**********************************************************************          週刊【外国小説寸評】 第19号          発行日 1月1日 毎週金曜日発行       毎週、筆者が読んだ外国小説を皆様にご紹介します。 ********************************************************************** 明けましておめでとうございます。 今年も、週間【外国小説寸評】をよろしくお願いいたします。 年末年始のまぐまぐのサーバ停止の関係から昨年末31日発行予定だった第19 を、今回は第20号と一緒に発行させていただきます。 さて、今週も2作品を紹介します。 【刑事コロンボ 消える女(CRIES WOLF)】二見文庫 著 者:W・リンク/R・レビンソン(Richard Levinson & William Link) 訳 者:大崎 航治(おおさきこうじ) 出版社:二見書房 初 版:1992年4月25日 原作は1991年 ---------------------------------------------------------------------- <あらすじ>文庫カバーより引用 ロンドンに出張したまま音信を断った雑誌社の女社長……。失踪か誘拐か? スコットランド・ヤードから捜索依頼を受けたコロンボが、カメラマンの怪し げな行動を探るうち、謎めいた絵葉書が送られてくる。巧妙に仕掛けられた野 望の罠のからくりとは……? これまでの倒叙ミステリのパターンを一新した異色の長編傑作。 ---------------------------------------------------------------------- 今回の被害者はプレイボーイやペントハウスのような男性向け娯楽雑誌を発行 する会社の女社長で、元ヌードモデルのダイアン・ハンター。加害者(犯人)は 同社の副社長兼メイン・カメラマンのディック・グラント。 長年一緒に会社経営やってきた自分を降ろし新たに別のメイン・カメラマンを 迎えるというダイアンの決定に腹を立てたディックはダイアンを……。 ダイアンの英国での失踪に、以前一緒に仕事をしたスコットランドヤードのダー ク刑事部長から捜査以来を受けたコロンボが、ディックを怪しいとにらみいつ ものように追いつめていく...、という筋書なわけではありますが、今回面 白いことに、このいつもの倒叙スタイルとは大きく違っています。 なんと、死んだと思われていたダイアンが舞戻ってきてしまうんですね。 新しく創刊する雑誌の宣伝のために、自ら失踪し、一芝居うったわけです。 コロンボはまんまと騙されてしまいます。 この演出にはなかなか驚かされました。いつものコロンボと思っているとそれ こそ読者もまんまと騙されてしまいます。 そういう意味で、邦題の「消える女」はなかなかうまい題名です。 ---------------------------------------------------------------------- 【刑事コロンボ 大当たりの死(DEATH HITS THE JACKPOT)】二見文庫 著 者:W・リンク/R・レビンソン(Richard Levinson & William Link) 訳 者:朝松 健(あさまつけん) 出版社:二見書房 初 版:1994年2月25日 原作は1994年 ---------------------------------------------------------------------- <あらすじ>文庫カバーより引用 3000万ドルの<ナンバーくじ>を当てたカメラマンがバスルームの浴槽で 溺死していた! 腕時計は八時四分をさして止まり、浴槽の縁にはバスオイル が付着していた。当夜、ハローウィン・パーティーを催していた叔父のもとに かかってきた被害者からの電話……コロンボは宝石商の叔父に不審を抱き、そ の身辺を洗いはじめる−−−。 ---------------------------------------------------------------------- 宝くじ、一度でいいから1等当ってみたいものです。 今回は売れないカメラマンであるフレディがせっかく3000万ドルもの宝く じに当りながら、叔父さんに殺されてしまうというストーリーです。 宝くじに当ったら、たとえ親戚でも話してはいけないという良い例ですね。 今回の話の見所(読み所)は、ラストシーンのコロンボとレオンの対決です。 これといった強力な証拠もないわけですが、コロンボは共犯者と仲間割れする ようにうまく誘導して自供させてしまいます。よくよく冷静に対処すれば、決 定的な証拠は何一つなかったのに、自ら墓穴を掘ってしまったわけです。 さて本編とは関係ありませんが、巻末の訳者あとがきは楽しめました。 いわゆる推理小説の中でコロンボが「正しい父性を持った探偵である」と絶賛 しているわけですが、その理由として、コロンボ以外の名探偵にろくなやつは いないことを挙げています。朝松氏いわく「ホームズはコカイン中毒。明智小 五郎は推理おたく。カート・キャノンにいたってはただのアル中だ。エラリー ・クイーンはファザー・コンプレックスだし、ポアロなどは詐話症のケがある」 とのご指摘。あははは。言われてみればそうだなと思い思わず納得。 では、また来週、お会いしましょう。 **********************************************************************    週刊【外国小説寸評】 第19号    発行日 1月1日 毎週金曜日発行    発行責任者 塩田 和明 sioda@anet.ne.jp    企画・制作 ハロハロプロダクション 週間【外国小説寸評】ホームページ http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/3407/index.html **********************************************************************   Copyright(C) 1998 HaloHalo Productions All rights reserved. ----------------------------------------------------------------------