撮影報告のページ(積水化学グループ)

カメラマンの独り言(JSC日本映画撮影監督協会所属)


      

  


    
カメラマンの独り言

SHUJI KURATA

筆者

 エジソンのキネストコープが、私たちの仕事の原点?         

  キネストコープは、一人で覗く物なのですが 仕事は、独りで覗く者になってはいけないと思うのです。  リュミエールたちのシネマトグラフが私たちの原点で なければ、と思います。1897に大阪で初公開された筈 です。     

(確か神戸は、映画上陸でシネマトグラフは 大阪だと思います。)    

 色の無かった映画時代、日本映画は海外の映画に負けて なかったと思うのです。

 黒沢監督の『羅生門』、小津監督 の『東京物語』、新藤監督の『裸の島』 

 それぞれその時代のトーン、場面のシズルを再 現していたように思われます。 

 アメリカでのテクニカラー 商業映画は、1935『虚栄の市』、で始まり1939『風と共  に去りぬ』で完成されたと思います。

 色彩的には油絵の様なしっかりとした色調とコントラストを持った映像表現だと僕は思います。

  アメリカ映画は、今でもこの色調を基礎に制作されているのかもしれません。

 1942年『コダカラー フィルム』が発売されますが1950年位ま

でテクニカラーが 主でした。テレビでは、アメリカで1940年に、ゴールド・ マークシステムのカラー放送が始まりました。

 1951年松竹 『カルメン故郷に帰る』、木下恵介監督作品が日本で最初の です。

 

その後、世界的にもカラー映画が主にな るのですが、イタリア、フランスなどでモノクロ映画が今も 作られているようです。表現方法としてシンプルで、画の 味付けがし易い?

(本当は大変な作業だと思います。)  色があるので誤魔化しやすいのがカラーかもしれません。

 「フラッシング」や「銀のこし」の現像処理は、イタリア、 フランスで開発された技術です。『セブン』は、この両方を取り入れた作品です。

「フラッシング」とは黒味を無くし、本来黒であった所に何%かの色を持ってくる(後で、任意の色を感光させる)現像処理です。

「銀のこし」については、専門的に述べると長くなるので、単純に説明します。色を出さない処理です。

filmには、ハロゲン化銀が含まれ、光が当たるとAg+イオンが励起し、電子を得てAg原子となり遊離(光核生成)し、暗色に変色(もとのハロゲン化銀は、白色から淡黄色)します。モノクロfilmは、その濃度差で表現しますが、カラーfilmは、そこに色成分が集まり発色するのです。

透明感のある色を出すため、銀をとる漂白処理をしますが、それをパスすることでモノクロとカラーの間の様な画調にする特殊な処理方法です。   

 アメリカ映画は、エンターテインメントですが、欧州では 人間美や感情等を表す映画が多いので、 美しい色が還って 邪魔になるのかもしれません。(私の個人的な意見です)

 モノクロ作品でもアメリカ 映画で『ローマの休日』とイタリア映画の『自転車泥棒』 とでは、同じイタリアを舞台でも色調(色は無いのですが)がまるっきり違うと思います。アメリカには、アメリカの色。 欧州には、ユーロの色があると思われます。

 

日本にも日本の色があるはずです。数年前賞を獲得した『うなぎ』にし しても、『HANABI』にしても、なぜヨーロッパで評価され たのか?僕なりに考えられるのは、画のなかにアジアの色があったからではないでしょうか。

   

長崎盛輝氏 著 『日本の傳統色彩』(京都書院)には代表的なものだけで、225色の彩どりがあり、全ての色を見ることは出来 ませんが、225色を眺めていますとどこかでやはり見たことのある色です。  神社、お寺、母の着物、等、パステル的な色(実際は彩度的に随分違う)に近い物が多いのです。どこかユーロに似ているところもあります。

 

   私たちが見える光の話に移ります。

人によって多少の差は有りますが、赤外線と紫外線に挟まれた所を可視光線と呼んでいます。太陽光には、可視光線は勿論のこと電磁波からガンマ線まで出しています。太陽風って聞いた事が有るでしょう。オーロラもその風が引き起こしています。6300kなのに何故?ここからは、白色光の話と一緒にしていきましょう。可視光線約380nm〜780nmです。700〜780nmの中には赤外線と呼ばれる成分が入っています。人間は、色として感じる光と黒から灰色、そして白、所謂、無彩色と呼ばれる物に分けています。白色光は色でしょうか?

 17世紀の終わり、ニュートンによってプリズムを透る白色光は7色(赤、橙、黄、緑、青、藍、菫)に分解される事が判りました。これをスペクトルと言い、そのスペクトルの両端と真ん中の色がR.G.B.です。逆に言い換えると、その三つが等しく混ざると白色になるのです。これを加色三原色と言います。通称 加色法と言います

 これは光が当たれば当たるほど明るくなる事で理解が出来ますよね?

色を発色するのは、光だけでしょうか?光は何故明るく感じるのですか?勿論光源を直接見れば明るく感じます。でも物体に当たった光を見ても当たれば当たるほど明るく感じますよね。これが反射光です。白い光も赤い物体に当てると赤く感じます。その物体の色が反射して我々の目に飛び込んで来るのです。物体の色は色の物理的粒子で構成されています。ここでは、絵の具を例にとって説明しましょう。白い絵の具に黒い絵の具を混ぜると灰色に成るのは誰でもご存じですね。白い光の中に青も緑も赤も有るのに赤い物は何故赤と感じるのでしょうか?

 先程の加色法で全てが一定に混ざれば白ですね、赤と青の二つが一定に混ざれば何色ですか?マゼンタと言う色になります。可視光線の外側同士です。約700nmが赤で約450nmが青です。真ん中が無いのです。緑がないわけです。逆に言い換えればマゼンタと言う色は緑を吸収する色になるわけです。青と緑が均一に混ざれば、シアンと言う色になり、同じように今度は赤を吸収します。緑と赤が均一に混ざるとイエローになります。それは、青を吸収します。マゼンタ、シアン、イエロー、この三色を減色三原色と呼んでいます。この三色を使い赤を創るには何を混ぜればいいのか?赤を吸収しない色同士を混ぜると赤になります。シアン以外です。マゼンタとイエローこの二つを均一に混ぜると赤になります。赤い物体が赤く見えるのは赤の構成が緑を吸収する、マゼンタ。青を吸収する、イエロー。からなっているので、赤の波長しか反射しなくなるからです。

B、G、R、Y、M、C、にはそれぞれ先程の関係と同じ関わりが有ります。光はどんな色どうしでも足せば足すほど白くなっていきます。絵の具に於いては足せば足すほど黒くなっていきます。B(C+M)とY(R+G)、G(Y+C)とM(R+B)、R(Y+M)とC(B+G)、これらの光を均一に混ぜれば白色になります。これを加色混合と言います。同じように絵の具を使って混ぜると黒色になります。このことを減色混合と言います。

 
色彩リンク
 

ヨハネス・イッテンが1920年代 にとなえた

「色彩論」

は絵画をする人は誰でもご存じでしょう。12色環で現在の画はなりたち、そのもとの3原色を現在のに置き換えるとそれぞれが255(8bit)の階調になります。日本の彩り(225色)とほぼちかいのです。私たちの生活の中にとけ込んでいる色がコンピューターと同じ位表現できているとは、驚いてしまいます。

 

2001年7月NEW

撮影報告のページ(積水化学グループ)
自己紹介のページと日記帳
mbs.co.jp/tv/michi/MBS道浪漫のページ
www.tky.3web.ne.jp映画館
www.linkclub.or.jp/~junpey/撮影監督のページ

© 1997 kurata@jsc.or.jp

------------------------------------------------------------------------ <