そして・・・
「まったく、いつまでこんな狭いとこにいなきゃいけないのかしら!」
宇宙の光景も慣れてきたせいか人々は愚痴をいうほどになった。
「そんなこと言ってないでキャビアでもどうだい?」
「ふん、そんなものもう飽きてしまったわ。火星にはまだ着かないの?」
「そうだなぁ〜、まだ数時間もあるな。」
窓から見える景色は黒い世界に輝く星たち。そんな風景がもぅ何時間も続いていたのだ。しかし・・・。
「ねぇなんだか息苦しくない?」
「あぁ、空気が薄くなっているようだ。」
二人がそう話していると突然警報機が鳴り出した。
人々は慌てだしたがスタッフがなんでもないと言って落ち着かせようとした。
しかし二人はスタッフ同士の話を聞いてしまったのだった。
内容は空気制御室の電力が落ちロケットのスピードも落ちてきたという。
しかもこのロケットだけじゃなく50本全てのロケットがそうだという。
男はスタッフに問い詰めた。しかしスタッフはなんでもないと首を振るだけだった。
男は恐怖を感じポケットからありったけの金をだし自分の分の空気を買うと言ったが、今、金はただの紙切れにしかなかった。
あと何時間で空気がなくなってしまうのだろう・・・。人々は見えない恐怖にただ死を待つしかなかったのだった。
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