あん餅雑煮

 讃岐の正月は何と言ってもあん餅雑煮。他県の人が聞いたら気持ち悪がることでしょう。
 餅は本来丸い物です。関東(およそ関ヶ原から東)では四角く延ばして切った角餅が主流ですが,それでも雑煮にするときは焼いて丸みを付けます。
 さて,讃岐の餅について。正月が近づくと,各家庭で餅つきをします。だいたい28か30日ですが,辰の日と巳の日には避けます。讃岐では12月最初の辰巳の日を新仏の正月として,死者のあった家で餅をつく慣わしがあり,死者の日とされるからです。また,9のつく日は「くもち」といってこれも避けます。
 讃岐の餅はあんこを入れますから当然丸餅です。今では砂糖が主流ですが,塩味のあんを入れる家もあります。昔,綿・塩・砂糖を讃岐三白といい,讃岐の特産品でした。今でこそ砂糖は白い物ですが,江戸時代で白い砂糖を作っていたのは讃岐だけでした。当然,藩の厳しい監視下に置かれ,農民は作るだけでなかなか口にすることはできません。せめて正月の餅ぐらいは…ということで,あんこの中に隠しました。それでも役人は検査にやって来ます。その時,役人には塩あんの入った餅を差し出し,「贅沢はしておりません」と,言い逃れをするために作ったと言われています。
 だんだん餅つきをする家庭も減り,あん餅雑煮を知らない子供も増えてきていますが,まだまだ讃岐の伝統は残りそうです。

雑煮の
バリエーション
白味噌 あん入
塩あん
丸もち
赤味噌 塩あん
丸もち
すまし 丸もち

あん餅の食べ方