監督:ルパート・ウェインライト 2000年6月9日@東宝プラザ 題名から既に宗教色が強いことは分かりますがキリスト教のことは特に知らなくても問題はない(知っていればもっと楽しめるかもしれないが)。冒頭での「つかみ」は作品の展開が実に楽しみになるようなワクワクさせるものだ。南米の奥地で一人の神父の葬式が執り行われ、マリア像は血の涙を流している。それを報告するアンドリュー神父にバチカンからは「そんな教会は存在しない」とはねつける。そして死んだ神父の身に付けていたロザリオを偶然手に入れたニューヨークの女性に聖痕があらわれる・・・。どうです?面白そうでしょう?探偵役とも言える神父は科学者でもあるというユニークな設定で、さらに演じるのはガブリエル・バーンだから期待がもてる。だけど、どうしてこんなに平凡な映画になったんだろうなぁ。残念だ。 まず、この映画は「ホラー」という括りになっていたはずなんだけども全然恐くない。パトリシア・アークエットは文字通り目の色を変えて頑張っているのだが、明確な「敵」というものがいないというかそもそも何かと戦うわけではないので訳もなくしばかれるヒロインがひたすら可哀想なだけだ。そしてこのヒロイン、初めは無神論者なんだけどあっと言う間に聖痕を信じる。そりゃあまぁ、あんな目にあったわけだから心変わりも分かるけどもう少しゆっくり内面の変化を見せて欲しい。女性が赤ん坊を道路に捨て、それを見たヒロインが駆けつけるシーンはスタイリッシュで興奮したが、そのショッキングな映像がヒロインに影響したかというとそうはならない。結局最後まで何も変わっていないというかただ振り回されただけ。どうせなら序盤でもっと無軌道な女という設定にしてしまえば良かったのに。 アンドリュー神父は元科学者という設定だが何故神父になったのかという答えも陳腐でつまらない。神を信じていながらでも科学は出来るし、やっている人は大勢いる。この映画で描かれているバチカンがリアルなのかどうかは分からないが、その閉鎖性や神父がハイテク機器を使っているのは面白かった。
総合:45点 |