見えないしるし
僕は待ち合わせの時間より15分も早く来てしまった。無理もない。昨日は緊張しすぎてなかなか眠れなかった程だから。
見上げたら空はいい天気。見てると自然に心が安らいでくる。
もうすぐ待ち合わせの時間になろうとしてる。僕の心臓は緊張してきたせいか鼓動が速くなっていった。
もうすぐ約束の時間になろうとしたら僕の後ろから「待った?」という声が聞こえた。振り返ると彼女が微笑んで立っていた。
「い、いや。全然。」と僕が言うと二人はあまり会話をせず歩き始めた。
僕は横目でチラチラと見るが彼女が昨日とまったく違う雰囲気の彼女に見えた。
たぶん何も変わっていないと思うが確かにいつもと何か違う雰囲気に包まれていた。
先に話しかけてきたのは彼女の方だった。
「ねぇ、昨日は眠れた?」「いや、なかなか寝つけられなかったよ。」
「ふふっ、じゃあ私と一緒だね!」と彼女はくすっと笑った。はっきり言って可愛かった。
昨日の放課後、僕は前からず〜っと好きだった彼女から告白をされたのだ。
お互い両思いだったのだが、彼女から告白をされてちょっと悔しかった気もした。いつかは自分から言おうと思っていたからだ。
今の彼女は昨日とまったく違って見えるのは、きっと一晩たって友達から恋人に変わった証なのだろう。
ふざけあったり、面白可笑しく話し合っていた友達の姿はもうそこにはなくて、彼女は彼女になっていた。
意を決して僕はそっと彼女の手を握った。彼女は少し驚いたが力を抜き僕の手を握り返した。
僕らは見えないしるしに結ばれるように手をつなぎ、学校へ向かった。