誰もが眠りにつく時間、私の靴音だけが響いている。
(逃げなきゃ。もっと遠くへ逃げなくちゃ。)
寒さを忘れ、白い息を吐きまくりながら必死に走りまくった。かすかな光を頼りにタイル道を走るが時々つまづいた。
一瞬目に飛び込んだ扉のノブに手をかけた。
(お願い!開いてて!) 「ガチャ!」 運良く開いていたものの中は真っ暗だった。
開けた時一瞬見えた奥にベットがあった。私は手探りでそのベットの下に隠れることにした。
静かに身を潜めていると足音が聞こえてくる。
(アイツだ。お願い、通り過ぎて!)
しかしアイツは中に私がいることを知っているかのように入ってきた。
私は心臓の音が聞こえてしまうのではないかと不安がっていた。そしてアイツは静かに私が隠れているベットに近づいてきた。
必死に祈った。神様、キリスト様、仏様。誰だっていい。夢だって教えて!アイツの興奮した呼吸が聞こえる。
アイツはベットの端に手をやると軽々と引っくり返した。
「あ・・・あ・・・。」 もう逃げられない。恐ろしくて声も出ない。逃げるにも恐怖で腰が抜けている。
ふと私はアイツの目を見ると、ニヤリと笑っていた。
その時、アイツは私の首めがけて手に持っている斧を振りかざしたその瞬間、私の視線は一回転した。
消えていく意識のその中で首がない自分の体が見えた・・・。
血が流れるこの街で・・・