「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」
  For Love Of The Game(99年・米)

監督:サム・ライミ
脚色:ダナ・スティーブンス
製作:アームヤン・バーンステイン、エイミー・ロビンソン
撮影:ジョン・ベイリー
編集:エリック・L・ビーソン、アーサー・コパーン
衣装:ジュディアナ・マコフスキー
音楽:バジル・ホールドゥリス
原作:マイケル・シャーラ
出演:ケビン・コスナー ケリー・プレストン ジョン・C・ライリー ジェナ・マロ一ン ブライアン・コックス

00年2月11日@札幌ピカデリー1
 かつての大投手ビリー・チャペル(ケビン・コスナー)も今や引退を囁かれる40才のベテラン。チームの身売り話と自身のトレード騒ぎの中、彼は万感の思いを秘めて先発のマウンドに立つ。彼の胸に去来するのはこれまで野球と恋人に捧げてきた愛のモノローグであった。監督は
「シンプル・プラン」で新境地を切り開いたサム・ライミ。

 ケビン・コスナーと野球と言えば誰でも思い出すのが「フィールド・オブ・ドリームス」。アメリカの国技であるベースボールを題材に父と息子の愛情も絡めつつ、野球ファンの涙腺を刺激する伝説のプレイヤーを登場させるまさにアメリカな映画であった。この「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」の冒頭でも投手ビリー・チャペル誕生の影に笑顔でキャッチボールに興じる父親や息子の試合には必ず顔を見せる母親の姿が映し出される。

 中盤までは抜群に面白い。ケビン・コスナーとキャッチャー役のジョン・C・ライリーとのやりとりは二人の間に野球部の仲間のような空気が感じられるほど親密で小気味よい。試合におけるキー・プレイヤーに関しては抜け目無くエピソードが挿入され、それもいちいち粋なのである。そして意外にも日本人に受けそうな、しかしメジャーリーグでありがちなストレート勝負だ野球人生(浪花節)が展開するあたり、「う〜ん、憎いお方!」と彼がケビン・コスナーだということも忘れてしまうくらい主人公ビリー・チャペルが憎いアンちくしょうなのだ。「野球」に関して言えば非の付け所がないほど素晴らしい出来である。かつて投手の剛速球ではなくバント処理のフィールディングをリピートして見せる野球ドラマがあっただろうか。そしてそのシーンはビリー・チャペルが40才まで現役でいられたことの証明でもあり、決して無駄なシーンというわけではないのだ。

 あまりに良くできている野球のシーンは最後のクライマックスまで緊張感を持続させるが、恋愛部分にかんしては中盤から急にだれ始める。冒頭ですでに主人公と恋人がうまくいっていないのは分かっているがあまりに長々と痴話喧嘩が続くのでもういい加減にしてくれという気持ちになってくる。これは例えて言うならば優勝のかかった巨人戦を真剣に観ているところを9時のドラマがあるからと言って無理矢理チャンネルを変えられるのに似ている。そしてそのドラマは「家政婦は見た」シリーズなのである。ラストが知れているドラマなんてどうでもいいから早く野球の続きを見せてくれ・・・・・・何度そう思ったことか。

 スポーツと恋愛の比重を間違えたせいでどうにもおさまりの悪い印象の映画になってしまった。

感動
スポ魂
ラブ        

総合:66

つ て な に ぬ
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