**********************************************************************          週刊【外国小説寸評】 第3号          発行日 9月11日 毎週金曜日発行       毎週、筆者が読んだ外国小説を皆様にご紹介します。 ********************************************************************** 皆さん、こんにちは。 今週も2作品ご紹介します。 【ユニバーサル・ソルジャー】 二見文庫 著 者:ロバート・タインー 訳 者:小林 宏明(こばやしひろあき) 出版社:二見書房 初 版:1992年11月15日 ---------------------------------------------------------------------- <あらすじ>文庫カバーより引用 凶悪なテロリストが観光客を人質にとり仲間の釈放を求めるという事件が発 生するが、突如現われた特殊部隊がまたたく間に事件を解決する。隊員の中に、 20数年前にベトナムで戦死したはずのリュックとスコットの姿があった。彼ら は最新の科学によってすべての感情と記憶を消され、究極の戦士として蘇生さ せられたのだ。TVリポーターのベロニカはこの特殊部隊を追うが、逆に捕ら えられる。スコットが彼女に銃を向けた時、記憶の断片がリュックに蘇った…。 ---------------------------------------------------------------------- 映画をご覧になった方も多いと思います。 良くも悪くも映画のための作品ですね。 良い点は、本来映画としてリリースされた作品の文庫本ということで、内容が わかりやすく話のテンポも良いというところでしょうか。 悪い点は、SF作品としては死亡した人間を蘇生させる技術や戦闘後の損傷の 修復技術等いわゆる科学技術面の納得できる解説が無い点です。 「もしかしたら近い将来可能になるかも知れない」「いや、今の科学技術力を もってすれば、あっておかしくはない」と読者に思わせるいわゆる「うんちく」 が無いのが非常に残念です。 映画では上映時間等の制限もあるし、映像の説得力で無理矢理観客を引き込ん でしまうことも可能ですが、せめて文庫本は、その「うんちく」を盛り込んで 欲しかったですね。 作品の内容自体は特に目新しいものはありませんが、映画を見ていない人であ れば、割とすぐハマってしまうかも知れません。 映画化された作品ですからストーリーはよく練られています。 ラストはなかなかの感動モノです。気軽に読むことができる一冊ですね。 ---------------------------------------------------------------------- 【依頼人】上下巻 新潮文庫 著 者:ジョン・グリシャム 訳 者:白石 朗(しらいしろう) 出版社:新潮社 初 版:平成7年12月1日 ---------------------------------------------------------------------- <あらすじ>文庫カバーより引用 少年の名はマーク、11歳。その日彼は弟のリッキーをつれてタバコを吸うた めに森へ行き、一人の男の自殺に遭遇してしまう。自殺した男は上院議員殺害 の嫌疑がかけられているマフィアの弁護士で、死のまぎわ恐るべき秘密情報を マークに打ち明けた。秘密をしゃべったら自分も殺される。たった1ドルで弁 護を引き受けてくれた女弁護士レジーとともに、彼は巨大な権力に追われ始め た……。 ---------------------------------------------------------------------- 「ペリカン文書」のジョン・グリシャムの作品です。 タイトルから勝手に「法廷モノ」と判断したのは誤りでした。 法廷の生々しい質問や発言を期待していたのですが....。 犯罪者がマフィアの人間で、その犯罪を一般人が証人として証言すると、いつ か必ずマフィアから復讐される...、だから証言するわけにはいかない、とい うマフィアの恐ろしさをひしひしと感じさせられる問題作ですね。 この作品を読めばわかることですが、米国では証言者をマフィア等の復讐から 守る「保護プログラム」という制度があります。犯罪者の関係者からの圧力を 避けるために証言者が住所はもとより、氏名やその他もろもろを変更する制度 ですね。だからと言って100%安心できるわけではありません。いつかマフィ アは証言者を見つけ、復讐を果たすのです。だから、そういう方々は常に、マ フィアからの復讐を恐れながらみじめな生活を送らざるを得ないわけです。 一方で、FBIはなんとかして証言をさせようと証人をせっつきます。 証言を行わないと「大変なことになる」と証人を脅迫するのです。 この作品はそういった両者の板挟みに遭っている主人公の少年をうまく立ち回 らせています。 とにかくストーリーが面白い。コレはお勧めです。 **********************************************************************    週刊【外国小説寸評】 第3号    発行日 9月11日 毎週金曜日発行    発行責任者 塩田 和明 sioda@anet.ne.jp    企画・制作 ハロハロプロダクション *** ただいまHP制作中です。 *** **********************************************************************   Copyright(C) 1998 HaloHalo Productions All rights reserved. ----------------------------------------------------------------------