「スペーストラベラーズ」
(2000年・日本)

監督:本広克行
プロデューサー:臼井祐詞 近藤正岳 堀部徹
編集:田口拓也
撮影:藤石修
脚本:岡田恵和
原作:「ジョビジョバ大ピンチ」
音楽:松本晃彦
美術:大石謙介
出演:金城武 深津絵里 安藤政信 池内博之 濱田雅功 渡部謙 筧利夫 鈴木砂羽 甲本雅祐 武野功雄 中山仁 ガッツ石松 大杉漣

2000年4月4日試写@道新ホール
 孤児院で育った三人の若い男。彼らは夢の実現のためにコスモ銀行を襲う計画を実行する。首尾良く金庫に辿り着き、5分でトンズラするはずだったが、あっと言う間に警察に取り囲まれる。

 結果から言うと「この映画は失敗作だ」と言い切ってしまおう。やりたいことは分かる。初めのうちは笑わせて、最後にはちょっと泣かせてみましょうホトトギスなのだろう。しかし、こんな出来では観客を失望させるのがオチだ。前半の登場人物が次々に現れては強烈な印象を残していくところは導入部としては完璧。雑然とした警察署内でのやりとりがスピーディーで気の利いていたドラマ「踊る代捜査線」を思い出させる。配役も問題ないしキャラクター設定はこれからの展開に期待を持たせるだけの面白さがある。しかし、この期待は劇中で登場するアニメ「スペーストラベラーズ」になぞって人質と犯人グループが共謀しはじめる中盤以降は持続しない。

 あれだけ個性的だった登場人物が思うように動いてくれないのだ。展開は場当たり的で面白味に欠けるし、それぞれの登場人物にそれなりの見せ場は用意してあるものの、全員の思惑が絡み合っていくようなサスペンスフルな魅力は見せてくれない。ダウンタウンの浜ちゃんはきっと何かしでかすに違いないと思ったらいなくても良い役だし、警察側の描き方も紋切り型でつまらん。犯人達は相当に追い詰められているはずなのにまるで現実味が無く、緊張感が皆無だ。これをアニメ世代の若者にみる現実逃避癖だとしているなら余りにもお粗末で表面的すぎる。金城武演じる強盗のリーダーからは狂気がまるで感じられないのだ。

 これが三谷幸喜だったらどんなに面白い作品に仕上がっただろう。ネタバレは総合点の下で。

 *追記 舞台挨拶について
今回の試写会では札幌にしては珍しく舞台挨拶がありました。プロデューサー、本広監督、深津絵里さん、池内博之さんが来てました。挨拶は映画の後にあることになっていたのですが会場からは終幕後に一つの拍手もなく「こりゃあ北海道の印象を悪くするだろうなぁ」と思っていたらやっぱりプロデューサー氏からつっこまれる局アナが所在なさげでハラハラしてしまった。本広監督は黒い長袖のTシャツの右袖を終始左手で上下させていて緊張しているご様子。これからも結果は気にせず作品を乱発していく予定だそうです。こういう娯楽作品が健全にヒットしてくれれば日本映画界も盛り上がるだろうと思いますが、また映画館に行こうと思わせるような質の高い作品が無いのも事実。次回作は頑張ってください。深津さんは「I LOVE(ハートの絵) NY」のTシャツ(最近やたら見かけるけど流行ってるのか?)と薄ピンクのロングスカート、ピンクの靴下で登場。見た目はテレビのまんまでその辺にいそうと思えなくもないが、声が可愛いですな。エンジェル・ヴォイス。池内君はまだ寒いのに半袖の茶系ポロシャツと茶系のチノパンのような恰好でした。顔がメチャ小さいです。一体、何等身なんでしょうか。手足が長くて「こんな日本人もいるんだねぇ」という美男子ぶりです。映画の中のセリフより沢山喋っておられました。

 わざわざ札幌まで来ていただいて申し訳ないですが点数は酷評ということで。ごめんなさい。他人にも薦めません。ごめんなさい。嗚呼、本人達と近くなってしまうと正直な意見もはばかられますね。もう書いちゃいましたけど。  

 

感動      
脚本      
アイディア

総合:52

 これは初めから気になっていたんだけど、強盗たるもの警察に取り囲まれたら窓際に立ってはいけません。あー、絶対誰か撃たれるんだろうなぁと思ったら案の定やられちゃいましたね。渡部謙も国際的なテロリストならそれくらいの基本は教えてあげなくちゃだめだよ。この映画の渡部謙の役どころってどこかで観たなぁと思ったら「アルビノ・アリゲーター」に良く似てますねぇ。

な に ぬ
 A〜Z