American Graffti
正直言って、最初にこの映画を見たときはこれといった感想もなく、なんかよくわかんねえなあとしか思わなかったような記憶がある。
しかし、何かに惹かれて(それが何だったのか、未だに分からないが・・・)もう一度見たくなりビデオ屋へ足を運んだ。それ以来である。この映画にどっぷりとはまってしまったのは・・・
まず、この映画には筋というかストーリーというものがほとんどない。ただ、ただエピソードの連続である。それが最初に見た時にピンと来なかった原因でもあるだろう。
しかし、そのエピソード全てが美しく、そして切ない。それが後になって、ジワジワと心に響いてくるのだ。それは例えばパルプ・フィクションを見た時に感じた、あのカウンターパンチのようなショックとは全く逆のものと言えるかもしれない。そう、まさにボディーブローのように、後からジワジワと効いてくるのだ。
ここで簡単に、この映画の内容を紹介しておくことにしよう。
舞台は1962年の夏、カリフォルニアの小さな町。夜にもなれば若者達が街にくり出し、儚く短い夜を惜しむかのように夢中で遊んでいる。そして明日東部の大学へと旅立つ予定のカートとスティーブ、居残り組のテリーとジョンの4人も街へ出かける。
パーティー、ガールハント、伝説のDJ・ウルフマン・ジャックとの出会い。そして夜明けのドラッグレース。それぞれが熱い一晩を過ごし、大学行きを迷っていたカートだけが旅立つことになる・・・
随分あっさりと書いてしまったが、ホントにこれだけの映画なのである。だが物語が進むにつれ大人になることへの不安や旅立ちの寂しさ、そして何よりも大人になることで失ってしまうものの大きさを痛感し、自分の中にあるノスタルジックな気持ちをえぐられるように刺激されてしまうのだ。
そして自分が日本人であるにもかかわらず、まるで自分も同じような体験をしたかのように切ない気持ちにさせてしまうとこが演出の妙とでも言うのか、監督のジョージ・ルーカスの上手いとこである。
東京の下町で育った自分が、カリフォルニアの田舎町を見て「ああ、懐かしいなあ・・・」って思ってしまう、こんな素晴らしい映画が他にあるだろうか?
そして忘れてはならないのが、この映画の中で使われているオールディーズ・ナンバーである。ウルフマン・ジャックのDJに乗せて流れる50's、60'sのナンバーが見事に映像にマッチし、映画を盛り上げる。
映画音楽ってのは、こうでなくちゃいけないという見本みたいなものと言えるかもしれない。音楽が映像を引き立たせ、映像が音楽を蘇らせる。この映画では映像と音楽は正に一心同体である。
さて、これまで拙い文章でアメグラについて書いてきた訳だがこの映画の素晴らしさはとても文章で表現できるものではないだろう。(だったら書くなって・・・^^;)
だから、もしこの文章を見て少しでも興味を持ってくれた人がいれば是非一度ビデオでも借りて見て欲しい。きっと忘れられない映画になってくれるはずだから。