監督:ジョン・カサヴェテス 2000年3月6日@蠍座 つい最近シャロン・ストーン主演でリメイクされたことでも有名な映画。リメイク版は観ていないのだけどジーナ・ローランズに近そうなシャロン・ストーンのキャスティングは割と正しいのではないかなぁと思います。あまり良い評価は聞きませんが。さて、この「グロリア」ですが簡単に言うと「レオン」の男女逆転版です。二作品を比較してみると面白いかもしれません。「レオン」の少女と中年男という組み合わせは直接的な描写は無いとはいえ、セクシャルな匂いを感じさせるもので父性愛というよりはむしろロリータ的な愛が大きくクローズアップされていたように思います。悲劇的なラストも実に「ロリータ」的でした。それに比較して「グロリア」で扱われるのは強力な母性愛。グロリアが「あたしはバーで一杯やってくるからあんたはついてくるかどうか自分で決めな」とフィルを突き放し、なかなかやってこないフィルを自分から探しに行ってしまうところはこの映画で私が一番好きなシーンなのですが、レオンが少女を助けに麻薬捜査局に乗り込むシーンが明らかに恋人を助ける一人の男を描いたのに対し、「グロリア」では母親が子供を必死で守ろうとする本能的な力強さを感じます。極めて動物的な、だからこそ感動的な物語であると言えるでしょう。 そしてジーナ・ローランズの迫力が凄い。目の下の皺が格好良く見える女優なんてそうはいない。挑発的な言葉を男にぶつけながら股を広げて拳銃を撃つ姿なんてまさに極道の妻。銃を抜いた瞬間にぶっ放してるなんて素敵にリアルです。ウンガロによる衣装も面白い。あのスーツケースにそんなに入るの?と思ったりもするが格好良いんだから仕方がない。和服調の服が多かったが、全部スカートっていうのが良いね。「女は捨ててないぞ」ってところが。これがサンドラ・ブロックなんかだとパンツルックになっちゃって男勝りというより男が主役やっても変わらないじゃんってことになる。美しく、力強く、っていうところが現代にも通じるところかも知れない。子役の男の子のシャツはジャクソン5みたいで可愛いです。この子はただ立ってるだけって気がしないこともないがそこが小動物みたいで母性本能をくすぐるのかも。
総合:88点 |