「ボーン・コレクター」
THE BONE COLLECTOR(’99年・米)

監督:フィリップ・ノイス
脚本:ジェレミー・アイアコン
製作:マーティン・プレグマン ルイス・A・ストローラー マイケル・ブレグマン
原作:ジェフリー・ディーヴァー「ホーン・コレクター」文藝春秋刊
撮影:ディーン・セムラー A.C.S.,A.S.C.
美術:ナイジェル・フェルプス
編集:ウィリアム・ホイ
製作総指揮:マイケル・クローウィッター ダン・ジンクス
製作補:ホー・ディエトル
衣裳デザイナー:オデット・ガドーリー
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:デンセル・ワシントン アンジェリーナ・ジョリー クイーン・ラティファ マイケル・ルーカー マイク・マッグローン ルイス・ガスマン リーランド・オーサー エド・オニール

2000年4月4日試写@道新ホール
 ニューヨークである不動産王夫妻が虐殺される事件が起きた。犯人はメッセージとも取れる証拠を残す。ニューヨーク市警察は科学捜査の天才リンカーン・ライムに調査を依頼するが彼は過去の事故で身体の自由を奪われていた。ライムは初めの殺人事件を鑑識した警官・アメリアの手腕を買い、彼女を自分の分身として殺人現場に向かわせる。次々と起きる殺人事件。果たして犯人の目的とは・・・。

 犯人の手口は陰惨で容赦なし。しかし、残酷的な描写はそれ程多くはなく(と言っても隣に座った女性は顔を覆った指の間から観ていたが)、ミステリーの面白さもあるのでビジュアル先行の「セブン」よりも「羊達の沈黙」と比較されることの方が多いのではないだろうかと思う。主に謎を解く人物となるのが身動きのとれない、いわゆる安楽椅子探偵であることも似ている。

 監督は「今そこにある危機」や「パトリオット・ゲーム」のフィリップ・ノイス。この「ボーン・コレクター」でも手堅く繊細な演出を見せる。緩急の付け方や畳み掛けるようなストーリーテリングが匠の技を感じさせるが、これはつまり誰が観てもそこそこは楽しめるに違いないが、感銘を受けるほどのインパクトは期待しない方が良いということと同意義だったりする。デンゼル・ワシントン演じる主人公が身動きがとれないのが一番の特徴だが、これは実際に映画を撮ることを考えた場合非常に損な設定だ。観客はやはり肩で風切るデンゼルを観たいのである。そこを逆手に取れば”傑作”の称号を得られたかも知れない。主人公は体の自由が利かないが、良い友人とハイテク機器に囲まれており傍目には幸せそうに見えてしっまている。主人公が発作で正気を失うことを恐れ、安楽死を望んだところで甘えているようにしか見えないのだ。主人公の苦悩は匂わす程度にしておいて犯人との対決をもっと前面に押し出した方が良かったかもしれない。ヒロインとの恋愛を絡めた演出もやや表面的で納得がいかない。

 張り巡らされた伏線や推理の魅力は無いが何よりテンポが良いのでストレス無く楽しめる。日本での公開までまだ先のことになるだろう「17才のカルテ(Girl,interrupted)」でアカデミー助演女優賞を受賞したアンジェリーナ・ジョリーをチェックしておくのも良いかもしれない。   

 

感動      
手に汗
テンポ
それ以外      

総合:80

つ て な に ぬ ね の