『オセロの法則』

登場人物

ヤマザキタカシ(14)
ヨシダカズオ(45)

NA(タカシの声)   「両親が離婚して3ヶ月が経った.
           父さんは、良い父親だったけど、良い夫じゃなかった.
           それが離婚の原因だ.
           今どき離婚なんて、よくあることだからって割り切ってはいるけれど、
           やっぱり、ときどきは寂しくなる.
           ボクはいろいろ考えた末、母さんについていくことにした.
           母さんはいつも気丈に振る舞ってはいるけれど、
           ホントは弱い人だから.
           父さんとは、月に1回、第2土曜日に会う約束になっている.
           今日がその約束の日だ.

○公園
(明転)ベンチにタカシが座っている.
カズオがそれを見つけて駆け寄ってくる.

カズオ   「わるい、わるい、遅くなって.
       洗濯とかそうじとかしてたら、出るのおそくなって.」
タカシ   「別にいいよ.」

カズオ、タカシの横に座る.
カズオ   「よいしょっと.」

しばし沈黙.

カズオ   「どうだ、新しい学校は?もうなれたか?」
タカシ   「うん、まあね.」
カズオ   「友だちはできたか?」
タカシ   「うん、前もおんなじこと聞いたよ.」
カズオ   「そ、そうだったか?」
タカシ   「別にいいけど.」
カズオ   「サッカーはやってるのか?クラブには入ったのか?」
タカシ   「うん.」
カズオ   「練習はきついのか?」
タカシ   「前の学校よりはね.」
カズオ   「そうか、で、どうだ、レギュラーにはなれそうか?」
タカシ   「どうかな、みんな上手いからね.」
カズオ   「そうか.」

しばし沈黙.

カズオ、タカシをまじまじと見つめる.

カズオ   「タカシ、また背のびたか?」 タカシ   「どうかな?よくわかんないけど.」
カズオ   「もうじき、父さん追い抜かれそうだな.」

カズオとタカシを挟むように、2人の両脇におすぎとピーコが座る.
おすぎとピーコなにもしゃべらずに前方を直視している.
タカシとカズオ突然おかま言葉で饒舌に.

カズオ   「なによ、あんた.もっと喋りなさいよ、久しぶりに会うんだから.」
タカシ   「おだまり、この子娘.あたしだってもっとしゃべりたいわよ.」
カズオ   「だったら、しゃべりなさいよ.」
タカシ   「照れてるのよ、分かりなさいよ、子供の気持ちくらい.
       それより、なによ、そのシャツ、全然合って無いそのパンツと.
       最悪のコーディネイトね.」
カズオ   「なによ、そこまで言わなくたっていいじゃない、泣いた、3回泣いた.」
以下2人の会話続いていく.
(暗転)




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