2000-NOVELS
MARCH

[ INDEX ]

1.夢の島…大沢在昌
2.T.R.Y.…井上尚登
3.池袋ウエストゲートパーク…石田衣良
4.グイン・サーガ72 嵐のルノリア…栗本薫
5.沈まぬ太陽(一) アフリカ篇・上…山崎豊子
6.どすこい(仮)…京極夏彦
7.沈まぬ太陽(二) アフリカ篇・下…山崎豊子
8.李歐…高村薫

 
1.夢の島 大沢在昌
双葉社1999.9発行1800円ISBN4-575-23376-5
ヒロインがいい度 (*^^*)(*^^*)
ちょっと若者くささ度 ★☆☆★
宝探し〜度 ☆★★☆
 幼い頃にいなくなった父親が残した「島」とはなんなのか。宝探しテイストもちょっと入り、そしてやっぱり快適な冒険小説でもあった話。それにしてもこの島ってホントに「夢の島」という感じだ。
 こういう感じの小説は大沢さんの作風に合っているので結構好きだったりする。突出してるわけじゃないけど安心して読める。でも、主人公の友達の設定とかがいまいちだったかな。
 ところで、大沢さんの小説って、いつもヒロインがすごくいいんだよね。今回の小説もすごくいい子だったなあ。        [ 先頭へ ]

2.T.R.Y. 井上尚登
角川書店1999.7発行1500円ISBN4-04-873179-3
時代は結構好きだった度 ★♪※◆
このタイトルって?度 ?????
この主人公は実在?度 ?????
 明治の頃の歴史のあちこちに登場する伊沢修とは何者だったのか? ということで、横溝正史賞受賞作だそうだけど、文章がね〜、視点があちこち移動しまくってすごく読みづらかった。同じ新人賞でも「八月のマルクス」の方の文章がうまかっただけに、ちょっと比較してしまうのであった。
 話は、すごい激動の時代の話ではあるんだけど、その割にはちょっとエンターテインメントなノリかな。つまらなくはないけど、ミステリの新人賞という感じの小説ではないなあ。枠にはまる必要はないけど…うーん。なんか、全体的にちょっと散漫な気がしたのだ。        [ 先頭へ ]

3.池袋ウエストゲートパーク 石田衣良
文藝春秋1998.9発行ISBN4-16-317990-9
春からのドラマに期待度 ★★★
IWGP度 ☆★★★☆
青くさー度 ☆(^^;(^^;☆
 略すとIWGP、日本語では池袋西口公園。さて、この春からドラマ化されるということで読んだ本(ドラマについては本家サイトへ。管理人にお問い合わせください)。聞いてみれば数年前の「このミス」で21位だかにランクインしていたわけですわ。でまあそれなりに期待して読んだわけだけど…なんというか、この青くささはどうにかなんないの。
 ミステリというよりは、青くさい純文学を読んでる気分でかなり辟易。ガキがガキをガキ呼ばわりするような小説は苦手なのよ。ハードボイルドを気取ってるのかなあ。多分これは書き方の問題であって、もうちょっと文体とか構成がちゃんとそれっぽかったらうまいミステリになった可能性はあるんだけどね。だからとりあえず、ドラマには期待しとこうかなと。        [ 先頭へ ]

4.グイン・サーガ72 嵐のルノリア 栗本薫
ハヤカワ文庫2000.3発行520円ISBN4-15-030633-8
リーナスが!?度 ★((((;^^)
リンダが!?度 ☆((((;^^)
ヴァレリウスが!?度 ★((((;^^)
 さあ、今回もネタバレ注意報発令なのだ。
 まったく、タイトル通りの嵐、そしてこの先これ以上の嵐の予感。というわけで、パロは一体どうなっちゃうの&どうなってんの。すごい近い身内同然の人達がどんどんレムス側に捕まっていっちゃうし、なのにこれで内乱を起こしたナリスに勝ち目はあるのか? 結構絶望的な状況だけど、これがどう展開していくのか楽しみな感じだな。        [ 先頭へ ]

5.沈まぬ太陽(一) アフリカ篇・上 山崎豊子
新潮社1999.7発行1600円ISBN4-10-322814-8
アフリカに行くまで度 ★☆★★
序章度 ★★★★★
どちらかといえば白い巨塔度 ★★★
 さて、大作に挑戦、の全5巻の第1巻。山崎さんの話題作、期待するなという方が無理だよね。まずは「大地の子」というよりも「白い巨塔」の雰囲気に近いかもしれないな、というイメージ。
 主人公の恩地がなぜアフリカにいるのか、その辺の経緯がこの巻では大きい。労働組合とかって私には全然わからない話だから、へーと思いつつ読んでいた。つまらないわけじゃなくて、すごく興味をそそる話なんだよね。結局左遷という形になっているらしい恩地が、これからどんな人生を歩んでいくのか、楽しみに読んでいこうと思う。        [ 先頭へ ]

6.どすこい(仮) 京極夏彦
集英社2000.2発行1900円ISBN4-08-774414-0
重い度 ★★★★★
重すぎる度 ★★★★★
しかも暑苦しい度 ★★★★★
 お相撲話。ただの相撲話ではない。すさまじいパロディ集。これはひどいとあえて書くけどもね。
 わけわかんないわ、同人誌ノリだわ、内輪うけだわ…買わなくてよかった、ホント。ともかく、変な前の話へのコメントがない分一番最初の「四十七人の力士」がおもしろかったけどね>この話はおもしろかったよ、うん。あとは疲れたけど(^^;。        [ 先頭へ ]

7.沈まぬ太陽(二) アフリカ篇・下 山崎豊子
新潮社1999.6発行1700円ISBN4-10-322815-6
アフリカ度 ★★★★★
すでに2巻にして泣いてる度 ★★★★★
「風に立つライオン」度 ★★★★★
 物語は過去から現在へ。アフリカに飛ばされたままの恩地の心が荒廃していくさまがなかなかすごかった。極限に向かっていくというのはこういうんだろうなと思って。だから、続きだした会社の事故から端を発して恩地が日本に戻れるようになる経緯で涙が出た〜おめでとう…ってはまだ言えないんだろうなあ。
 そしてアフリカの描写がものすごく綺麗だった。弱肉強食の動物の世界、フラミンゴが空を飛んでいく景色やジャカランダの花の綺麗さ、この辺で、さだまさしさんの「風に立つライオン」という歌を思いだした。
 恩地がこれから日本で何に立ちむかっていかなくてはならないのか、とても気になって仕方がない…続きが早く読みたいんだけど、4月に入ってから図書館にリクエストを出したので、手許に届くのは9月くらいかなあ(^^;。貧乏って辛いワ。でも絶対読む!        [ 先頭へ ]

8.李歐 高村薫
講談社文庫1999.2発行714円ISBN4-06-263011-7
「わが手に拳銃を」度 ?
情景がすごい度 ★★★★★
こんな文章だっけ度 ☆☆☆☆★
「わが手に拳銃を」を下敷きにして新しく書き下ろされた物語――さて、ずいぶん前に読んだ「わが手に…」は、はたしてこんな「李歐」のような小説だったろうか。
 殺し屋と主人公が出逢った運命は、いったいなんだったのか。大陸への夢とそこに花開く桜。鮮やかな夢は離ればなれの彼らの心の中で、どうしてこれほど色あせることなくふたりを捕らえていたんだろうか。
 大阪の工場の暗い風景と、桜の咲く情景の対比が鮮やかで、やはり高村薫はうまいね。決めすぎだと思うくらい決めてくれる。私はこの決め具合はとっても好き。それと高村薫ってこういう文章だったっけ? ごたごた飾られてるわけじゃないんだけど、とても雰囲気のある文章で好きだなあ。        [ 先頭へ ]