MOVIE 2




 予定調和    そんな言葉がもしあるなら

 こんなのは 結末のわかった喜劇と一緒だ


 自分で敷いたレール あるいは

 目の前の問題から逃げることで そこにしか敷けなかったレール

 自分で敷いたことには変わりがない わかったよ



 予定調和  こんな言葉がたいそうなら

 馴れ合いと呼べばいいと思う

 妙に冴えたアタマの右奥が ヘンな音をたてる

 ぞわり・・・? ごそり・・・?



 自分が気に入るコタエはわかってる

 だって自分のことだし

 こう言えば 自分は納得させられる

 いや 言われなくてもわかる 納得したいだけだ

 醒めた自分を納得させられるコタエ

 アイツが文句を言えないようなコタエを ・・・・・知ってる



 それは ただの確認作業

 こんなことがあった こんな風に思った

 
 「ああ なるほど でも それは少し言い過ぎだね」


 飽きるほどに繰り返すこの作業は

 オレが 壊れないでいるための手段



 ・・・電車を降りた 早く帰りたいのに

 なんでこのホームはこんなに混んでる?


 「みんな 帰る時間だから」


 なんでこのババアはエスカレーターの右側でボッと突っ立ってんだ?


 「オマエは 人を責め裁くことしかできないのか?」


 そうだ 人を責めると 返ってくるのは 痛みだけ



 でも それがオレの本質

 火のように怒り 人を責める


 そんなに自分をオトシメルナ ってよく言われる


 じゃあ なんでオレはこんなにアタマにきてるんだ?

 どうしたら全部赦せるんだ?



 オレが今までやってこれたのは オマエが醒めていたから



 オマエと馴れ合って オマエ好みの コタエを出す

 何度も繰り返したこの確認作業のような行為

 
 ・・・なんでこんなこと始めたんだっけ?

 いつから こんなことするようになったんだ?

 
 あれ? 思い出さなきゃ ダメだよな?

 わかる こんなに余裕がないときだからこそ 思い出さなきゃ・・・


 最近 オレのこと笑ってくれないよな

 オマエも 余裕がないってことなんだろ?


 あー 大人気ないなあ とか もっとオトナになれよ とか

 オマエが笑って言ってくれてたときは

                   ・・・・・・もう少し うまくいってたよな




 人に傷つけられるのがイヤで

 傷ついて 痛いのがいやで

 
 「そう それから?」


 人を嫌うのに疲れて

 だから もっとやさしくなろうと思った


 そうだ 何度も人を責め裁いて

 たくさん人を嫌いになって

 でも 疲れちゃったんだ あそこも 螺旋だったんだ


 人を責めることしかできなかったオレが

 痛いのがイヤで 人にやさしくなろうとしたんだ


 「控え目にいっても 利己的だな」




 やっぱり 少し疲れてるのかな

 いつもは オマエのバカにしたような声を聞くと

 ちゃんと反省できてた気がする

 手遅れでも 繰り返すよりはいいって 思えてた


 オマエの言うことを聞くことで

 オレは周りとバランスをとってこれたんだ



 今は どうすればいいんだろう

 こんなに寒くて こんなに心細くて


 自分が信じられなくなったことは初めてじゃない

 周りの人間が みんなみんな信じられないわけじゃないけど

 そんなわけじゃない ただ みんながそばにいない気がするだけで


 そう わかってるよ

 孤独に浸って 自分は誰にも理解されないとか

 そうやって閉じこもってたって 何も解決しないんだよな


 オレは 疲れてるだけだと思うんだよ

 こんなに深刻ぶることじゃない気がするし

 オレとオマエが出すコタエが 今は少し・・・乾いてるだけだ


 どうすれば 元通りになるのか なんて

 今は考えなくてもいいんだろ?

 ドウスレバサミシクナクナルノカ とか

 ドウスレバヒトニヤサシクデキルノカ とか

 ドウスレバオマエガワラッテクレルノカ とか



 疲れてるんだよ 少し休もう

 少し眠って 起きたら また いつも通りやれるさ





                      このお話(?)はフィクションです