2000-NOVELS
JANUARY

[ INDEX ]

1.トロイの木馬…冷泉彰彦
2.悪魔に食われろ青尾蝿…ジョン・フランクリン・バーディン
3.D-ブリッジ・テープ…沙藤一樹
4.サヴェッジ・ナイト…ジム・トンプスン
5.異邦の騎士…島田荘司
6.怪笑小説…東野圭吾

 
1.トロイの木馬 冷泉彰彦
角川春樹事務所1999.5発行2200円ISBN4-8956-155-7
ネットワーク小説度 ★★★★☆
現実にもあり度 ☆★★★★
この作者何者?度 (^_^?(^_^?
 ナニゲな〜く手に取った小説なんだけど、この作者は何者だ。経歴がないぞ。
 内容は、ネットな話。結構身に染みるというか、最近あちこちでハッカーとかクラッカーとか問題になっているし、時代の先を行った小説だなあといいう感じだ。ネット社会に氾濫するウイルスやネットワームを厚かった小説である。ちょうど友人からもらった本に、クラッキングやセキュリティついてかなり詳しく書いてあるものがあって、途中まで読んでいるんだけど、やはりこの手の話は興味深い。
 話の筋は結構面白かったんだけど、主人公の女性が鼻につく感じだし、登場人物のバックグラウンドが見えてこないので、感情移入がしにくかったりする。感情移入しにくいと、カタカナのネット用語蔓延のどちらかと言えばマニアな小説って、駄目な人は駄目かもしれないな。
 それと、いかにもあのコンピュータの話でしょ、あの会社の話でしょ、みたいなのって、ヤバくないのかな?(^^;        [ 先頭へ ]

2.悪魔に食われろ青尾蝿 ジョン・フランクリン・バーディン
角川書店98.11発行1800円 ISBN4-04-873140-8
翻訳辛い度 ((((((((((;^^)
事の次第が飲み込みづらい度 ☆※▼◇★
題名憶えられなかった度 (^^;(^^;(^^;
 友人に本をどかどか送ってもらいまして、上のネットの専門書もそのひとつなんだけど、小説は翻訳物ばかりなのであった。で、これがそのひとつ。なかなか最近注目株の恩田陸さんが帯で推薦していたので、期待満々で読んだんだけど…翻訳、つ、辛かった。
 サイコな話(だろう(^^;)の翻訳文てのはめちゃめちゃ辛い。何を比喩しているのかさっぱりわからなかったりする。ラストとかはかなり怖かったけど、そこに至るまでが辛かった〜。
 しかも、タイトルが憶えられなくて、読みおえる最後の方まで「蝿」でなく「蛇」と言っていた私って…(笑)。        [ 先頭へ ]

3.D-ブリッジ・テープ 沙藤一樹
角川ホラー文庫1998.12発行
薄い度 \(⌒o⌒)/
読みやすい度 \(⌒o⌒)/
怖い度 〜〜〜〜;^^)
 ホラー大賞(パライヴとか黒い家のあれね)の短編賞かなにかを取った作品で、以前から読みたかった。たまたま時間があるときに、2000円分本を買おうとして書店をずーっとうろうろして、選んだ中にあった一冊。薄いし、しかも中味は「」の連続でページ下が空いてるぞ朝●ソノ●マ状態。
 いやでも、「」の連続ってのが不気味な効果を表現しているのだ、これがまた。
 ゴミ溜め場に捨てられて、そこで生きていかなければならなかった子供の生活…そんなもの普通想像できませんて。しかもこの短編に書かれている内容はその想像を絶していて、しかも真実味がありすぎて気持悪かった。
 最後は賛否両論あると思う。主人公の運命ではなくて、作者が語りたかった内容について、だけど。でも、どちらにしても、短い癖に(と言ったら短編というものに失礼か)すごく強烈な印象を残された小説だった。すぐ読めるので、ぜひ一読を。        [ 先頭へ ]

4.サヴェッジ・ナイト ジム・トンプスン
翔泳社1999.6発行ISBN4-88135-730-1
またまた翻訳度 (^^;★★
ハードボイルド度 ★★★☆★
「蝿」よりは読みやすかった度 ☆★★★☆
 やはり友人がくれた本で、こちらは馳星周ご推薦の帯つき。
 翻訳は、「蝿」よりも、ず〜〜っと読みやすかった。まあ、どうしてもある程度のぎこちなさが表現に残ってしまうのはしょうがないけどね。
 物語はハードボイルド…ってひとことで言ってしまうのはちょっと勿体ないラストであった。最初は本当に「ただの(安っぽい)ハードボイルド」かと思っていたんだよね。そうしたらあのラストはなかなか恐怖。        [ 先頭へ ]

5.異邦の騎士 島田荘司
講談社文庫1991発行602円ISBN4-06-185044-X
私はネタバレされていた度 (-"-メ)/
やはり日本の作家好き度 (*^^*)(*^^*)(*^^*)
ロマンだなあ〜度 ★♪♪♪★
(激しくネタバレあり)
 完全版というのがあるんだったろうか、ともかくこれは通常版。ずいぶん前に買って積んでおいたのを、突然読む気になったのだ。まあ、何をしながら読みはじめたかは、本家サイトのこの時期のTALKコーナーを見ていただければおわかりかと思いますが(笑)。
 さて、私は、この小説は、御手洗と石岡の出逢いの話だと聞いていた。しかし「御手洗・石岡出逢いの話」という紹介は、読み終えてみれば完全なるネタバレのような気がする。ただのミステリじゃなくてシリーズ物だし、よけいね。だって記憶喪失の男のことをずっと「この人石岡くんじゃないのかなあ、あれ、違うなあ、あれあれ」と思いながら読んでたんだもん、私。未読の人にこの本を薦めるときは、絶対に「御手洗・石岡出逢いの話」と言ってはいけないっす。
 さて、内容。久しぶりの国内小説…と思うくらい前2冊の翻訳を読んでいた期間が長かった(D-ブリッジはあまりにも短編であったので国内小説さを堪能できなかった)。作者からのワンクッションで届く言葉って、やっぱりいいです。ばりばりの正当派ミステリという感じも堪能。記憶喪失というものは根本的にミステリだし、探偵御手洗も存在自体がミステリだし(笑)。そこにうまくクラシックの雰囲気も取りこんで、なかなか趣ある小説にしあがっていた。
 ところで、益子秀司と御手洗はどこぞの話で対決したのだろうか? 私が読んでいる御手洗シリーズは他に2、3しかないし、しかも登場人物の名前なんて憶えてないっす。        [ 先頭へ ]

6.怪笑小説 東野圭吾
集英社文庫1998.8発行495円ISBN4-08-748846-2
解説・真保裕一、うますぎ度 (^^)/(^^)/(^^)/
再読だけど面白かった度 ★♪☆(^^)★
この辺からイメージ変わった東野度 ☆☆☆★★
 95年12月に単行本で読んだものの再読。やはり文庫で発売当初に買い積本にしておいたものを今回再読したことになる。古本でなく新本で、短編集を買うというのは、短編が苦手な私にしては珍しいことなのだ。
 それだけつまり初読の印象が楽しすぎたってことだ。最初の短編「鬱積電車」の印象が特に物凄く強くて、4年経ってもよく憶えていたんだけど、他の話もかなり記憶に残っていた。何度読んでもにやにや笑えて(嗤えて?)しまう短編集。
 で、解説が真保裕一さんなんだけど、これがまたうまい。東野さんを表現するには「理科系」「関西系」ですむ、というお言葉に爆笑こいてしまった。大いに納得。正当派青春ミステリ作家という東野圭吾の印象が変わったのはこのあたりの作品からで、まるでこれは「時をかける少女」で筒井康隆氏のイメージを持ってしまった私が他の社会派系の小説を読んで「!!??」と思ってしまったときのようであった(笑)。        [ 先頭へ ]