ハードディスクのRAIDシステム
ハードディスクの台数を増やす事で、転送速度が速くなるのはなぜか
<RAIDとは>
従来のRAIDシステム
本来RAIDはデータを安全に保存し、読み出し速度を高速化するために考案されたもので、始めはサーバーマシン向けの技術であった。当時のRAIDは複数のSCSIハードディスクを使用し、読み書きを均等に分割させることで高速化するシステムであった。また、それと同時に障害発生時にデータを復旧させるため、パリティと呼ばれる差分を各ハードディスクへ分散して記録しておくことで、ハードディスクがクラッシュしたときに、復旧が可能になる。そのときに壊れたハードディスクを新しいものに交換するだけで良く、他のハードイディクスに分散させておいたパリティから、データを復旧させるようになっており、どちらかというとデータ保護をメインにしたシステムである。RAID0〜RAID5までが規定されており、サーバーマシンではRAID5を利用する事が多い。
現在のRAIDシステム
最近個人ユーザーに流行のRAIDシステムはIDE RAIDカードを利用したもので、RAID0とRAID1が使用出来るようになっている。RAID0はストライピングと呼ばれ、複数のハードディスクに読み書きを分散させて高速化するシステムであるが、RAID1はミラーリングと呼ばれ、同じ内容のハードディスクを複数作成して、データを保護するシステムである。近頃は高速ハードディスクタイプのRAID0だけでなく、データ保護を重視したRAID1タイプを使用するユーザーが増加している。
また、RAID0の場合は複数あるハードディスクの内どれか一台が故障すると、残り全てのデータが破損してしまうので、大切なデータのバックアップは必ずとって置くようにしたい。
<RAIDに必要なもの>
RAIDカード
RAIDシステムの構築には、RAIDカードと2台の同じハードディスクを用意しなければならない。RAIDカードには\6,000〜\200,000のものまで、さまざまな種類が存在しており、性能が大きく異なる。個人用として使用するのなら、IDEハードディスクを使うIDE
RAIDカードがいいだろう。IDE RAIDカードに搭載されるコントローラーにはPROMISE製,CMD製,HighPointTechnology製の3種類があり、これらの中ではPROMISE製のものが一番安定していて、\7,000〜購入可能であり、他の2種のコントローラーを搭載するRAIDカードは、日本語環境では安定性が今一なので、初心者はやめておいた方が無難である。
ハードディスク性能
RAIDシステムにおいては、使用するハードディスクが高速であればあるほど、RAID構築後の速度が速くなる。現在ATAPIでもっとも高速と言われている7200rpmでは、IBMのDeskstar
75GXP(DTLA3070)シリーズが良いが、価格もそんなに高価なわけではないので、導入を考えてみるのも良いだろう。SCSIのハードディスクにすれば15000rpmクラスのものもあるが、そうするとRAIDカードが高くつくので、其の辺は予算しだいでいろいろと変更して行けば良い。
<IDE RAIDシステムの構築>
IDE RAIDカード
IDE RAIDを構築するには、RAIDカードと2台以上のハードディスクを購入しなくてはならないが、IDE RAIDカードはなぜ安いのだろうか?その理由は、IDE
RAIDカードの多くがソフトウェアRAIDだからである。\10,000前後のIDE RAIDカードは全てソフトウェアRAIDと思っていただいて良いだろう。ソフトウェアRAIDの場合、データを複数のハードディスクに振り分けたり、コピーする作業は全てパソコンのCPUが行っている。ハードウェアRAIDの場合は、同様の作業をするためのチップがカード上に複数搭載されているので、高価格になってしまうのだ。また、変り種として最近のマザーボード(GIGABYTE製のGA-77XRなど)には、IDE
RAIDコントローラーを搭載したタイプも出てきている。そう頻繁にマザーボードを交換しないのなら、IDE RAID搭載型のマザーボードを購入するのも良いだろう。
構築作業
RAIDの構築作業は、ハードディスクとRAIDカードの増設から始まるが、ハードディスクはフラットケーブル2本を用いて、別々のポートに接続する。
次に、RAID0やRAID1の領域となるRAIDボリュームを作成しなければならない。この作業は、RAIDカードのBIOSに搭載されているユーティリティーを使って設定するが、起動中に特定のキーを押すことで、そのユーティリティーを呼び出す事が出来る。ユーティリティーでは、オート構築とカスタム構築の2種類があり、作成できるRAIDレベルはソフトウェアRAIDとほぼ同じである。その種類としては高速化をめざすRAID0(ストライピング),データの保護を目的にするRAID1(ミラーリング),それら2つを組み合わせるRAID0+1,複数のハードディスクを繋げるJBOD(スパン)などがある。
システムを構築した後は再起動して、ドライバをインストールすれば良い。起動ドライブが別に存在し、保存用ドライブとしてRAIDを導入するのなら、Windows2000でもやり方は同じだが、RAIDボリュームにWindows2000をインストールするには、大容量デバイス用ドライバの追加でドライバをインストールしなければならない。その後再起動してFDISKで領域を確保し、フォーマットすれば利用できるようになる。
ストライピング
IDE RAIDの場合は接続できるハードディスクの台数は、カード一枚に対して4台までであるが、ストライピングで4台接続したとしても、単体の時の4倍の転送速度が出るわけではない。これはIDEの使用の為で、IDEは同じポートに接続されている2つのデバイスに対して、同時にアクセスする事は不可能だからである。その為本来は2つのポートに1台ずつ、2台接続すると言うのが基本パターンとなっており、2台体制が最も効率の良い使用方法である。だが、何事にも例外は付き物で、PROMISEのFastTrak100の場合、マザーボードによっては同じポートに2台接続した方が速くなり、普通の分けて接続した場合の方が、単体で使用したときよりも遅くなる事もある。Intelのi820やi815といったチップセットを搭載するマザーボードで、この様な不可思議な現象が起こるとこがある。もし、単体の時よりも遅いと感じたなら、ハードディスクの接続方法を変えてみよう。
ストライピングでの転送速度は、使用するハードディスクによって異なり、単体で高速なドライブほどRAID0でも高速に、普通くらいのものではそこそこの速度になる。
ミラーリング
ハードディスク容量の巨大化に伴い、バックアップにメディアでは追いつかなくなってきた為に、ハードディスクを用いてバックアップを取ってやろうという考えのもと、利用されたのがRAID1システム。これならば常にハードディスクのコピーが作られ続けているので、1台が壊れても直にもう1台から復旧する事が出来る。現段階では最強のバックアップ方法と言えるだろう。
<Windows2000のソフトウェアRAID>
RAIDカードを使わないRAIDシステム
WindowsNTやWindows2000は、もともとクライアント&サーバー向けのOSであるので、RAIDソフトがおまけとして付属している。Windows2000ProfessionalではRAID0のみ、Windows2000Server以上のバージョンではRAID1,RAID5も利用可能となる。ただしOSが起動していなければ利用出来ない(起動ドライブとしては利用出来ない),デュアルブート環境でWindows98からブートした場合は、作成したRAIDボリュームは認識されない、等の制限が存在する。つまりRAID0ボリュームからの起動は出来ないが、データ編集・保存用ドライブとしては十分に利用できるということだ。
ストライプボリュームの作成
まず、ハードディスクを増設することが第一段階であるが、同じメーカーの同容量ドライブを使用するのが基本である。その次に「ディスク管理」を起動し、ハードディスクをダイナミックディスクへとアップグレードする。それから、未割り当ての部分を右クリックして、「ボリュームの作成」を選択すればよい。もっともウィザードが起動するので、適当に答えていけば初めてでも問題なく出来るだろう。最後にファイルシステムを決めてフォーマットすれば完了だが、ダイナミックドライブにアップグレードしたのだから、FAT32よりもNTFSを使った方が良いだろう。
<SCSI RAID>
SCSI用のハードウェアRAIDカードは多種存在するが、個人で購入出来るものはごく一部であり、全て海外ものである。国産品のハードウェアRAIDカードはOEM供給専用であり、価格は安いものでも\50,000前後はするので、そこにSCSIハードディスクを増設するとなると、相当な費用がかかる為にかなりのマニアでないと、利用する気にはならないだろう。しかもキャッシュ用のメモリを搭載しなくては、本来の性能を発揮出来ない為に、更なる出費を強いられることになる。それでもSCSI
RAIDの快適さは、一度使うと病み付きになるだろう。