3月19日更新

あしたはきっと…

製作年=00 監督=三原光尋 脚本=高橋美幸 撮影=本田茂 評価=

高校2年の夏音(吹石一恵)は、あこがれの先輩にフラれ、「こんな一日、なくなってしまえばいい」と念じる。すると不思議な少女が現れ、夏音を一日前に移動。しかし、事態はかえって複雑になり…。何でこんなベタベタな演出なの?姉妹喧嘩で「イーだ!」だってさ。演出意図が私には理解できず


LOVE/JUICE

製作年=00 監督=新藤風 脚本=新藤風 撮影=金沢宏二 評価=

一つ屋根の下で暮らす今日子(奥野ミカ)と千夏(藤村ちか)。男嫌いの千夏は今日子に愛をささやくが、今日子は受け入れもせず、拒否もせず。ある日、今日子に好きな男ができたことから、2人の関係が微妙に変化を始める…。つんくタウンの1000万円映画の一本。いいです。2人の間の「距離感」「空気感」がとても魅力的。あ、新藤風は新藤兼人の孫。才能って遺伝するのかな?





3月2日更新

暁の合唱

製作年=41 監督=清水宏 脚本=斎藤良輔 撮影=猪飼助太郎 評価=

バスの運転手を目指す女性(木暮実千代)と、彼女を見守る二人の男性(佐分利信、近衛敏明)の交流を描く。木暮のはつらつとした演技もいいし、各エピソードもなかなか愛らしくてグーです。女性の社会進出が当然のことのように描かれていますが、製作されたのは戦前。ううむ、昭和初期って深いねえ


富江re-birth

製作年=00 監督=清水 崇 脚本=藤岡美暢 撮影=志賀葉一 評価=C+

伊藤潤二原作コミックの映画化第三弾。富江役に酒井美紀を持ってきたのはミスキャストとしか思えない。ストーリーとかには眼をつぶっても、怖くないよ、これ


一人息子

製作年=36 監督=小津安二郎 脚本=池田忠雄/荒田正男 撮影=杉本正二郎 評価=B+

一人息子に学問をさせるため、田畑も家も売り払った母(飯田蝶子)。10数年ぶりに息子の住む東京を訪ねた母は、夜学の教師にしかなれず、夢を失って腐りつつある彼を見ることになる…。小津初のトーキー映画。母の思い、子の気持ち…どちらも分かるだけにツライ。笠智衆が息子の元担任で、東京で夢破れた男を演じてるけど、その表情、その眼が凄まじいまでの迫力を持ってます





2月13日更新

大冒険

製作年=65 監督=古沢憲吾 脚本=笠原良三/田波靖男 撮影=飯村正/小泉福造 評価=

世界規模の偽札偽造グループが暗躍。週刊誌記者の植松(植木等)と発明狂の友人・谷井(谷啓)は、事件を追ううち、背後に巨大な陰謀が存在することを知り…。クレージー・キャッツ結成10周年を記念してつくられた作品。ギャグは現代ではちょっと笑えなくなっているけど、冒険活劇としてはかなりの出来。ノースタントで植木が走る!飛ぶ!ちょっとスゴイです


ひまわり

製作年=00 監督=行定勲 脚本=佐藤信介 撮影=福本淳 評価=

小学校時代の同級生、真鍋朋美(麻生久美子)が海で死亡。輝明(袴田吉彦)は葬式のために故郷の街へと帰ってくる。同級生たち、そして朋美の恋人は口々に自分の知る朋美の姿を語る。徐々に明らかになる朋美の深い孤独。彼らは朋美をきっかけに自分たちの過去へと思いをはせる…。雰囲気いいね。麻生、袴田、土屋久美子、粟田麗…と出演者全員が好演してます。若干、小ネタがウルサイ感じもするけど、なかなか楽しめました


火垂

製作年=00 監督=河瀬直美 脚本=河瀬直美 撮影=河瀬直美/猪本雅三 評価=

ストリッパーのあやこ(中村優子)は幼児のころのトラウマから逃れられず、過去に翻弄されながら生きている。ある日、あやこは陶芸職人で天涯孤独の大司(永沢俊矢)と出会う。二人は互いの欠けた部分を補うかのように強く惹かれ合っていく…。好きな人は好きでしょう。私には強烈に発散される河瀬自身の自己憐憫についていけなかった。それにこのスタイルは90年代中期で終わってると思うんだけど…





2月6日更新

サトラレ

製作年=01 監督=本広克行 脚本=戸田山雅司 撮影=藤石修 評価=

思ったことが周囲に筒抜けになってしまう能力の持ち主「サトラレ」。彼ら全員が驚異的なIQを持つため、政府は国民に対し、サトラレが自分の能力に気づかないよう、思考が聞こえても聞こえないフリをすることを強制するのだが…。あ、面白い。いろいろ不満もあるけど、適度に笑って、適度に泣けます。メジャー映画としてはかなり上出来でしょう。主演の安藤政信はかなりグー。鈴木京香も分かりやすくていいのでは





2月5日更新

毎日が夏休み

製作年=94 監督=金子修介 脚本=金子修介 撮影=紫崎幸三 評価=B+

登校拒否の娘・スギナ(佐伯日菜子)と会社を辞めた義父(佐野史郎)。社会不適合の二人は便利屋を始めることで、少しずつ成長していくのだった…。コメディとしてもファンタジーとしても上出来の作品。佐伯、佐野、そして母親役の風吹ジュンの全員が非常にいいです。ストーリーがテンポよく元気に展開し、ラストで主題にぴたりとハメて、余韻をじわり。いや、いい作品ですよ





1月23日更新

アカシアの道

製作年=00 監督=松岡錠司 脚本=松岡錠司 撮影=笠松則通 評価=

雑誌編集者の美和子(夏川結衣)は、痴呆症にかかった母・かな子(渡辺美佐子)と同居を始める。いつも自分に対して厳しかった母。独立とともに見捨てたはずの母を看病しながら、美和子は徐々に精神的に追いつめられていく…。「バタアシ金魚」の頃とは作風がまったく違うけど、ディティールの積み重ねで情感を出していく手法はなかなか見事。松岡監督の今後に注目





1月18日更新

大いなる幻影

製作年=99 監督=黒沢清 脚本=黒沢清 撮影=柴主高秀 評価=

舞台は2005年の近未来。停滞した世界で存在感なく生きるハル(武田真治)とミチ(唯野未歩子)。2人は何とか現状からの脱出を試みるが…。作品としての出来はともかく、90年代的な虚無を打破しようとあがく黒沢監督の苦悩が興味深いです。


溺れる魚

製作年=00 監督=堤幸彦 脚本=横谷昌宏 撮影=唐沢悟 評価=

警視庁の特別監察室は、公安担当の刑事(伊武雅刀)を内偵するため、女装癖のある秋吉(窪塚洋介)と、証拠品の現金を着服した白州(椎名桔平)を捨てゴマとして選び出す。奇妙な2人の捜査が始まった…。サムいギャグに、センスのない映像。こりゃヒドイよ。監察室長役の渡辺謙はちょっと面白かった。





1月9日更新

地獄門

製作年=53 監督=衣笠貞之助 脚本=衣笠貞之助 撮影=杉山公平 評価=B+

平安時代。反乱の制圧に功績を挙げた武将・盛遠(長谷川一夫)は、平清盛に対し、目の覚めるような美女・袈裟(京マチ子)を褒美として要求する。しかし、袈裟は人の妻だった。あきらめ切れない盛遠は、腕ずくで袈裟を奪おうと試みるのだが…。色彩指導に日本画家を起用しているだけあって、青を基調とした美しい映像が堪能できます。京マチ子、長谷川一夫の演技もグー


盗まれた欲情

製作年=58 監督=今村昌平 脚本=鈴木敏郎 撮影=高村倉太郎 評価=B+

今村昌平の初監督作品。大阪・河内地方のドサ回り一座を舞台に、「真の演劇」を求めて入団した演劇青年(長門裕之)と、奇人変人の役者たちが繰り広げる大騒動を描く。今村の持ち味の「土着的な猥雑さ」がすでに発揮されてますが、後の作品と違ってとてもさわやかなのがいいっスね。テンポよく楽しませてくれます


満員電車

製作年=57 監督=市川崑 脚本=市川崑/和田夏十 撮影=村井博 評価=B+

一流大を卒業し、社会人となった青年(川口浩)。彼は冷酷な社会の現実を十分に理解しており、上手く立ち回ろうと努力する。しかし、社会には人があふれており、ついに彼も力つき…。脚本も面白いし、テンポもいい。訳知り顔で精一杯つっぱってる川口の表情もすばらしい。面白いです。





12月22日更新

ビジターQ

製作年=00 監督=三池崇史 脚本=江良至 撮影=山本英夫 評価=

家庭内暴力、いじめ、近親相姦…と不幸の吹き溜まりのような一家。ある日、そこに謎の男(渡辺一志)が現れる。一家は男の影響で少しずつ変化し、やがて狂った歯車は狂ったなりの調和によって動き始めるのだった…。もはや滅茶苦茶です。3回観たら多分気が狂うような映画。何度も目をそらすくらい薄気味悪い物語なのに、ラストシーンではナゼか心がほのかに温かくなっている…。ううん、三池恐るべし。遠藤憲一、内田春菊の夫婦は、怪演を超えてアッチの世界に行っちゃったような演技してます





12月20日更新

狗神

製作年=00 監督=原田眞人 脚本=原田眞人 撮影=藤澤順一 評価=

四国の封建的な山村を舞台に、狗神筋と呼ばれる家系に生まれた女、美希(天海祐希)と都会から転任してきた教師・晃(渡部篤郎)の悲劇的な愛を描く。原田にしては珍しく土俗的な内容ですが、物語の骨格は実はギリシャ悲劇だったりします。映像も流麗なんですが、どうも登場人物たちに葛藤があまりないため、ストーリーに求心力がないです。なんか冗長、とゆーのが感想





12月19日更新

石中先生行状記

製作年=50 監督=成瀬巳喜男 脚本=八木隆一郎 撮影=鈴木博 評価=B+

東北地方の片田舎。小説家で地元の名士である石中先生(宮田重雄)の目を通し、村人たちの巻き起こす騒動をユーモラスにつづったオムニバス。無口で内気な三船敏郎と、明朗快活な若山セツ子のラブロマンスを描いた3話目が抜群におもしろい





12月11日更新

軍旗はためく下に

製作年=72 監督=深作欣二 脚本=新藤兼人 撮影=瀬川浩 評価=B+

敗戦の混乱の中、ニューギニアで銃殺された夫(丹波哲郎)。その真相を調べるため、妻(左幸子)は戦友たちを訪ねるが、その証言はあまりに矛盾に満ちており…。左翼思想が嫌いな私も物語に引きずり込まれました。マンガチックな悪人が登場せず、全員が己の信念に基づいて行動してるので、奥行きのある作品になっています。後年、「仁義なき戦い」につながる「動的な描写」の萌芽が見られます


雪之丞変化(総集編)

製作年=35 監督=衣笠貞之助 脚本=衣笠貞之助/伊藤大輔 撮影=杉山公平 評価=

自殺に追い込まれた大店の遺児・雪之丞(林長二郎)は、歌舞伎の女形に身をやつして、仇討ちに賭けるのだった…。林長二郎が雪之丞、母親、闇太郎の1人3役に挑んでます。本物の女より女らしく、剣の達人である…という雪之丞の造形が面白いっス。総集編しか残ってないのが残念無念





11月28日更新

郡上一揆

製作年=00 監督=神山征二郎 脚本=神山征二郎/加藤伸代 撮影=南文憲 評価=C+

江戸時代、実際に岐阜で起こった百姓一揆を描く。良心的なつくりです。数千人の応援を得て撮影されたモブシーンはなかなかの迫力。しかし、人間味があるのは百姓だけで、武士が全部人間にすら見えない。また、慣用句みたいなありきたりな演出が多いのもハナについた。


張り込み

製作年=00 監督=篠原哲雄 脚本=豊島圭介 撮影=上野彰吾 評価=

団地住まいのスミレ(若林しほ)のもとに、張り込みの協力を求めて刑事(小市慢太郎)が訪れた。しかし、部屋に上がり込んだ男は不気味な挙動を見せ始める。この男は誰なのか、そして目的は…。若林、小市がともにかなりいい芝居をしてます。ねちっこい演出もグー。いやあ、篠原哲雄って引き出し多いんだねえ





11月24日更新

閉じる日

製作年=00 監督=行定勲 脚本=行定勲 撮影=福本淳 評価=C+

天涯孤独の姉弟、名雪(冨樫真)と拓海(沢木哲)は、近親相姦の関係にある。外界との交わりを避け、二人だけの世界に生きる姉弟。しかし、拓海に恋心を抱く悠里(綾花)が現れ、二人の世界は徐々に崩壊を始める…。低予算のビデオ作品。ビデオの特性を生かした面白い映像ですが、なーんか話が一時代前の純文学っぽいのよね。乙女チック過ぎるとゆーか





11月15日更新

ギプス

製作年=00 監督=塩田明彦 脚本=塩田明彦/堀内玲奈 撮影=鈴木一博 評価=

ある日、和子(尾野真千子)はギプスを足にはめ、松葉杖をつく女、環(佐伯日菜子)に出会う。傲慢だが底知れぬ魅力をたたえた環に、和子は徐々に惹かれて行くのだが…。低予算のビデオ作品で、「露出狂の女」の系譜かな。佐伯の演技は少し不満もありますが、悪くない。傑作ということもないが、何か脳裏にいつまでも残る不思議な作品





11月13日更新

淑女は何を忘れたか

製作年=37 監督=小津安二郎 脚本=伏見晁/ゼームス槙 撮影=茂原英雄/厚田雄春 評価=

大学教授の小宮(斎藤達雄)は、いつも女房(栗島すみ子)の尻に敷かれてばかり。しかし、大阪からやってきた奔放な姪、節子(桑野通子)に刺激され、ある日女房を叩いてしまう…。軽妙洒脱なコメディ。桑野通子がめちゃ愛らしい。テーマや映像手法が、戦後の小津作品に近づいて来てますね。


由美香

製作年=97 監督=平野勝之 脚本=− 撮影=平野勝之/林由美香 評価=

平野とAV女優・林由美香が、自転車で日本最北端の礼文島を目指す過程を追ったドキュメンタリー作品。冒険旅行で変化していく平野、あくまで変化を拒む由美香。2人の精神的な脆弱さが、作品に大きなサスペンスをもたらしてます。荒削りながら、後に「白−THE WHITE−」という傑作ドキュメンタリーを生み出す萌芽が感じられる出来


連弾

製作年=00 監督=竹中直人 脚本=経塚丸雄 撮影=佐々木原保志 評価=C+

資産家で主夫の男(竹中直人)は、キャリアウーマンの妻(天海)の不倫を許せず、離婚に踏み切る。一度はバラバラになってしまった家族だが、娘と妻のピアノ発表会へ向けての練習を機に、再びぎこちなくも絆を結び始める…。竹中にとっては初の他人による脚本で、その分、いつものナルシスティックな側面が薄まってます。ただ、あまりにベタな演出が私には合いませんでした





11月7日更新

回路

製作年=00 監督=黒沢清 脚本=黒沢清 撮影=林淳一郎 評価=

ある日、インターネットや携帯電話が、死者の姿や声を伝え始める。やがて死者のメッセージは街にあふれ、不可解な自殺を遂げる人たちが激増。街は崩壊を始める」。ネットの持つ「薄気味悪さ」みたいなものを上手く表現してます。テイストとしては、「カリスマ」のエンディングにちょっと近いかな?いつもと違って、登場人物たちがポジティブですね





11月5日更新

結婚行進曲 WEDDING MARCH

製作年=51 監督=市川崑 脚本=市川崑/井手俊郎/和田夏十 撮影=飯村正 評価=B+

仕事中毒で家庭が崩壊の危機にある営業部長(上原謙)は、恋人をクビにされて抗議にきた女性(杉葉子)を抜擢。二人でコンビを組んで仕事をバリバリとこなす。しかし、二人の仲を周囲から誤解され…。キュートで切れ味のいいコメディです。杉葉子の機関銃のようなセールストークが笑える


拝啓天皇陛下様

製作年=63 監督=野村芳太郎 脚本=野村芳太郎/多賀洋介 撮影=川又昂 評価=

陸軍に入隊した与太者・山田正介(渥美清)にとって軍隊は単純明快で三食付きの天国のような所。しかし、もうじき戦争が終わると聞いた正介は、「せめて自分くらいいさせてくれ」と天皇陛下に手紙を書こうとするのだが…。変なイデオロギーが混じり込んでいないので、純粋に笑えるコメディー。天真爛漫な正介の性格設定が味わい深いです


流れ者図鑑

製作年=98 監督=平野勝之 脚本=− 撮影=平野勝之/松梨智子 評価=

AV作品として企画されたドキュメンタリー。AV監督の平野と、自主映画作家の松梨は映画とAVを製作するため、自転車で北海道を放浪する。「いきずりの男と寝て、それをビデオで撮る」ことが目的だが、松梨にはどうしてもできない。また、平野は徐々に松梨に惚れてしまい…。平野は「映像作家」と「普通の女性」の間で悩み続ける松梨が徐々に壊れていく過程を冷酷ともいえる眼差しで見つめています。平野のリリカルな映像表現によって、露悪趣味に傾くことなく、優れたドキュメンタリー作品に仕上がってます。あまりに不器用で一途な松梨に惚れてしまいました


A+=国宝級 A=大傑作 B+=傑作 B=結構いい C+=腹は立たなかった C=時間の無駄、有害



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