|
|
空に住んで、
ふっかふかの雲の中にはいって、
青空をながめながら 日光浴・・・

空の青さを見つめていると
私に帰るところがあるような気がする
だが雲を通ってきた明るさは
もはや空へは帰ってゆかない
日は絶えず豪華に捨てている
夜になっても私達は拾うのに忙しい
人はすべていやしい生まれなので
樹のように豊かに休むことがない
窓があふれたものを切りとっている
私は宇宙以外の部屋を欲しない
そのため私は人と不和になる
在ることは空間や時間を傷つけることだ
そして痛みはむしろ私を責める
私が去ると私の健康が戻ってくるだろう
谷川俊太郎の詩集「六十二のソネット」より
|