Pulp Fiction

この映画の印象を一言で表現するならば、それは正に「衝撃」である。
こんな映画が今までにあっただろうか?いや、そもそもこれは映画なのか?そんなことを考えずにはいられないくらいの衝撃を受けたことを覚えている。
それと同時にこの映画はクールである。よくアメリカ人がcoolという言葉を使うが、そのcoolという言葉のニュアンスは我々日本人にはいまいちピンとこないものだと思う。しかしこの映画を見て、ああクールってのはこういうことなんだろうな・・・ってぼんやりと分かったような気がした。
主人公はヤクザの二人組。断っておくが彼らはマフィアではない。いや、確かにマフィアという組織に属している人間なのかもしれないが彼らを表現する言葉としてはヤクザというのが一番しっくりくるような気がする。それはひょっとしたらタランティーノが日本のヤクザ映画の大ファンであるということにも関係があるのかもしれない。
さて、この二人の会話が面白い。それはハンバーガーの話であったり、マッサージの話であったり非常に他愛のないものなのだが何処かユーモアがあり、そしてクールである。
この二人の会話だけで2時間が終わってもいいナ・・・ そんな気分にさせてくれる。 しかし、もちろんそれだけでは終わらない。強盗、ヤク、殺し、SM、あらゆる出来事が時間と場所を交錯しつつ駆けめぐる。その中では主役であるジョン・トラボルタ演じるビンセントさえも、あっさりと撃ち殺されて死んでしまう。そして、そこには何の感情もない。ただ死ぬだけである。
こんな調子で、この映画では全ての出来事が客観的に起こり誰に感情移入することも許されない。しかし気がついたらタランティーノの仕掛けた罠にどっぷりとつかってしまっているのである。もちろん、こんな罠なら大歓迎であるが・・・
ちなみに出演者は、ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ブルース・ウィリス、ユマ・サーマン、ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、エリック・ストルツ、そしてクエンティン・タランティーノ(!)と超豪華顔ぶれである。
タランティーノは後半の一場面でしか登場しないが、ここでタランティーノ扮するジミーの喋るセリフがもう最高である。
ここで書いても面白みが伝わらないような気がするのであえて書かないが、きっとタランティーノもこのジミーの役が気に入ってて他のヤツには絶対やらせたくなかったんだろうなってのがありありと分かってしまう。
時間は155分と若干長めなのだが、そんなことを全く感じさせないあっという間の2時間半である。まさに「時代にとどめ刺す」・・・ そんな映画です。