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アコギに魅せられた男
歌とギターの融合が聴けるCD

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アコギに魅せられた男「山崎 まさよし」

いつ頃ギターを始めたんですか?
僕ね、ブルースを聴き始めたんが18歳くらいだったんですよ。それまではずっとドラムで。フォーク・ギターはその前から持ってて簡単なコード程度は弾けたんですけど、細かいことを気にするようになったのは、やっぱりブルース聴くようになってからでしたね。
最初からアコースティックだったんですか?
うん、やっぱりエレキよりアコースティックでしたね。その頃はピック・ギターで練習してたんです。ピック・ギターっていうと、なんかミシシッピ・デルタ・スタイルとかラグタイムとか、その辺の感じがして。そういうギター1本でリズムとりながらメロディも弾けるようなスタイルが好きでしたね。バンド・サウンドよりもギター1本で事足りてしまうみたいな。
そもそもブルースに入ったきっかけは?
隣町にブギ・ハウスっていうブルース系のライブハウスがありまして。ライブもやるし、置いてあるレコードもブルースばっかりっていう。そこでマスターに初めてライトニン・ホプキンスのレコードをダビングしてもらって、これが一番のきっかけでしたね。それで僕もこのライブハウスでやりたくて、そうするとブルースも勉強せにゃいかんしってことで(笑)。で、だんだん没頭していったんですわ。
そのライトニンのレコードは覚えてますか?
何だっけ・・・。「ホワッド・アイ・セイ」をやってるんですよ。ほとんどギターとドラムだけのアルバムで。凄かったですよ。だって、ベースないんだもん(笑)。でもああいうギタースタイルだとベースなんかいらないですよね。そういう確立されたスタイルがすごく格好良いものに思えて。あの時代なんて、機材も今より少ないはずじゃないですか。でも何とかでかい音だそうとして、エレキのピックアップをサウンドホールにカマしてみたり、そういういろんな工夫の手作り感もいいなぁって。
ビッグ・ジョー・ウィリアムスなんか、自分で9弦ギター作っちゃいましたもんね。
そうですよね。滅茶苦茶ブサイクなギターやったけど。あれチューニングどうなってたんでしょうねぇ(笑)。
ライトニン以降はどの辺に行きました?
僕の時代だと、だんだんブルースのレコードがCD化されていく時で、例えばマジック・サムの幻のライブ盤とかもCDで買えるようになってるわけですよ。どんな人かも分からずにそういうアルバムを買ってました(笑)。
◆ブルースを聴いて以降、本格的にギターの練習も始めたわけですが、当時はどんな練習を?
もう・・・暗かったですよ(笑)。家でレコードをコピーしたり。でもまぁノリでやってましたけどね。基本的に練習は嫌いなんですよ。指のトレーニングとかそういうのダメなんです。でもずっと弾いてると、ある時から自分なりの解釈になってくる。そもそもギターっていう楽器は、もちろんスタンダードな形とかチューニングはあるけど、みんながいろんなスタイルで弾くっていう個性のおかげで今まで生き残ってきた楽器だと思うんですよ。だから僕もある時から、自分のやりたい方向を自分で導いていけたような気がしてますね。

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◆そう思えたのはいつ頃ですか?
自分で歌うようになってからです。歌とギターの関係性っていうか、ギターがあって歌があり、歌があってギターがあるっていうことを考えるようになった。つまりギターと歌のアンサンブル。ブルースってそういうとこあるんですよ。自分で「なんとかだよー」って歌ったら、ギターが「ギャギャギャ」って来る。自分の中でコール&レスポンスが成立している感じ。それはもう他には何もいらんなぁって考えるようになりましたね、僕の場合は。
◆他にどの辺のブルースマンが好きでした?
まあロバジョンはありますわなぁ。あとはブラインド・ボーイ・フラーとか。あれがまたうまいんですわ。基本的に盲目系はうまい。
◆シカゴ方面のエレキ・ブルースは?
好きでしたよ。自分では手っ取り早いからアコギ1本でやってたけどね。マジック・サムなんか凄いんちゃう?あとはオーティス・ラッシュとかバディ・ガイとか。
◆ただ山崎さん自身はあまりエレキ・ギターは弾かないですよね?
レコーディングでは弾きますけど、普段はあんま弾かんですね。なんかエレキ・ギターとアンプの関係性がイマイチよく把握できないんですよ。マシンが苦手だからアンプをゴチャゴチャいじれない。その点アコギは出てきた方を直接自分がモニターできるから。
◆ところでその後、どのようにプロ・ミュージシャンになっていくんですか?
プロっていうのは全然考えてなかったんですよ。とりあえず21歳になる前に上京しまして、自分でライブハウス回ったりしてて。あとはバイトしながらスタジオの仕事が来ればそれもやるっていう生活でしたね。やっぱりギターうまくなりたいから仕事があればやってたし、その中でいろんな事を学んでいって、いつの間にかプロになっていた感じ。でも上京前はブルースひと筋みたいなところがあったから、こっち来てからは大変でしたよ(笑)。
◆持っていたギターは?
まだドラムの頃に持ってたのがヤマハのフォークギターでしたね。それからタカミネとかフェンダー・ジャパンのストラト買ってみたり。それで上京して。ちゃんとレコーディングするっていうんで、57年製ギブソンJ−45を買いまして。無茶苦茶いい音しましたね。今でもレコーディングはこれがメイン。でもだんだんライブっていうことになってくると、音量の問題もあって、ピックアップ付けるためにボディに穴を開けなきゃいけないと。でもそれはヤダって言って、もう1本J−45を手に入れました(笑)こっちは59年製ですけど、エレアコ仕様にしてライブではメインになっています。
◆最後に若い読者にひと言お願いします。
やっぱりギターは自由な楽器だと思うし、どっかからか自分だけの解釈を持つのが大切やと思いますね。例えば僕はDコードの押さえ方が普通の人とは違うんですよ。2弦薬指は普通だけど、1弦が人差指で3弦が中指。こうすると人差指をずらすだけでDmにいけるんです。でもこれはこれでええなぁと思うんです。

Guitar magazine 1997年10月号「Massage from pro guitarist」より

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山崎 まさよしが贈る
歌とギターの融合が聴けるCD

ジョニ・ミッチェル ポール・サイモン
「ブルー」 「ひとりごと」
WEA 20P2-2119 WEA WPCP-3971
ジョニ・ミッチェルのアコースティックギターが好きなんですよ。あのオープンコードをどうやって押さえてるか分からないところがね。すごく変態チックなことやってますよね。あと、ボーカリストのせいか、ギタープレイにもメロディの自由さがある。あのピグモンみたいな顔は怖いけど(笑)。ここら辺の女性ギターリストの中では一番ギターうまいんとちゃいます? この人ジャズもクラシックもやってるから、特にフィンガリングのテクニックが凄いんですよ。ただうまいんだけど、ちゃんとボーカルとギターの関連性も考えてる。たくさん名演がありますけど、特にクラシック調のギターインストなんかどうやって弾いてるのかわからないですよ。僕も昔、コピーしようと思ったけど、途中でやめましたね(笑)。
スライ&ザ・ファミリー・ストーン サン・ハウス
「アンソロジー」 「ファーザー・オブ・ザ・デルタ・ブルース」
EPICソニー ESCA-7633 ソニー SRCS-5958〜9
もう「カッコイイ」のひと言。ノレる。染みる。全部好きだからオリジナルアルバム選べなくてベストにしました。スライの妙なワウをかけたギタープレイがまたいいんですよね。僕ね、けっこう昔からファンクはよく聴いてるんですよ。あの鋭いファンクのギター・カッティングをアコースティックでできたらいいなっていうのはずっと考えてますね。 凄いっすよ。何考えてんだって感じですよ。あのロバート・ジョンソンにギター教えた世代ですもんね。聞くところによると、この人もともとは教会のゴスペル関係の人で、歌詞も「JUDGEMENT DAY!」とかそういうことを歌ってるらしいですね。あとはドブロの音色とか凄い音してて、さらにチョッパーまでやる。おいおい、弦切れるって(笑)。
キャロル・キング ニール・ヤング
「つづれおり」 「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」
EPICソニー ESCA-7614 WEA 20P2-2092
これはもう名盤ですね。曲がすばらしいです。僕もこういう曲作りたいとは考えています。これは18歳とかそのくらいの早い時期に聴いてましたね。まあ、この人はシンガー・ソングライターやから、今回のラインナップの中ではちょっと異色ですけど、メロディの素晴らしさとあの独特の声はぜひ聴いてもらいたい。あの艶の感じは白人の声とは思えませんね。 ニール・ヤングは弾かなくてもいいのに、どうしてもエレキギター・ソロを弾きたがってしまう感じがいいですね。(笑)。マーティンだと思うんだけど、この時代のアコースティックギターの音なんかも凄くいい。あとはボーカルですよ。あの声あってのギターだと思うし、逆にギター弾いてないとあのボーカルにはなり得ない。とにかく存在自体が好きですね。

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ポール&リンダ・マッカートニー キザイア・ジョーンズ
「ラム」 「ブルーファンク・イズ・ア・ファクト!」
東芝EMI TOCP-3125 東芝EMI VJCP-28104
ポール・マッカートニーはドラムもピアノもギターも、もちろんベースもとにかく楽器がうまい。何でもできる人ですよね。でもその中で僕が考える彼のフェイバリット楽器がギターです。ただ「凄えな」って聴いてます。このアルバムは全体を通して面白いんですよ。すごくよく練られていて、構成がしっかりしてる。あとウィングス時代のバンド・サウンドも好きですね。 よくこんなことやりまんなっていう(笑)。手、痛くない?って感じで。最初聴いた時には「メチャ格好良いな」ってびっくりしましたね。凄いファンクギタリストだと思います。曲がワンコードだったりするのもブルース好きな僕にはいい感じ。あとはファンクだったらやっぱりジェイムス・ブラウンが好きですね。え、今度来るんですか!? うわー。(インタビュー時)
エリック・クラプトン ビッグ・ビル・ブルーンジー
「安息の地を求めて」 「ファーザー・オブ・シカゴ・ブルースギター」
ポリドール POCP-2276 P-VINE PCD-2804
クリーム時代からずっとクラプトンは好きだったんですけど、中でもこのソロアルバムがすごく好きでしたね。まず曲がいいし、声の感じも好きです。ああ、のんびりやってるなぁっていう。ただやっぱりクリーム時代のクラプトンは凄かったですよ。今のクラプトンにトリオで同じ音だせって言っても無理ちゃいますか。最近のクラプトンですか?・・・普通(笑)。 もうお薦め(笑)。何やってもギターはうまいし、この時代にもこんな人いたんだなぁって。そういえばクラプトンも「アンプラグド」でビッグ・ビルの「ヘイ・ヘイ」をやってましたよね。ボーカルも甘いトーンで味わいがある。ギターの弾き語りっていうことを考えた場合、絶対にこのビッグ・ビルは外せないと思うんですよね。ひとりであんなことできてええなぁ。

Guitar magazine 1997年10月号「Massage from pro guitarist」より
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