**********************************************************************          週刊【外国小説寸評】 第8号          発行日 10月16日 毎週金曜日発行       毎週、筆者が読んだ外国小説を皆様にご紹介します。 ********************************************************************** 皆さん、こんにちは。 今週は潜水艦モノ2作品を紹介します。 【幽霊潜水艦浮上す(GHOSTBOAT)】 二見文庫 著 者:ジョージ・E・シンプソン、ニール・R・バーガー (George E.Simpson & Neal R.Burger) 訳 者:山根 和郎(やまねかぞろう) 出版社:二見書房 初 版:昭和62年8月25日 ---------------------------------------------------------------------- <あらすじ>文庫カバーより引用 第二次大戦中に日本近海で消息を絶った米海軍潜水艦『キャンドルフィッシュ』 が、30年後、ハワイ沖に突如浮上した。同艦は、30年もの長い間海底に沈んで いたとはおもえないほど新しく、しかも、乗組員の死体はどこにも見当たらな い! 同艦に何が起きたのか? なぜ、30年を経て浮上したのか? 乗組員はどこに消えたのか? これらの謎を 解決すべく、米海軍は、30年前の『キャンドルフィッシュ』の航海を再現する 決定を下した! ---------------------------------------------------------------------- 普通、潜水艦関係の小説というと、ナチスドイツのUボートを連想しがちです が、これは米海軍の潜水艦の話です。 文庫カバーのあらすじと、物語の最初の方を少し立ち読みして、単なるホラー 小説ではなく、それなりにスジの通った内容と判断し購入しました。 第二次大戦中に消息を絶った潜水艦が30年後、ハワイ沖に突如浮上した。艦体 は30年も海底に沈んでいたとはおもえないほど新しく、しかも乗組員の死体は どこにも見当らない。 このプロットはなかなか興味深く、物語が進むにつれこれらの謎に対する科学 的な説明がなされて、最後には「なるほど」と納得できるものと期待していま した。ところが、謎は謎のまま小説は終ってしまいました(笑)。ミステリーが ミステリーのまま終ってしまう手法はこの作品に限りませんが、私個人として は、こういうのは苦手です。 この作品の読みどころは、潜水艦という閉鎖空間の中での人間関係の描写でしょ う。なかなかリアルであり、楽しめました。 プロットが興味深かっただけに、謎について、説得力のある科学的考察がなさ れなかったことが残念です。 ---------------------------------------------------------------------- 【海底のUボート基地(WRECKERS MUST BREATHE)】ハヤカワ文庫 著 者:ハモンド・イネス(Hammond Innes) 訳 者:沢川 進(さわかわすすむ) 出版社:早川書房 初 版:昭和49年1月31日 原書は1940年 ---------------------------------------------------------------------- <あらすじ>文庫カバーより引用 ドイツ軍がポーランドに侵攻する頃、新聞記者クレイグは休暇で英国南部のコー ンウォール半島を訪れた。いつに変わらぬ美しい大自然に囲まれたこの地も、 しかし戦争を免れることはできなかった。 ある夜、Uボートが沿岸に現われ、スパイを上陸させたのだ。これを知ったク レイグは漁師ローガンと協力、妨害工作を企てる。が、発見されて囚われの身 に。 そして二人が拉致された先は、海中の洞窟に極秘裏に建造された巨大なドイツ 潜水艦基地だった! 厳重な監視下で重労働を強制されつつも、基地壊滅を図 る男達−−巨匠初期の傑作冒険アクション! ---------------------------------------------------------------------- これはわかりやすい邦題の例です。 原題を直訳すれば、「船を沈めるものたちが休むべき場所」となるのでしょう か?これだと本は売れないと思います(笑)。 本書の邦題は、物語の内容を的確に表現している、うまい題名だと思います。 私の記憶に間違いがなければ、この作品は映画化されていたと思います。 クレジットを見ると1940年ということから、まさしく第二次大戦中に書かれた 作品であることがわかります。そのためか、当時の生活の描写等のシーンは無 理がなく、読手を第二次大戦中の世界へと引き込んでいきます。 内容的には、いわゆる「冒険小説」で、わかりやすく、スリリングで、楽しく 一気に最後まで読ませてしまう素晴らしい作品です。 同じ時期の作家、アリステア・マクリーンに通じるものがあると感じました。 これは、文句なしにお勧めです。 では、また来週、お会いしましょう。 **********************************************************************    週刊【外国小説寸評】 第8号    発行日 10月16日 毎週金曜日発行    発行責任者 塩田 和明 sioda@anet.ne.jp    企画・制作 ハロハロプロダクション *** HP制作中です。 *** **********************************************************************   Copyright(C) 1998 HaloHalo Productions All rights reserved. ----------------------------------------------------------------------