都会の子猫のララバイ

街角に捨てられた哀れな子猫
抱き上げる気まぐれな腕を選べない
鳴いて、媚びて、擦り寄ってみても
あの子でなければ 無くても同じ

ならばいっそ一匹 アスファルトに立つよ
ビルの谷間 人混みの足元 走り抜けてゆくよ
尾を立てて・・・・・

走れ走れ走れ 子猫
あたたかい膝も もう無いけれど
走れ走れ走れ 子猫
青き月の光浴びて 一匹で走れ

街にたむろう野良猫の群れ
闇に細く瞳光らせ、抱き上げる手に爪をたてて生きてきた
猫達の群れ
人通り途絶えた闇の中 吹きつけるごみ混じりの風に凍えても
欲しかった腕は 膝は 手は 胸は やはりただひとり・・・・・・

ならばせめて一匹で生きられるようになるまで

眠れ眠れ眠れ 子猫
我が身ひとつの温もり抱いて
眠れ眠れ眠れ ひととき ララバイ
聴こえてくるのは ビル風の子守唄

93/11

JACK・KNIFE

うつ向いて、ばかりいるから 前を歩く人にぶつかる
わかってる そんなこと
でも、猫背は、なかなか直せない

抱き合わなければ 温もりは感じ合えない
わかってる そんなこと
でも、古傷は私に危険信号を送り続ける

ポケットの中のジャックナイフ
闇の中、膝を抱えて
そっと、確かめる
その冷たさに 暫し心静めて

ジャックナイフ
いつか その刃が切り裂くのは
過去か
それとも未来・・・・・・

ポケットの中のジャックナイフ
闇の中、壁に凭れて
そっと、指先を滑らせてみる
刃に写った光ったものは見なかったことにしよう

ジャックナイフ
いつか その刃を染めるのは
私の赤い血か
それとも誰かの・・・・・

94/6

リ・インカーネイション ・・・ 祈り ・・・

前世(むかし)重ねた私の罪はいつか

償いきれる時が来るのでしょうか
今世(いま)流す私の涙はいつか
報われる時が来るのでしょうか

仰ぎ見れば月が
前世(むかし)も今世(いま)も
白く私を照らしています
たとえ、夜闇がこの世を閉ざしていても

前世(むかし)私が耳を塞いだあなたの言葉
今になって時折、口には出せずに呟いています
まるで禁断の呪文のように
・・・人は幸せになるために生まれて来るのだ

繰り返し繰り返し・・・・ と

いつか私でも誰かの傷をこの手で
癒せるようになれるのでしょうか
前世(むかし)私が切りつけたあなたの傷のかわりに
いつか私でもまた新しい夢を
みることができるでしょうか
前世(むかし)捨ててしまった夢のかわりに

仰ぎ見れば月の光は
前世(むかし)も今世(いま)も
淡く私を包み込んでいます
そんなことさえ 気付けずにいたけれど

前世(むかし)あなたがくれた言葉
今はそっと抱きしめています
たぶんやっと届いたそれが
たったひとつのキーワードだから
・・・間違えたら落ちついて やり直すんだ

何度でも何度でも
遅すぎることなど決してないから
むだなことなど何もないから・・・・と

きっと、人はそれを輪廻という形で許されている
今はそう信じましょう

94/6

ふふふふ……暗いです…流石、エニアグラムタイプ5>私
93年94年ですから、だいぶ以前の作品ですね。
これは3連作だと思って下さい。単独ではいかにせん暗すぎる…
鬱状態の時ぐらいしか詩なんて書きませんので、
他の時に読むと、自分で恥ずかしいです(^^;のたうち回ります。
というわけで、手直ししようかと思いましたが止めました(苦笑)
もう、なんとでも言って(^^;(爆)

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