**********************************************************************          週刊【外国小説寸評】 第12号          発行日 11月13日 毎週金曜日発行       毎週、筆者が読んだ外国小説を皆様にご紹介します。 ********************************************************************** 皆さん、こんにちは。 今週も2作品を紹介します。 【失われた黄金都市(CONGO)】 ハヤカワ文庫 著 者:マイクル・クライトン(Michael Crichton) 訳 者:平井 イサク(ひらいいさく) 出版社:早川書房 初 版:1990年7月31日 原作は1980年 ---------------------------------------------------------------------- <あらすじ>文庫カバーより引用 コンピューターの能力を飛躍的に向上させる鉱石ブルー・ダイアモンド。その 鉱脈を求めてコンゴの奥地に分けいった調査隊が何者かに全滅させられた。隊 から最後に送られてきた映像には、ゴリラに似た動物の姿と奇妙な建築物の影 が。実はこの地には、繁栄を誇った古代文明の伝説があった。真相を究明すべ く、女性科学者ロスは第二次調査隊を組織、手話のできるゴリラをともない現 地に飛ぶ!ハイテク時代に放つ秘境冒険小説。 ---------------------------------------------------------------------- カバーにある言葉通り「秘境冒険小説」です。 ジュラシック・パークによく似た作品ですね。秘境冒険小説と言えば、イン ディー・ジョーンズを思い出しますが、あの作品はちょっと神懸り的なのに対 しクライトンの作品は、科学技術的裏付というかいわゆるハイテクで味付され ており、理屈っぽい私には具合が良いです。 さて、作品の内容ですが、冒頭では衛星通信設備を備えたハイテク調査隊がコ ンゴの奥地で何者かに全滅させられるというショッキングな場面から始まりま す。このあたりはいかにも映画的ですね。いったい誰が...。どうして..。 で、第二次調査隊が派遣されるわけですが、これがさまざまな災難に遭う、と いうお決りのストーリー展開を見せます。最後にはすべての謎がすっきりと判 明するのですが、読者を最後まで飽きさせない話の進め方はさすがです。 この作品の見所(読みどころ)は、手話のできるゴリラとの会話のシーンでしょ う。手話ができるゴリラは現実に存在するというような話をどこかで見聞した 記憶があるのですが、本作品のように達者に手話をこなすゴリラかどうかは覚 えておりません。いずれにしろ、この手話ができるゴリラがこの作品のキーポ イントになっています。 ---------------------------------------------------------------------- 【サンディエゴの十二時間(BINARY)】 ハヤカワ文庫 著 者:マイクル・クライトン(Michael Crichton) 訳 者:浅倉 久志(あさくらひさし) 出版社:早川書房 初 版:1993年3月31日 原作は1972年 ---------------------------------------------------------------------- <あらすじ>文庫カバーより引用 サンディエゴ、八月。共和党の全国大会が開かれるその地で、大統領の来訪に 会わせて、狂信的極右主義者の大富豪が、恐るべき計画を実行しようとしてい た。決行の時が刻々と迫る中、米国務省の情報調査部員グレーブズは、想像を 絶する計画の全貌を知るが……。 二重三重に仕組まれた大規模な殺戮計画を、彼は阻止できるのか? 悪魔的な狡猾さを備えた男とグレーブズの白熱の頭脳戦を描く、戦慄のタイム リミット・スリラー。 ---------------------------------------------------------------------- テロリズムに関する作品です。 文庫カバーの絵を見てしまえば分ってしまうので、少々ネタを明かしますと、 テロの道具として用いられようとしているのは「毒ガス兵器」です。 原題の「BINARY」から分る方もいらっしゃるでしょうが、「バイナリー・ガス」 タイプと呼ばれる兵器で、2種類のガスを混合させることで毒ガスとしての効 果がある代物です。 原作が書かれた1972年という時代では、毒ガスによるテロリズムという設定は 読者に対して非常な説得力があったのではないでしょうか。 毒ガスを入手する過程、仕掛けられた毒ガスを発見する過程はスリル感に満ち 読んでいてハラハラ、ドキドキします。 原作が発表されてから26年も経つわけですが、いまでも、本当に起りそうな内 容には驚かされます。 文庫で250ページ程度なので、気軽に読んでみるのにいかがでしょうか。 では、また来週、お会いしましょう。 **********************************************************************    週刊【外国小説寸評】 第12号    発行日 11月13日 毎週金曜日発行    発行責任者 塩田 和明 sioda@anet.ne.jp    企画・制作 ハロハロプロダクション *** HP制作中です。 *** **********************************************************************   Copyright(C) 1998 HaloHalo Productions All rights reserved. ----------------------------------------------------------------------