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富江
1999年/日本/1時間35分
【キャスト】
菅野美穂
田口トモロヲ
中村麻美
洞口依子
【スタッフ】
監督・脚本:及川中
原作:伊藤潤二
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高校時代の事故で、記憶障害と不眠症に悩む専門学校生。精神科に通う日々に「富江」の恐怖が再び忍び寄る。
殺しても殺しても死なない女の話らしい。マンガが原作らしい。予備知識はこれだけ。で・・・
菅野美穂はえらい。なかなか姿を見せないし、殺しても死ななそう&現実離れしてる&男を狂わせるキャラクターを熱演してる。ゴキブリつかんだりするし。あんまりうまくなさそうな女優さんなんだけど、やっぱりうまい。ちゃんと演じてる。うん。で?この映画は何?ホラーじゃないの?怖いって聞いてたんだけど?
ところどころピクッと怖いところはあるけど、怖がろう怖がろう、としているうちに終わった。しかもいちばんイヤな終わり方で。何かをはっきり暗示して終わる、いわゆる余韻のある終わり方じゃなく、なんのこっちゃわからんまま終わってしまうという終わり方。なんでダイナマイト持ってんだ?殺しても死なんって言ってたのに、やっぱり死んだの?「あなたは私なのよ」って「富江」が乗り移ったってことか?さっぱりわけわからず。
その後「富江」についてのサイトをいくつか見た。原作を読んではいないので、ほんとにそうなのかはわからないけど、どうもこの映画って原作の基本的なところ=「富江のあり方」を、全然感じ取れない作りになってたんじゃないか?という気がする。
過去の事件のお話として何度か殺されているはずの同一人物が存在しているという説明はあるものの、映画の「富江」は、まわりの人間を死に追いやる。自分をバラバラにした人間を殺す&狂わせる。最後に残った専門学生(月子)を探して殺す(乗り移る?)という、加害者的存在として描かれていたとしか感じられなかった。これっておおかたのホラー映画のキャラクターが加害者的だし、それらと比べると全然怖くないキャラクターなので、映画自体面白くも怖くも何ともなかったんだと思うんだけど、原作ではどうやら「富江」は被害者らしい。
というか殺すことが目的ではなく、「殺されること」が目的。しかもできるだけ残虐に殺されることが。ということらしい。これって映画でも触れられてたわりには言いっぱなし的ですっきりしないなぁと思ってたことなんだけど、やっぱり、切り刻まれれば切り刻まれるほど、「富江」の数が増えていく。つまり自らの生殖のために人の心を惑わし、狂わせ、自分を切り刻むように仕向ける、というのが本来の「富江のあり方」らしい。で、これって、相当怖い。
もしほんとに原作と映画で「富江」の描き方が違うとしたら、日本映画=原作を曲解してくだらなくする映画っていう印象がますます強くなるなぁ。「黒い家」しかり「死国」しかり・・・。
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