         今ちょっとリッチだし 昨日は二人に世話になったし」


 一体何を言い始めるんだかこのオトコは・・・・・

 少なくともオレはなんもやってねえってのに


 でも コレがトシキのすげえトコだと思う

 今日はたまたまカネ持ってるみたいだから

 おごってくれるとか景気のいいこと言ってるけど


 コイツは 世話になったことをまったく悪びれないし 卑屈にもならない

 でも助けてもらったことを 当たり前だと思うわけでもないんだよな

 それに対してちゃんとありがたい!って感じて

 相手に感謝の気持ちを表すのが もう本当にうまい

 素直になることが課題のオレなんぞから見ると

 トシキのそーゆーとこは ホントにかっこいい


 ありがとうの言い方 気持ちの示し方

 サバけてりゃいいってモンじゃないんだろうけど

 アイツの態度はそーゆーとき いつもさっぱりしてて

 いやらしさってのがないんだよ

 じめじめしたトコがないから 世話した方もいい気持ちでいられる


 ヘタな同情からなんかしたりとかすると

 ウェットっていうよりは もっとイヤな後味が残ったりもするんだけどさ

 ホントにこの野郎は・・・・・!


 まあでも オレとケンジに対しては なぜかあんまり強く出てこない

 コイツのことだから きっと昨日キョウコちゃんと

 ふたりっきりにして邪魔しなかったこととか 色々考えてるんだろうな

 少なくともオレはマトモになんかしてやったとか

 そんなことは全然思えないし

 ・・・・・まあ 今回は特にオンナ絡みだからな

 せっかくのトシキの好意だから もちろんありがたくご馳走になるけど

 正直 うかれてるようにしか見えねえなぁ・・・・・