極主観的オフ会レポート
(2000/4/15)


 1.はじまりはたまに雨
  いわゆる「オフ会」というものに初めて参加する。湯川薫氏のHPにある掲示板の常連の方々と、もちろん湯川氏ご本人との会。一応「お花見オフ」の予定なのだが、憎たらしいことに天気予報が当たって、当日は生憎の雨。茣蓙や弁当、飲み物等々は持って行かないことに決めた。たぶん、どこかの店に入ることになるだろう。待ち合わせは、PM1:00にJR原宿駅の改札口前。しかし、30分以上早く着いてしまう。改札に近づくと、何やらドスの利いた威勢の良い声がガンガンに聞こえてくる。何かと思えば、おぞましい数のダフ屋のあんちゃんやオヤジたちが出入り口を取り囲むようにズラッと立っていて、「GLAYあるよGLAY、前の方いらない?」「券、余ってたら買うよ!」などと頻りに声を張っている。運悪くけったいな日に重なってしまったようだ。とにかく人が多過ぎる。雨という要素を差し引いたとしても、待ち合わせをするには最悪の状態かも。それにしても、これほどまでにあからさまなダフ行為に遭遇するのは初めて。東京ドーム前のダフ屋の方が数倍大人しい。何と言っても、勢い余ってだんだんと駅構内(と言えるだろう領域)にまで足を踏み入れて来る。ダフ行為そのものも違法のはずだが、それを駅構内で行うのももっとヤバイはず。駅員も(たぶん)閉口して、黙認している。しかし、うるさくてかなわない。生憎、こんな場所に30分も突っ立っていられるほど図太い神経を持ち合わせていないため、近くにドトール・コーヒーでもあればと思い、降り続く雨の中、傘を差しながら散歩がてら歩いてみる。すると、ドンピシャリとドトール発見。お決まりのブレンド・コーヒーを啜りながら、グレッグ・イーガン『宇宙消失』(創元SF文庫)をちびちびと読み進む。これ、結構高度な(?)想像力が要求されるため、決して読み進むのは楽ではない(のは僕だけ?)。しかし一旦「つかむ」と、やはり面白い。実はそこで、正にその部分のネタと「規則のパラドクス」に関する問題およびその解決との類似点に気付いたのだが、当然ここでは割愛する。待ち合わせの時間まで5分を切ったところで、店を出る。すでにちょっと緊張気味

 2.葉櫻の園
  僕は参加者のどなたも知らないため、公衆電話(ケータイを持ってない)から幹事さんである植村氏のケータイに連絡を入れる。服装の特徴を聞いてから、「みどりの窓口」前へ急行。そこで無事、植村氏とGripen氏にお会いすることが出来た(ほっ)。正直、最初に声をかける時にはドキドキした。だって、人違いだったらちょっと恥ずかしいし……。で、感想は、「あ、実物だ」(笑)。ちょっとヘンな感覚。お二人には僕はどう映ったのだろう? イメージ通りだったのか全く違ったのか――聞くのを忘れた。湯川氏は少し遅れるとのこと。とはいえ、それからすぐに、湯川氏らしき人物が改札を出て来るのを発見。実物(失礼)にお会いするのは初めての僕でも、何故か(?)一目で判った。細いサングラスをかけられた氏は、それを外すと、写真で拝見する通りの方だった(当たり前だけど)。僕だけ「はじめまして」のご挨拶をする。湯川氏は、想像していた以上に優しい口調で話される方で、「実際に会うと『良い人』と言われる」理由を実感。他に参加を予定されている方々からは後で連絡が入るだろうということで、早速移動を開始。一応、代々木公園内で名目上の「お花見」を強行することに。駅周辺の喧噪を抜け出して公園内に入ると、そこは文字通り僕ら4人の貸し切り状態。辺りを見渡しても見事なまでに人っ子一人いない。桜がほとんど散っているのは承知の上で、それでも何とか葉桜を見るまではと突き進む。しかし――見渡す限り緑の木々。でもこの場合、「ああ、春の息吹が聞こえるなあ」なんて感じ入ってはいられない。ピンク色の「ピ」の字どころか「p」の字すら見えない。それでもめげずに歩いて行くと、トイレのある木製の建物の脇に、最晩年(?)の葉桜を一本だけ発見。……で、お花見終了。「肥え」のお陰で他の桜よりも少し保ってくれたのだろうということで納得して(?)、引き返す。街中で、昼食を摂れる店を探してしばし歩く。途中、僕のハンドル・ネーム(CORE)の秘密を暴露する。とはいえ、別にどうということも無かったはずだが。

 3.何様のレストラン
  ようやく1軒目の店を決める。道路から階段を少し降りたところに入り口がある店だった。「ただいま空調設備点検のため、自然空調で営業しております」という札が掛かっていた。一瞬、「当店ではお客様の健康のため、自然食品をお出ししております」に見えたのは僕だけ? たぶん、「もし蒸し暑かったらごめんなさい」ということなんだろうが、モノは言いようだと意味無く感心する。まずはアルコールのオーダー。湯川氏は確か、ジョッキのビール。僕はグラスの赤ワイン。他のお2人もそれぞれ(忘れた……)。食事は、僕以外の3人とも「盛り合わせ定食」――ハンバーグやエビフライなどの盛り合わせ。みんな同じだとつまらないので、僕だけハンバーグ・ステーキ定食に。ただ結果的には、実はエビフライ以外大した違いは無かったのかも……。(エビフライ喰いたかった!)サラダはセルフ・サービスで各自盛って来いとのことなので、4人してぞろぞろと盛りに行く。中途半端に面倒臭い。どうしてサラダが、しかもサラダだけがセルフ? 「ガスト」とか「ジョナサン」とかみたいに、ドリンク・バーがあるわけでもなし……。その店で一体何を話したのかは(フトドキにも)忘れたが、赤ワインとハンバーグが結構美味かったことだけは覚えている。そう言えば、普通、こういう定食ものにはコーン・スープくらい付いて来るものだと思うのが、無かったのは何故だろう? ワインをみそ汁かスープ代わりにしたのは初めて。ただ、ライスとハンバーグとを平らげてもまだ、ワインは残っていた。湯川氏がパンを残しておられたので、ワインのつまみにと思って実は密かに戴きたかったのだが、遠慮した(当たり前)。有り難いことに、なんとここは湯川氏のおごり! 後光がさして見えたのは言うまでもない。これは僕のカウンタ2222ゲット記念、ということで勝手に理解させていただきました。

 4.限界原宿ストリート
  もちろんまだまだ時間的に早いので、他の店に移ることに。(特に)騒がしいラフォーレ前を通り、スター・バックスを発見するも、生憎席がない。竹下通りへ移動。「ここが噂に聞く竹下通りかあ」と、お上りさんご一行は若者たちの間を縫って歩く。両脇に並んでいるのはほとんどがお洒落な(「派手な」、あるいは「悪趣味な」とも言う)洋服店。途中、「学生さん? 社会人?」と、道行く女のコたちに声をかけているあんちゃんたちに遭遇。質問の意図は一瞬不明だったものの、でもたぶん、なんかのスカウト(ただし、かなり怪しげ)。僕らの誰か1人でもスカウトされる可能性は皆無であると思われたため、(たぶん)誰も後ろ髪を引かれることなく通り過ぎる。それにしても、ここ、気軽に(男4人で)入れる軽食&喫茶店のようなものを探すには恐らく最も適さない場所かも。しかし、何とかある建物の2階にスパゲッティ屋を発見し、そこへ急遽一時避難。さすがにさっき食べたばかりなので、みんな軽くコーヒーなどの飲み物をオーダー。なのにGripen氏だけは、わざわざセット価格のデザートのために(!?)スパゲッティをオーダーしていた。でも、それなら普通に飲み物とデザート(「ぷるぷる杏仁豆腐」)だけにした方が安かったのでは――というのは禁句かも。僕は、さすがにコーヒーとティラミスだけにとどめる(まだ生き残っていたのかティラミス……)。それにしても、客層の大半が若い女のコばかりの店内で、(携帯用)原子爆弾やウランの強奪、人体爆弾等々といった話をするのはいかがなものか(笑)。しかし、こういうシュールなシチュエーション(?)は好きだったりする。他にも、HPやファンクラブの運営に関するあれこれや、電子出版の可能性、いわゆる「言葉狩り」の問題などについて話す。(湯川氏がファンクラブ会員用に書き下ろし短篇をHPに載せて下さるかも知れない、という話はオフレコですか?)ここで初めて、植村氏が持参のデジカメで(集合ではなく)個別撮影。写真に撮られるのは実は嫌いなのだが、どうせ(否応なく)撮られるなら普通の表情やポーズじゃつまらない。何とかバカっぽい表情&ポーズをとるよう務める。この店で一度トイレに行くも、帰り際にもう一度行きたくなる。しかし、一つしかないトイレには何人か並んでいる。しかも、国籍不問の(日本の人だけじゃなくて外国の人も、ということ)女性ばかり。さすがに並びづらい(いや、何となく……)。仕方なくそのまま出ることに。ここは確か、植村氏のおごり! もちろん、後光がさし込めておりました。Gripen氏も報われた(?)というもの。でもその代わり、植村氏から、HPの更新および早期の企画・コンテンツ充実をきつく催促されていた。……頑張って下さい、陰ながらそっと見守っています。

 5.新宿寒い
  原宿駅前まで戻り、さらにもう一軒を探し回るも、めぼしい店はない。ちなみに、その時僕の身体は一刻を争う緊急事態に直面していた。そう、先ほどの店でトイレに行か(け)なかったツケ(と言うのか)が回って来たのだった。――そろそろ膀胱が限界です。どこへ行こうかと迷っている間、僕は脚をくねくねし通しで、恐らくかなりマヌケな姿。トイレは駅の改札を入ったところにある、ということで、次の店へは新宿まで電車で移動することに。切符を買うやいなや、とりあえず僕だけダッシュで改札を通り、一目散にトイレへ直行。幸い、小用の便器は空いていた。傘を立てかけるのももどかしく(実際、そのまま床に投げ置いた)、約15分ほどの間夢にまで見ていた用をたす。顔の筋肉が徐々に弛緩して行くのが自分でもはっきりと判る。正に夢見心地。スッキリして体も心も軽くなった所で、電車に乗り込んでいざ新宿へ。さすがは週末の新宿の夜――侮れない(侮りようがない)。やもすれば互いに迷子になりそうな気配を漂わせながら地下通路を彷徨い歩き、何とか東口から脱出するも、そこは(道路を挟んだ)アルタ前――もはや言うまでもない。出口脇のイヴェント・コーナーでは、この雨にもかかわらず、J-WAVEのイヴェントが行われていた。響きわたる女性の声は、場違いな程にキーとテンションとが高い。何と言っても観客の反応が弱い。仕事とはいえ、ご苦労様です。しかし、いい加減ちょっと寒くなる。植村氏が斥候として店を押さえに走る。実に頼もしい幹事さん。しばらくすると湯川氏のケータイに連絡が入り、3人ともその店に直行。某ビルの3階にあるその店は、ワイン・レストラン(?)といったところか。靴を脱いで上がると、通された席はほとんど個室状態。照明の暗さと流れている音楽とが、何とも言えないちょっと大人の雰囲気を醸し出している。先ほどまでの原宿や新宿の街中の雑踏とは完全に一線を画す。まずは赤ワインをボトルでオーダーし、各々グラスで味わう。最初の店で僕が飲んだワインより、酸味がかなりと渋味が少し、強い感じ。ここでも植村氏のデジカメ攻撃が炸裂。僕はといえば、もちろん例によって(?)アホなポーズ炸裂

 6.料理の別人
  数々の一品(創作)料理をオーダーしたが、感想を一言で言えば、とにかくべらぼうに美味かった! いくつか例を挙げてみる。「黒毛豚のゴマカツ」は、きめの細かい衣にゴマを混ぜてあるものの、ゴマ独特の油っこさなど全く無く、その香ばしい風味だけが見事に活きている。その衣が、上半分に掛かっている(ちょっと変わった色の)ソースとマッチして、絶妙な味わいを醸し出していた。だが、やはり特筆すべきはカツ本体。何と言っても割り箸で切れる! 他の方々が熱心にお話をしている中、独り僕だけが勝手に感動していた。あと、正式名称(?)は忘れたが、パンの様な土台に薄く切ったフォアグラが乗っているもの。そもそもこれまでフォアグラというものを食したことが無かったので、興味津々。なるほど、こういう味か。濃厚でコクがあり、その個性的な風味は、どことなく上質のチーズ・ケーキを思わせる。それから「大トロ牛タンの塩焼き」。その辺の焼肉屋で食べるタン塩とはワケが違う。何しろ――「大トロ」だから。そりゃあ美味いに決まっている。「ゴマ豆腐」は、時々スーパーで買って来て家で食べるそれとは全くの別物。「ゴマカツ」のゴマが美味かったように、この豆腐に練り込まれているゴマの味も非常に上品。やはり、しつこい油っこさが全く無い。その豆腐が、ダシの効いた醤油ダレと上に乗ったきざみ海苔とに絶妙にマッチして、文字通りとろける様なまろやかさが口いっぱいに広がる。すいません、この店では本当に一心不乱に喰いまくってました……。えっと、どんな話をしていましたっけ?(爆) 途中、(個人的には)ワインの飲み過ぎで少々頭痛がして来たため、ウーロン茶で水分補給。しかし、白のスパークリング・ワインもちょっと戴く。さすがにこれはフルーティ。生のぶどうの味がまだ仄かに感じられる。ここへ来て、Gripen氏が不調を訴える。就職されてまだほんの1週間ばかりとのことで、どうやら疲れた体にアルコールが効き過ぎた模様。制限時間いっぱいになって席を立つ時、まだ牛タンの塩焼きが(何と!)2枚と、パンに乗った薄いフォアグラ1枚、ゴマ豆腐少々とが残っていた。もうどなたも食べないようなので、遠慮なく僕がその全部を戴く。こんなことをすると普段なら「残飯整理係」などと言われるのだが、今回のこの残り物メニューを単に「残飯」と言い捨てるには忍びない。「残り物には福がある」ということで、「福飯」とでも呼ばせていただきたい。ここも何と、会計は湯川氏と植村氏とにお任せ。そろそろ(って遅過ぎ)、僕の申し訳なさも限界に。なんと外では、何組もの人たちが順番待ちをしていた。植村氏によれば、雑誌などに紹介されていて結構有名な店らしい。いずれにせよ、この店には絶対また来ましょうね、幹事さん!

 7.最高の晩餐
  外に出て、最後にコーヒーでも一杯飲んで帰ろうということに。ただGripen氏は、無理をせずにここで帰宅。実は、個人的には密かにカラオケにでも行きたかったのだが、残念ながら言い出す機会を失う。まあ確かに、わざわざ男3人でカラオケに行くほど侘びしいことはないのだけれど。湯川氏、植村氏、それと僕との3人で喫茶店を探すも、なかなか見つからない。途中、「つぼ八」の呼び込みのあんちゃんに呼び止められる。一度は素っ気なく断ったものの、ちょっと何かを飲むだけならそこでもイイかということで、我らが幹事、植村氏が改めてさっきのあんちゃんと交渉。でも、どうやら値段か待ち時間かが上手くなかったようで、結局近くの某喫茶店へ。考えてみたら、これで今日、4軒目。個人的な最高記録は3次会までなので、これでめでたく(?)記録達成。懐かしのテーブル型ビデオゲームが数台置いてある。さすがにインベーダー・ゲームは無く、専ら花札とか麻雀。その店(の普通のテーブル席)でコーヒーを飲みながら、再び電子出版の未来と可能性などについて話す。ところで、これまで全く自覚が無かったのだが、精神的には酔っている気がしなくても、どうやら肉体的には酔っていたらしい。何だか舌に力が入らず、あまり上手くしゃべれない状態に。しかし、湯川氏はともかく(なぜ?)、植村氏は良く喋る。いや、良いことです。そろそろいい時間にもなったということで、ようやく引き上げることにする。さすがにここの会計だけは僕が受け持つことに。JR新宿駅で切符を買うと、3人ともそれぞれの線のホームへ。疲れと酔いとで眠気が酷かったものの、途中からは本を読み進めるだけの気力が回復。最寄り駅に着くと、もうバスが無い。いや正確には、深夜料金(通常の2倍)のバス以外はもう無い。雨はまだパラパラ降っている。おもむろに傘を広げ、歩き出す。歩いている内に、上着やズボンがどうしようも無く濡れて来る。体も冷えて来る。それでも耐えて、約45分後にようやく帰宅。これで、今日さんざん食べた分だけの運動が出来た……と思いたい。いずれにせよ、楽しい一日だった

<おしまい>


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